ゲーム中での位置付け
本ゲームのテーマの一つに「想いの力」があり、それが人の姿と心を得て具現化した存在を扱う通年イベントが2011年より行われてきた。
その3年目「イリスと記憶の書架」の主役を飾る種族である。
また、4年目「空飛ぶ工房とフシギな武器」イベントでは、同メンバーが装いを変え(私服姿となり、さらに存在を維持しやすいように守護魔の1.5倍くらいのサイズまで小型化している)、御魂やプレイヤーをサポートするサブキャラとしても登場する。
ロアとは「伝承」「伝説」を指す単語であるとして、本種族をロアと銘々した経緯がある。
その証として、ロアの身体にはローマ数字と共に「LORE」と刻まれている。
先の2年間で登場した守護魔やアルマ・モンスターとは、想いの力で具現化した点では共通するが、ベースとなる存在に違いがある。
- 守護魔
- 世界に“遍在”する人々の想いや記憶、概念を素に誕生。
- アルマ・モンスター
- モンスターの中で人間に興味を抱いた固体が、想いの力を受けて人の心と姿を得た存在。
ロアの特徴は守護魔に近くはあるが、“特定の物語に対する人々の印象”がベースになっている。
その為、人々の記憶からその物語が忘れ去られるか、ロアの行動(物語の履行)に支障をきたすと、ロアは徐々に消耗し存在できなくなる危険性を孕んでいる。
逆に、物語の履行に適う内容であれば、死ぬような事態(物語上で死が明言される等)に直面してもすぐ復活できる特性も備える。
また、ロアの物語の履行による行動は、関わる物の性質にまで影響する様でもある(「魔女が毒りんごを与える」→ロアが与えた普通のりんごが毒りんごになってしまう…等)
特定の人物にロアの魂を結びつける事で、不特定多数に忘れられても存在を維持する事は可能だが、その人物の物語に対する印象次第でロア自身も変質してしまう可能性はある。
物語に対する想いから発生した経緯から、当然ながら物語の経過を除く誕生以前の記憶も持ち合わせていない。
ただし、物語の作者と基礎知識を若干共有している節はある。(絶滅して誰も知らない筈の猫が「好きだった」…等)
ロアが発生する際に物語がどのあたりから始まるのかはかなりのバラつきがある。
ローレライのようにほぼ最初から始まる場合もあれば、バステトのように既に本編が終了した後の場合もある。
また、ロアとしての自覚などもロアごとにマチマチ。
更に言えば、シモツキが物語の守護魔である事を鑑みれば、彼女がロアの直系上位種と言えなくもない。
ゲームでの展開
上記した通り、2013年イベント「イリスと記憶の書架」の主役として順次登場していく。
昨年登場したデス・アルマが経営する「なんでもクエストカウンター」に舞い込むクエストをこなしていく上で出会っていくスタンスが取られている。
とある旅の紙芝居屋が、旅先で街の人に読み聞かせる紙芝居の物語がロア誕生の母体となっている。
この紙芝居屋が物語のキーパーソンとなっている。
PET装備として
昨年の守護魔、アルマ・モンスターと同様、ECOくじ(1回リアルマネー500円)の1等商品として入手可能である。
かわいらしい見た目から高い需要を誇っており、非常に高額で取引されている。
様々な場面で話しかけてくれる他、スキルによる援護を始めとした戦闘でも活用される。
アナザークロニクル
2015年より、イリス博士と下記ロア達を再度クローズアップした大型アップデート【アナザークロニクル】が実装された。ロア達の「語られなかったもう一つのストーリー」を辿ると共に、強力なアナザースキルを習得できる。
アナザーロア
禁書「ナコト写本」によって映し出された、文字通り「もう一人のロア」
ロア達を真っ黒にし、眼光が不気味に赤く光っているのが特徴。(小道具や使い魔も同様に目が光っている)
性格の一部がより強く反映されるなど、変化が見られる。
