概要
フルネームはヘルシャフト・グリム。
初代殿堂魔界王であり「扉」が作られる原因となった人物。
作中の登場人物のほぼ全員が彼によって起きた騒動により何かしらの影響を受けており、本作においての全ての元凶と言える。
性格は自分勝手で残忍であり他者を全て見下している。アキムのような遊び心を持っていないとブラッズから見られているが、他者を見下している事で生じる油断があり、その点がアキムとは違った意味での隙になっている。
かつての彼は保有できる魔力量が底が見えないほど膨大であるが為に常に満たされない気持ちを抱えていたが、スタズ達吸血鬼のように他者の魔力のみを奪う手段を持ち合わせていなかった為、他者を殺して喰らう事で魔力を取り込むことで飢えを満たそうとしていた。
そうした事を繰り返していく内に誰も彼に敵わなくなる程の魔力を保有するようになったため、殿堂魔界王として君臨するようになった。
王となっても満たされる事のなかった彼は手に入れた権力を駆使し、民衆から魔力を税として徴収し、逆らうものは殺して喰らうという圧政を布いていた。
それでも満たされる事のなかった彼は最後に魔界中に注がれる筈の魔素を一か所に集めて取り込もうとし、それに肉体が耐えられなかったことで溺れ、死亡してしまう。
この一か所に集められた魔素に蓋をする為に設置されたのが「扉」である。
肉体は死亡したが「扉」で蓋をしたことで向こう側に溜まった魔素の中でグリムの魔力は生き残っており、その魔力に残った意志が時間をかけて「扉」を開こうとする。
本編開始の10年前に実際に「扉」が開き、これの対処にあたった結果ウルフダディがリチャーズを殺害する事になってしまった。
ウルフとアキムの戦闘中に再び「扉」が開き、膨大な魔力を見てそれを欲したアキムが取り込んだ事でグリムの意識もアキムの体内に宿る事になり、それが徐々にアキムから主導権を奪っていった事でグリムは完全に復活する事となった。
アキムの体を乗っ取ったので見た目はほとんど変わらないが、額に第三の目がある。
アキムの時に計測した最終的な魔力量は「586900オルガン」であり(参考としてスタズの魔力量は「36400オルガン」)、その力で再び魔界の支配を目論み、アキムが決めていたブラックリスト達との決戦の日に行動を始める。
ブラックリスト達を圧倒的な力の差で弄んだが、先述の油断から事前に毒と聞かされた上で飲んでいたブラッズの血によって心臓を奪われてしまい、ブラッズが心臓を体内に取り込んで逃走しだした事で窮地に陥ってしまう。
機転を利かせてリズを人質にとることで逆転したかに見えたが、そこにスタズ達を宿し、スタズに主導権を渡した冬実が現れた為、彼女(彼?)と交戦。
優位に戦いを進めていたが、冬美(スタズ)の守りを捨てた最後の攻撃を、またしても油断からあえて受けようとしてしまった為、魔界中から魔力を集める時間を与えてしまう。
慌てて攻撃を仕掛けて一時は優位に立つが、冬美が宿した全員に主導権を渡したこと逆転されてしまい、最後は「終劇圧縮(ファイナルジップ)」を受けて完全に消滅してしまった。
自分の為だけに魔力を集め続けた一人の男は、一か所に集まった仲間達の結束した魔力の前に散る事となった。