燐火の蛇姫
むかーしむかし、そのまた昔。ある島にお姫さまが住んでいました。
その島には地に埋められた宝があり、
人々はなんとか宝を手に入れたいとあれこれ苦心しておりました。
しかし、島はお姫さまのものであり、人々は宝を手に入れることが出来ませんでした。
ある時、宝を欲した一人の若者が島に訪れた時、事情は変わります。
見目麗しい若者が、お姫さまに見初められてしまったのです。
これはチャンス!と思った若者はお姫さまに嘘をつきました。
「私もあなたが好きになってしまったのですが、
私めのような者が姫さまに堂々寄り添うなど無礼千万、
せめて、人目の付かぬ隣の小島で然るべき時に結ばれましょう」
若者の言葉にすっかり舞い上がったお姫さまは、
来る日も来る日も小島で若者が来るのを待ちました。
しかし、いつまで経っても若者は小島を訪れません。
お姫さまがこっそり元いた島に戻ると、
そこには仲間と共に穴を掘り、宝を好き勝手に掘り出して、金持ちになった若者の姿がありました。
騙されたことを知ったお姫さまは怒りのあまり、大蛇の姿になりました。
お姫さまは蛇の化身だったのです。
恐れおののく若者と仲間たちは宝を掘るために掘った横穴に逃げ込んだのですが、
大蛇はそこにも入り込み、怒りの炎ですべて燃やし尽くしてしまいました。
残された者たちはお姫さまの怒りを鎮めるために三日三晩祈り続け……
やっと炎は消えたといいます。
燃え尽きた島でただ一人、お姫さまはくすぶる炎を抑えつつ、
今日も誰かを待っているのだそうです。
清姫・ロア
MMORPG「エミルクロニクルオンライン」の中で、炭鉱町モーグで紙芝居屋によって語られた、上記のストーリーの紙芝居から生まれたロアである。
物語に登場する姫さまそのものであり、見初めた相手に裏切られ、焼き尽くす事が物語の宿命として定められた不条理な存在でもある。
名前の由来は、上記物語の由来と見られる「安珍清姫伝説」の清姫から。
黒いストレートヘア、袖丈は長いが身丈は短い着物にミニスカートをはいている。
モーモー・アルマ曰く、ブラッシングの練習に丁度良い、寝癖のつきやすい髪らしい。
左腕に書かれたロアの証の数字は「Ⅱ」。
物語を履行する性質上の必然からか、性格は惚れっぽく嫉妬深い。
惚れた相手がいない間は嫉妬狂いの気があり、大蛇の姿でカップルを睨み付け、リア充爆発しろと喚き、モーグでも大蛇の噂が流行るほどであった。
惚れた相手が現れても、ちょっとした拍子に騙されたと疑ってしまい、物語の宿命として相手を焼き尽くしてしまおうと取り乱す等存在自体が不条理である。
また気分の浮き沈みが激しく、一度ネガティブ思考に陥ってしまうと、よほど強烈な反動がなければ立ち直れず、鬱のように考えが不のスパイラルに陥ってしまう。所謂ダウナー系ヤンデレ。
私生活は結構自堕落なようである。
…と、はた迷惑な側面も多いが、一度惚れた相手の前では可愛らしく頑張ろうとする前向きな所もある。
つまり猫かぶり…アレ?
猫の女神バステト・ロアからも「地雷女」と呼ばれる始末。
積極的にアプローチしようとする一方ですぐに挫折してしまうなどヘタレな部分も散見でき、その容姿と相まって基本的に残念系女子である。
イベント内ではプレイヤーの行動によって物語が途中で止められるという事態に陥っている。
2014年のイベントでも2月に登場。
アルカード同様に体を縮小しているほか、モーグでの一件で知り合いになったカップルのザッハとトルテ(何気にこのカップル、2012年のアルマイベントの2月以降毎年2月に決まってイベントの中心人物として登場している)の勧めで女学生の服装をしている。
相変わらずネガティブ思考はあるもののそれを克服しようと努力しており、悋気もあまり見られなくなっている。ただ、その影響か猫かぶり度が上がっているようにも・・・。