インバネスコート
18
いんばねすこーと
袖の無い二重の裾が付いた外套の一種。 イギリス発祥でコナン=ドイルの推理小説シリーズの主人公「シャーロック・ホームズ」の衣装として有名。 明治期以降、日本でも和服の袖を邪魔しない特性から流行していく。
インバネスコートとは、外套の一種である。
イギリスのスコットランド・インヴァネス地方が発祥とされ、マントとポンチョを掛け合わせたような造りとなっている。
外套の肩を覆う上部と胴体を覆う下部のあいだに腕を通す実質的な袖の部分があり、ここから腕を通す。
長い裾丈を利用してその中にバグパイプをしまうことで、悪天候でも屋外でのバグパイプの演奏を可能にすることを目的に作られたとされる。
のちにアーサー・コナン・ドイルの推理小説シリーズの主人公であるシャーロック・ホームズの衣装として有名になり、鹿撃ち帽・パイプと並んで彼を示すアイテムとして認知されていった。
- ただし小説の原本でホームズがインバネスを羽織る描写はなく、実際には出版社の挿絵などによる二次派生である。
日本でも明治期以降に海外から取り入れられ、袖の無いデザインから和服特有の袂【たもと】(和服のそでにある下半分の大きなふくらみ)を邪魔しない構造から富裕層を中心に流行していき、その後は学生の間で外套として流行し、改良を加えて「二重回し」へと変化し流通していった。
洋服が一般化した現在でも和装の愛好家のあいだでは需要があり、僅かながら流通している。
発祥地のイギリスではとうの昔に廃れており、町中で見られることはまずない。
関連記事
親記事
兄弟記事
コメント
コメントが未記入です