基本的にはロアやプレイヤーの前に立ち塞がるが、進行によっては味方に付いてくれる事もある。
ロアの種類
詳細は各自情報を収集するか、ロアを所持するプレイヤーに聞くといいだろう。
ちなみに2014年版では小型化して、プレイヤーの右上にネコマタのように浮遊するようになった。また、台詞が使いまわしだった守護魔たちにくらべ、台詞の多くが新規に書き下ろされている。
アルカード・ロア
大昔の契約に従い人を守り続けるも、それを代替わりによって忘れてしまった人々によって退治されてしまった優しくも悲しい吸血鬼の物語から生まれたロア。
お嬢様口調で人を嫌い、嫌われるのを良しとするような振る舞いをするが、心根は優しい。
髪の毛から使い魔の蝙蝠を呼べるが、何故かセクハラ癖(スカートの中をのぞき見る)があり、そのたびに足蹴にされる。
名前の由来はドラキュラ(Dracula)の綴りを逆から読んだもの。
清姫・ロア
宝の島に住み、ある日見初めてしまった若者に騙されたお姫様の物語から生まれたロア。
惚れっぽく、気に入った相手の前では可愛らしくあろうとする、所謂猫かぶり。
また嫉妬深い上に思い込みや早合点も多く、相手が別の異性と(ハプニングだろうと)接触すると激しく取り乱し、ネガティブ思考に陥ってしまう。
怒ると背後に炎に包まれた大蛇が現れる。
ル・フェイ・ロア
常若のりんごを持つ悪い魔女の物語から生まれたロア。
「フェイお姉さん」を自称し、気さくなお姉さんのような振る舞いをし、人々にりんごを配って回る。
実は自分が死んだ記憶を持つ矛盾に気付いており、登場時点で既に自分がロアである事に勘付いている。
彼女なりに物語の運命への抗い方を模索していた。
バステト・ロア
幸運を呼ぶ猫として皆に愛された猫の物語から生まれたロア。
猫への関心が弱い街の人を憂い、猫のモニュメントを乱立させる騒動を起こしたミステリアス系猫娘。
ベタベタ可愛がられるより、程よく自由にさせてくれる人を好む猫娘。
マジ猫娘。
キャプテンキッド・ロア
自由を冒険に生きる大海賊の物語から生まれたロア。
気が付いたら船と船員とはぐれて一人で浜辺にうちあげられており、船を手に入れて再び大海原に飛び出そうとインスマウスたちとひと悶着起こす。
自信過剰な暴走娘であり、将来的には飛空庭を手に入れて世界中の空を旅したいと思っている。ちなみに空飛んだら海賊じゃなくて空賊だということはつっこんではいけない。
玉藻・ロア
人助けしすぎることで人々を怠けさせ、国を滅ぼそうとした物語から生まれたロア。
明るく気さくに人助けに奔走する頼れるお姉さん。
アイアンサウスの住民と交流が深かったことから紙芝居屋の話を知り、本能的に自身がロアだと自覚する。
人を甘やかすのが大好きで、よくふさふさの尻尾でもふもふしてくる。あるいはさせてくれる。
ローレライ・ロア
人に恋し、恋敗れて人を惑わす水精になってしまった人魚の物語から生まれたロア。
軽いノリと不思議な言葉遣いをするアホの子。
アイリスによってプレイヤーたちの目の前で生まれたロアであり、細かいことは気にしない質なのか自身がロアという存在であることをまったく気にしていない。
受付嬢曰く、プレイヤーが物語に登場する恋人をロールしてしまったためにべた惚れさせてしまった模様。
パラケルスス・ロア
賢者の石作成を目指す、偉大な錬金術師の物語から生まれたロア。
根っからの研究家で、真理の探求のためなら己の犠牲すら厭わない。あと大の甘党。
他のロア達に家族のような関係を見出し、アイリスを母、先達のロア達を姉と慕う。また自ら生み出したホムンクルス「ほむこ」を娘のように溺愛している。
彼女の活躍によって物語は大きな進展を迎える。
ワーウルフ・ロア
人間に住処を追われ、人里で暴れるようになった狼男の物語から生まれたロア。
態度こそ若干無愛想なものの誠実で、人の頼みを断れない青年。
また、無用な争いや殺戮を避ける為には自己犠牲を厭わない。
