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ガラドリエル

がらどりえる

ガラドリエルとはJ.R.R.トールキンによるファンタジー小説『指輪物語』等、およびその映像化作品『ロード・オブ・ザ・リング』等に登場するエルフ。
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概要編集

ガラドリエルとは、イギリスの作家J.R.R.トールキンのファンタジー小説指輪物語やその前史となるシルマリルの物語ホビットの冒険その他の著作、および『ホビット』シリーズや『指輪物語』シリーズの映画化作品とそれらのシリーズ『ホビット』『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するエルフの奥方である。

来歴編集

西方の至福の地の光を見た「光のエルフ」であり、一万年近く前から中つ国冥王を敵として戦ってきた、もっとも偉大かつ強力なエルフの指導者の一人。『指輪物語』の時代には、より下級のエルフ民族の森林国「ロスロリエン」(通称ロリエン)をその力によって美しく富ましつつ治め、「奥方」と呼ばれる。

サウロンに抵抗する、エルフと魔法使いの賢者達からなる「白の会議」の一員にして、その発起人。また、エルフの三つの指輪の一つ、水の指輪「ネンヤ」の持ち主。


「ガラドリエル(Galadriel)」とは「光の花環をした姫君」といった意味で、夫のケレボルンからプレゼントされた名前であり、おそらく当人が一番気に入っている名前で、もっぱらこの名前で知られる。

母名(エルフの風習で、子についての予兆の力がある母親により付けられる名で、通例はこれが通称ともなる)は「ネアウェン」、「男勝りの娘」の意味。父名は「アルタニス」つまり「貴い娘」。

能力編集

強靭な意志の持ち主なだけでなく、格闘や武器の扱いも物凄く強いという設定がある。一つの指輪が破壊され、サウロンが滅びた後、魔法だけでサウロンの元根城であるドル=グルドゥアを粉砕したこともある(サウロンにはおそらくわざと逃走されたが)。イスタリであるガンダルフも一目置くほど。公式設定で中つ国(第三紀では)最強のエルフ女性というとんでもない事実がある。指輪戦争では直接戦線に出なかったものの、その魔力でロスローリエンの地を守っていた。この防護はサウロンその人が直々にやって来ない限り、決して破られないという強力なもので、事実ドル=グルドゥアから三度出撃してきた敵軍勢を全て退けている。だが、例えばバルログが来たら危なかっただろうという意見もある(参照)。


人の心の奥底を見通すことができ、事情を良く知らない人間達の伝説では「森の魔女」として怖れられたりしているが、サムの口調をまねてみたりするお茶目な一面もある。


  • ちなみに、彼女だけでなく上古のエルフは第三紀の子孫と違い、身の丈2mから3mほどの実質上の半神というとんでもなく強力な種族だった。例を挙げれば、
    • 神々がお茶に誘えば、エベレストよりも遙かにデカい山にピクニック気分で登れる
    • 生きながらあの世にも身を置いているため、ナズグルへの耐性がある (ガンダルフ談)。
    • かのエルロンド卿のお父上 エアレンディル は、中つ国北西部が沈むほどの大戦「怒りの戦い」にて、史上最大最強のドラゴンである アンカラゴン(死体が空から落下した衝撃でサンゴロドリムの塔が毀たれるほど大きい) に止めを刺し、初代冥王にて元最強のヴァラールであるモルゴスの監視役のため、本物の暁の星になったお方である。ちなみに、エアレンディルの星の光を集めた玻璃瓶はガラドリエルから旅の仲間にも支給され、サムがシェロブ婆相手に使用していたのが印象的である。

ただし、彼女らノルドールでさえ、神々に一度は罰を喰らってる者々であるため、不死の国アマンへの帰還が第三紀が終わってからになったのである。


また、アラゴルンの祖先のヌメノール人こそが、個人差はあるが肉体的にも軍事的にも中つ国史上最強であったという意見もある。


ガラドリエル


活躍編集

その生まれは、まだ太陽も月も昇る前、二本の木の光が照らしていた西方の神々の国アマンにおいてで、エルフの三氏族の一つ、工芸に長けたノルドール族の王の孫としてだった(つまり太陽や月よりも古い存在である)。


冥王モルゴスによって二本の木が枯死し、その光を秘めた宝玉シルマリルも奪われ、さらにノルドール王フィンウェも殺害されると、その報復のため王子フェアノールは、神々に反逆してでも中つ国に渡るよう一族を扇動し、結果、押し留めようとするテレリ族との間で同族殺害が起こってしまう。

ガラドリエルには「自分が自由に治める領土が欲しい」という願望があり、彼の扇動に応じたのだが、元々フェアノールと彼女の父らとは異母兄弟で折り合いが悪く、彼女とフェアノールも犬猿の仲であり、狂気に陥り始めていたフェアノールに船を燃やされて置き去りにされてしまう(髪の毛を一本くれと頼まれたのに断固拒否し通すほど嫌っていた)。

誇り高く、また同族殺害で神々から呪いと追放を受けていた彼女らは帰るに帰れず、徒歩で酷寒の北の海上の氷を渡って多大な被害を出しつつも、中つ国へと到達した。

通説では中つ国でケレボルンと出会って恋愛結婚し、ガラドリエルの名前をもらったりしたという。


親兄弟が皆戦死し、モルゴスが打倒され、呪いと追放が解かれた後も、ガラドリエルは西方へ帰らず中つ国に留まり続けた。


……われらは時代の移り変わる中を長い敗北の戦いを戦ってきたのです……


こんな感じで、若いころはなかなかブイブイいわしていた奥方だが、エルフにも円熟はある。

ガラドリエル

『指輪物語』の時代には、夫と共に森林のエルフの国ロスロリアンを治めているが、その住民の大部分とは民族が違い、かつて彼らは彼ら自身の王を頂いていた。その後、ロリアンへやってきた彼らは王や女王としての称号は帯びず、彼女はただ「奥方(Lady)」とのみ呼ばれるようになる。

ガンダルフは旅の仲間のルートとして、とりあえずロリアンまで到達することを第一に考えていたようで、そこから先の具体的な道筋についてはおそらく奥方の助言を受けて決めるつもりだった。ガンダルフを失った後も予定通り旅の仲間はロリアンで休息し、奥方は一行を歓待するとともに、その出立の時には旅とその後の人生を大いに助ける贈り物を授けた。


この時奥方は、フロドからその偉大な性質と内心の願望を見抜かれ、一つの指輪の担い手にならないかと持ちかけられる。彼女は願望を認め、一つの指輪を求めていることを認めたものの、結局はそれを拒否した。


……わらわは試練に耐えましたね……

……わらわは小さくなることにしましょう。そして西へ去って、いつまでもガラドリエルのままでいましょう……


一つの指輪が壊されてサウロンが倒され、エルフの指輪も力を失うと、ガラドリエルは他の指輪の持ち主達とともに灰色港から船出して、西方へ去っていった。


映画版ではケイト・ブランシェットが演じ、吹き替えは塩田朋子が担当した。


力の指輪編集

Lady Galadriel

映画本編より1000年前の中つ国・第二紀を舞台とした物語が描かれている本作では、エルフの戦士として北方軍司令官を務めていた若き日の彼女の活躍が描かれている。

モーフィッド・クラークが演じ、吹き替えは行成とあが担当している。


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