概要
四本足の動物で、胴体の前後両側に2本の角を持つ頭がある。双方の頭で四方を同時に見渡せる一方で、非常に恥ずかしがり屋で用心深い性格をしていて、アフリカ人にも存在を知られていなかった。頭が二つあっても思考は一つらしく、片方の口だけで喋り、もう片方の口は食事に使う。伝説の一角獣とも血縁関係にあるらしい。
アフリカにある猿の国で大規模な伝染病が発生し、来訪したドリトル先生の治療で落ち着いた頃、猿たちはどうやって謝礼をすべきか相談を始める。
先生と共にイギリスで生活していた経験のある猿のチーチーは「文明国でも全く知られていないアフリカの珍獣を連れていけば、見せ物としての利益が出せるかもしれない」と、仲間達に進言。
「イグアナは居ますか?」「動物園に居ます」
「オカピは居ますか?」「イギリスで見た事があります」
「オシツオサレツは?」「……いや、多分、オシツオサレツを見た人間は居ないでしょう」
猿の仲間達はオシツオサレツの生き残りと交渉。ドリトル先生と面会して一目で気に入り、「帰りたくなったらいつでもアフリカへ帰してもらう」という条件で、イギリスへ帰還するドリトル一家の仲間となる。そして本人納得の上で先生の見世物小屋で働き、貴重な収入源となる。
恥ずかしがり屋ではあるが、帰還の途上で海賊に遭遇したときは迎え撃つべく角を研いでおり、やるときはやる性格である。
余談
原語ではPushmi-pullyu、つまりプッシュミー・プルユー。
…もしも「Push Me Pull You」と書けば「ボクを押してキミを引いて」?
日本語名のオシツオサレツは井伏鱒二の訳によるもので、河合祥一郎の訳による角川つばさ文庫版ではボクコチキミアチとなっている。