誕生にアイリスが関与していない初のケースでもある。
一部の者からは「わんこ」と呼ばれていたりする。
メフィストフェレス・ロア
魂の引き換えに願いを叶える悪魔の物語から生まれたロア。
面倒くさがりな一方、なにより暇を嫌う娯楽家。
普段は自身より巨大な四足歩行の使い魔に乗って移動し、こき使っている。
また策謀家な面もあり、目的のための布石設置に余念がない。
アイリスが関与していない二番目のロア。
ルチフェロ・ロア
勇者に終焉をもたらす魔王の物語から生まれたロア。
あどけなくもミステリアスな魔王。
理解力が高く空気も読める賢い子だが、時々突飛な発言も。
残念ながら駄肉はない幼女魔王。
ステラ・ロア
アクロニア全土に伝わる思い出星の物語から生まれたロア。
温厚で心優しく、時に子供っぽい好奇心を見せる天使。
ロアを抱え過ぎたプレイヤーの負担を清算するために生み出された。
ハッピーエンドが大好き。
関連人物
紙芝居屋アイリス
世界中の街を旅しながら、行く先々で人々に紙芝居を読み聞かせ、ロア誕生を促した人物。
ロアを生み出す為に紙芝居屋を営んでおり、ロア達が予想より早く姿を消す事を不審に思い、関わった冒険者と接触してくる。
また、絶滅した筈の猫を知っている等、その知識は現在とは違う時代に影響を受けている様子が仄めかされていた。
読み聞かせる物語は、いずれも自作したものではなく、知っていた物語をアレンジしたものだという。
小慣れた大道芸師特有の言い回しや人を煙に巻くような口調が特徴。
紙芝居の公演中もたまに脱線する事があり、メタな発言が飛び出す事もある。
自身の説明に関して、ロアとも言えるし違うとも言える…等、要領を得ない釈明を繰り返している。
グッドエンドとバッドエンドの両方の物語を語り、バッドエンドでも比較的ソフトな終わり方をする物語構成で、必要とあらば物語の結末をグッドエンドに作り変えることもある。(その時の語り口調は地に近かったため、グッドエンドのほうが好みのようだ。)
もう一人の紙芝居屋(アイリス・ロア)
ワーウルフ・ロアの語り部より本格的に動き始めた存在。
紙芝居屋アイリスと酷似した容姿を持つが、衣装は黒中心であるため、愛称として黒いアイリスとも呼ばれている。
紙芝居屋アイリスの感知せぬ所で、彼女の知る物語に似た物語を読み聞かせ、ワーウルフ・ロア以降の新たなロア誕生に関与している。
口調もアイリスと比較すると冷淡な気があり、やや狂気じみた雰囲気もある。
尚、公演中はアイリスと同じくシルエットでその姿を表示される演出が成されるが、青いシルエットのアイリスに対し、赤いシルエットで表示される。
「物語を語る紙芝居屋アイリス」の噂そのものがロアとして現界した存在らしく、
物語を語った後で決まって何かしらの事件が起きるためかそのような性格をイメージされたようだ。
そのため、土台が同じ物語でもアイリスと比較すると同じバッドエンドであってもより重く暗いものになる傾向にあるようだ。
イリス博士
エミルクロニクルオンラインの世界において、想いの力の研究に多大な貢献をした研究者。
数百年前の大戦時代を生きた故人。
「想いの力の具現化の研究」に掛けた思いが、紙芝居屋アイリスの誕生の原動力になった。
一昨年の『ヒトトセのフシギな卵』のフシギな卵を作った人でもあり、この一連の通年イベントの原点と言える人物。
受付嬢
前年登場したデス・アルマその人であり、アミスの学校経営資金の工面と、後輩アルマ・モンスターの実地訓練を兼ねて「何でもクエストカウンター」を始めた。
しかし運営はいい加減な所があり、客の目の前で堂々と居眠りしたり、受けたばかりの依頼を半ば強引に居合わせた冒険者(プレイヤー)に斡旋(という名の押し付け)する事が多々ある。
割と自転車操業でワーウルフ・ロアの一件を解決するまでは赤字すれすれの経営だったとか・・・。