キャプテンキッド・ロア
きゃぷてんきっとろあ
むかーしむかし、そのまた昔。
世界は貧富の差が激しく、人々が自分の生き方を選べなかった時代が長く続いていました。
そんな時代に閉塞感を感じたとある高貴な生まれの子供はある時思い切って自分の生まれた屋敷を飛び出しました。
「この世界はもっと広いはず!」
子供は友人たちの助けを借りて大きな船を作りました。
そして仲間たちと共に大海原へ旅立ったのです。
子供は海賊になりました。
海賊は海を冒険しては新しい島や大陸を発見し、世界の地図をどんどんと広くしていきました。
旅をしていると珍しい宝や魔物の噂を聞くこともありました。
そうすると海賊は誰よりも速く船を走らせ誰より先に新しい景色を見たのでした。
時に海賊は悪徳商人の大きな商船を襲うこともありました。
金銀財宝を掠め取り平民たちに配っては街を豊かにして多くの人に感謝されたりもしました。
ある時、海賊は施しをした街の老人からお礼にと「手に入れたものを自由へ導く虹色に輝く素晴らしい宝」の話を聞きました。
海賊は今までたくさんの冒険をしましたがそんな宝物の話は見たことも聞いたこともありません。
見たこともない宝が欲しくて居ても立ってもいられずに海賊はたくさんの荷物を船へ積み込むと大海原の彼方へ旅立っていきました。
海賊は知りませんでした。
老人が語った宝を既に自分が持っていたことを。
その宝の名前が「好奇心」という目に見えないものであったことを。
海賊は今もどこかで宝を捜し求めて、果てしない冒険を続けているのです。
おしまい♪
MMORPG「エミルクロニクルオンライン」の中で、南ウテナ開拓村で一時語られた、上記のストーリーの紙芝居から生まれたロアである。
伝説の大海賊がモチーフになっており、長くロールしたピンクの髪に紫の瞳、頭には青い海賊帽を被り、水着の上からブーツ・ミニスカート・ジャケットを着用し、外套をマントのように羽織っている。
名前の由来は実在した海賊「ウィリアム・キッド」の通称から。
キッドはイギリス生まれだが、後にアメリカに移住し貿易商として暮らしていた。
当時は海賊が横行しており、貿易船で諸国を巡っていたキッドはある時私掠船の運営許可を獲得し、商売の傍ら海賊退治を行うようになった。
しかし私掠船の運営が思うように行かず、次第にキッド自身が見境無く略奪を繰り返す海賊となり、やがて部下に見放されたキッドは寄航したニューヨークの港で逮捕され処刑されてしまう。
彼の遺体はイギリスのテムズ川に檻に入れられた状態で野ざらしにされ、海賊を志す者達に「海賊の末路」として見せしめにされたという。
性格は根っからの夢と自由を愛する冒険家であり、目的のためなら手段をあまり選ばない暴走娘でもある。
物語の制約から海に対して強い執着を見せるものの、ECO世界の海はインスマンスとの契約によって侵入不可であり、それが元で様々な事件を巻き起こした。
イベントクリア後はプレイヤー達を海賊団のメンバーに迎え、海賊として壱から再出発を決意する一方、空飛ぶ庭によって大空を旅することを夢見、飛空庭購入のための資金繰りに奔走している。
ちなみに一見奔放で脳天気な彼女だが、会話の一端では優れた経営者・リーダーの資質を垣間見せることもある。
もっとも、海賊団の維持に非常に費用がかかることから常に手持ちの資金はなく、それが転じて散財グセがついてしまった。
また着ている服装などはすべて彼女の手作りであり、意外も裁縫が得意なところも披露してくれた。
背中の左側に書かれたロアの証の数字は「Ⅴ」
2014年のイベントでは小さくなる以外にも衣装が若干変更され、紫がかったピンク色がメインのドレス風の衣装になっている。
飛空庭はまだ手に入れていないようだが肩書は大空賊となっている。