概要
主人公と同い年で、幼い頃は親友だった。
けれど特殊な家系の意思を継ぐよう育ったため、主人公とは違う道を進んだ。
エルストの弟。
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過去の妄執の申し子
ブラッテルン家は響融化以前の時代………エルゴの王が没した後に王の同志ゼノビスが起こした無色の派閥の一門だった。
だが、セルボルト家やクラストフ家]のように派閥を起こした召喚師の家系というわけではない。
響融化によって、これまでの召喚術が失われた無色の派閥は解体・再編された蒼の派閥と金の派閥と真逆に衰退の一途を辿るが、世界を作り替える野望を諦められなかった。そのために、まず自分達の遺産の継承者を残すことにした。
それこそが、ブラッテルン家だったのだ。つまり、ブラッテルン家は無色の派閥の亡霊の一族だったのである。
不可能命題を押しつけられ、疲弊したブラッテルン家は転生の輪に起因する冥土を使役する召喚術を編み出すことにした。そして、それはエルストとギフトの代で現実味を帯びていき、そんな両親の妄執に嫌気がさしたエルストは調停召喚師の道を歩むために家出同然に飛び出した。
長男のエルストがいなくなれば、当然全てはギフトに押しつけられる。近所にいた面倒見の良い弟の友達がいれば大丈夫だと思っていたが、三百年にも及ぶ妄執の教育を受けたギフトは不可能命題にしがみつく無色の召喚師になっていた。
しかも、最悪なことにエルストが帰省の手紙を送った日に両親は冥土に呑まれていた。その後、ギフトは同じような無色の末裔達と共に冥土召喚術を完成させていき、それが5の冒頭に繋がる。
つまり、5の物語は時代の変化を認めず、対応もできないまま妄執にしがみついた新たな無色の派閥との戦いだったのである。
が、主人公と一緒に遊ぶ時間を与えてもらっていたことから、友情は抱いていた。一方、敬愛する兄に眼をかけられる主人公にコンプレックスもあったようで、ブラッテルンとして兄に認められたい=兄に愛されたい思いがギフトの暴走に繋がった。
務めなど果たさなくとも、主人公も兄も愛していたのだが、ギフトはそれに気付かず、主人公とエルストはギフトが妄執を植え付けられていたことに気付かなかったのが全ての根源であった。ブラッテルンの妄執から解放しようという二人の思いはギフトに届かず、二人に認めて欲しいギフトの箍は完全に外れてしまう。自身に冥土を打ち込み、同じく冥土に侵蝕されたエルストを取り込んだ。
兄が認めてくれないのなら、兄を自分にしてしまえば良い。
既に相棒のガウディでもエルストでもなくなったエルストは妄執に取り憑かれた弟の一部になり、冥土の塊とも言うべき月を作り出したギフトは外見は化け物と化したエルスト、中身はギフト自身という化け物となってしまった。
その力でリィンバウムを呑み込もうとするが、それを阻む主人公達との決戦に臨む。敗れた末、最後の執念で主人公に挑んだその手には子供の頃に遊んでいたときに持っていた玩具の剣で向かっていった。
主人公への友情と、ただ純粋に兄と友達に褒めてもらいたかった心だけは本物だったのだ。