概要
J.R.R.トールキンのファンタジー小説「指輪物語」の登場人物。
名前の意味はシンダリンで「銀の木(Silver Tree)」とも、「銀の丈高きもの(silver-tall)」とも言われる。
妻のガラドリエルとともにロスローリエンの統治者として知られる。
裂け谷の領主エルロンドは曾姪孫(兄弟のひ孫)に当たる。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』ではマートン・ソーカスが演じた。吹き替えは家中宏。
人物
原作ではガラドリエルからの「賢者ケレボルン」「中つ国のエルフの中でも最も賢明にして、王侯の権力にもまさる贈り物を与え得る者」といった言及が目立ち、それなりの大人物であることが窺える。
「指輪物語」の中では、ロリエンを訪れた旅の仲間の一行をガラドリエルと共に歓迎し、その出立には贈り物と助言を与えた。
ガラドリエルとの出会い~その後
ケレボルンとガラドリエルが出会ったのは、中つ国の第一紀というのが通説である。
彼の血縁者であるエルフの三大氏族テレリ族の王シンゴルの治める王国ドリアスに、ガラドリエルが客人として来た時に出会い、以来二人はずっと(離別したことも何度かあったらしいが)中つ国で共にあり、冥王を敵として戦ってきた。彼自身、軍を率いて戦ったのも一度や二度ではない。
ケレボルンは彼女を「輝く花冠をつけた乙女」を意味するアラターリエルと呼び、それ以来彼女はアラターリエルのシンダリン形であるガラドリエルを名乗るようになったという。
このように恋愛結婚と思しいことや、多数ある名前の中でもケレボルンがプレゼントした「ガラドリエル」という名前を彼女が後々まで大切に使い続けていることなどからも、二人の仲を推し量ることができる。
ガラドリエルが西方へ去った後も、ケレボルンはしばらく中つ国に留まっていたといい、「上古の歴史を記憶する最後の者」であったという。
ケレボルンが灰色港から中つ国を去ったのがいつのことであったのかは記録にない。