ローレライ・ロア
ろーれらいろあ
此度語りますは人魚の物語。
川のほとりで歌を歌う、水精の伝説でございます。
むかーしむかし、そのまた昔。
水辺にはたくさんの精霊がおりました。
その中に、一際美しい歌声で涼やかに歌を歌う美しい人魚が……あれ?
(脱線)
その中に、一際美しい歌声で涼やかに歌を歌う美しい人魚がおりました。
人魚は、あまりに綺麗な歌声をしておりましたから、一躍人気者となりました。
しかし、人気者には不運がつきもの。
その歌声を我が物にしようと次々人魚を捕らえようとする不届き者が現れたのです。
そこへ1人の勇敢な若者が現れ、人々を説得し、人魚を魔の手から助けました。
人魚は、自分を助けてくれた人間にすっかり恋をしました。
しかし、いつまで経っても彼は人魚の前に現れませんでした。
人への興味、憧れが募りに募った人魚は、強過ぎる想いのあまりに人の姿を手に入れました。
手に入れた2本の足で人魚は助けてくれた若者を捜します。
そして、ついに出逢った2人は恋に落ちました。
若者との結婚前夜、運命とは無情なもので、人魚は人魚の姿に戻ってしまいます。
さらには過ぎた行いのツケが回り、泡となって海に帰っていきました。
……その後彼女が住んでいた川のほとりでは多くの船が沈みました。
船が沈むときには、必ず美しい少女の歌声が聞こえたそうです。
おしまい♪
MMORPG「エミルクロニクルオンライン」の中で、大都市アクロポリスで語られた、上記のストーリーの紙芝居から生まれたロアである。
物語の人魚がモチーフになっており、魚の下半身と各所にヒレを有し、蒼い髪と赤い瞳、ハープと拡声器とマイクが一体化したようなハープを持っている。
名前の由来は不実な恋人に絶望してライン川に身を投げた乙女であり、水の精となった彼女の声は漁師を誘惑し、破滅へと導くという伝説で有名な水精「ローレライ」から。
うなじに書かれたロアの証の数字は「Ⅶ」
余談だが、ストーリー自体はハンス・C・アンデルセンの「人魚姫」を若干マイルドにしつつ、それに「ローレライ伝説」といくつかのオリジナル要素を継ぎ足したようなものになっている。
おまけに歌つながりなのかどうかは定かではないが、どういうわけかマクロスの要素らしきものが加わっており、「歌声は世界を超えます。世界間移動通信(フォールド通信?)大成功です!」という発言もあった。
首筋後ろに書かれたロアの証の数字は「Ⅶ」
他のロアと違ってプレイヤー達の目の前で生まれたばかりのロアであるためか、物語内での記憶をほとんど持たず、その場のノリで勧められるままにライブを開いてしまうなど非常にノリが軽い。
言葉遣いも非常に軽く、常にふざけた態度をとり、特に謎の三段活用をよく用いる。
歌声は誰も彼もを魅了する絶世の美声に加えてチャームの効果がある。
ただし歌詞や曲名は非常にユニークなものが多く理解し難いものの、その美声がすべてどうでもよくさせてくれる。
性格は単純でノリが軽いアホの子。
アイリスの物語再現効果によってプレイヤーに恋してしまうが、そこを指摘されても歯牙にも欠けないほどべた惚れである。
プレイヤーのことは「ますたー」と呼ぶ。
ちなみに腰や側頭部から生えているヒレは脱着可能かつ美味しいらしい。
実際に自分で自分のヒレを食べたり、振舞ったりするなどしている。
失ったヒレは一瞬で再生するため、特に損失にはならないらしい。本人にも原理は不明だとか。