概要
ドラゴンクエストモンスターズ等を下地にした漫画作品のオリジナルキャラクターおよび主人公。ただし、後出のキャラクター達を後押しつつ、後方支援する引き立て役としての側面も強い。
ちなみに引き連れるモンスターは基本的にスライム系だが、一時期はドラゴン系も連れていた。
始めは勇者にただ憧れ、無邪気に遊びまわることの多いわんぱく坊やで、わたぼうの案内によってタイジュに訪れてから間もないころは、少しは空気は読めるものの、知り合ったモンスターとしょーもない諍いを起こす問題児予備軍として、タイジュの人たちを困惑させていた。
もっとも、モンスターマスターの資質が低いのかといえば、そうでもなく、テリーとは違う形ながらモンスターの呪文に関する素養を引き出す描写をみせた他、なんやかんやで持参品の消耗をある程度抑える・仲間であるモンスターを単なる道連れや配下のように扱わずに、ケンカ友達やガールフレンドのように等身大に接するなど、精神面での素質も侮れない。
また、物語が進むにつれ、勇者に憧れを抱きつつも、ただ傍観するでも後ろについていくでもなく、信頼できる先輩や仲間として横に立ち補佐する・多少ギャグ要素交じりとはいえ、邪配合によって生成された魔王級モンスターに反抗の意志を見せる等といった形で、主人公らしい一面もたびたび見せるようになる。
そして、その行動は勇者としての技能や才覚(主人公補正ともとれる)を他者や仲間のために活かそうとする意志と、一歩踏み外せば周囲の人間とどこか隔てりのある存在として扱われかねない孤独・人として誰しもが大なり小なり抱えている恐怖心や脆さなどとの狭間で揺れる者たちの心を突き動かし、"一人の人間として"立ち直らせたことも。
大小様々な物質系モンスターを複数引き連れていた賢者・マルモを相手にしていたときは、相手の魔物の練度や戦力差を感じ取ったのか、途中まで同行していた魔物の急変で心がもろくなっていたのか、慎重とも臆病ともとれる意見を口にしてしまったが、新参の仲間の精神面の成長ぶりを見て一念発起。
物質系モンスター達の意外な行動や、心の傷のためか場数に難のあった賢者の隙をつき、(半ば無自覚だが)言葉でゆさぶるなどの奮闘を見せた末、相手の心をある程度開くことに成功。
途中で邪配合モンスターの暴走により、自身もマルモも窮地に陥った際は体を張ってマルモを守った後、マルモをタイジュへと案内し、彼女が笑顔で旅立つきっかけをつくった。
物語の打ち切りなどもあって、目的の一つが果たせたか否かはっきりしないままになった部分もある。その他、少々インパクトに欠けるところもあるのだが、このキャラクターが歴代の勇者やその仲間たちの後押しした功績や奮闘ぶりは決して小さいものではなく、一部の読者にも、打ち切りながら根強い支持を得ている作品の主人公として、今なお愛されている、侮れない魅力を持つキャラである。