ギアリング級駆逐艦は、アメリカ海軍の駆逐艦の艦級のひとつ。第二次世界大戦末期の1945年に就役が始まり、1951年までに98隻が建造された。アレン・M・サムナー級の航続性能を強化した改良型であり、フレッチャー級などの大戦型大型駆逐艦の最終発展型である。戦後も改修を重ねながら長く活躍した。
初期・中期型では大戦型駆逐艦らしく雷装を持っているが、後期建造艦では長魚雷発射管を建造時からもたない艦もあった。大戦後の駆逐艦に求められる役割の変化に合わせ、防空ミサイルや短魚雷発射管の搭載、機関の換装、対潜ヘリの搭載、艦橋などの上部構造物の作り直しなどがされた艦もあり、各艦ごとの艤装や外見の変化は著しい。
ギリシャ海軍、韓国海軍、台湾海軍、スペイン海軍、トルコ海軍など各国に供与され、最後まで現役であったメキシコ海軍の「ネツァルコヨトル」が退役したのは2014年であった。現在でも台湾の「瀋陽」「徳陽」、韓国の「全北」などが記念艦として保存されている。