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概要編集

サイバーサイコシスはCyberpunk2077、またそのアニメであるサイバーパンク:エッジランナーズ、原作のTRPGサイバーパンク2.0.2.0.において、人体の機械化=サイバーウェアへの置換を行ったことで発生した病である。

発症した者は、己のサイバーウェアやクロームを周囲の者を殺傷するためだけに使用するようになる。端的には、正気を失った殺人鬼となり、基本的に殺害されるまで正気を取り戻すことはない。

機械的な暴走との相違は、ただ無暗矢鱈な破壊行為を行うのではなく、生前のスキルをフルに活用して人間に対する明確な殺意と戦術性をもって甚大な人的被害を生む点である。

更に厄介な事にこうしたサイバーサイコシス発症者の中には軍でも採用されている戦闘用サイバーウェアや重火器類、軍用ICE(対ハッキング用の防壁)類を全身に実装していた例もあり、「エッジランナーズ」作中でもNCPDの警官数十人がたった一人のサイバーサイコシス発症者に全滅させられたという事件も発生している。

以上のようにサイバーサイコシスを発症した者は、”サイバーサイコ”と呼ばれる。

詳しい発生機序、原理は不明という扱いだが、機械化の比率が高いほど発症しやすいということが通例である。

背景編集

作中の近未来世界では、身体の一部を機械化することは一般的な技術である。

幾度とない企業戦争を経た世界のため、戦災で失った手足を義肢として機械化することも珍しくない。また、富める者は自身のパフォーマンス向上を目的として大枚をはたいて健全な肉体を機械化することも行われており、その用途は娯楽用、業務用、戦闘用と幅広い。

特に脳をネットに無線接続するための端末化は子供でも行われており、ある意味ほぼ全ての登場人物がサイボーグである。人体に内蔵する機械はサイバーウェア、視覚的に機械と分かる外装品はクロームと呼称される。

舞台であるナイトシティでは高級クロームはセレブの財力の証であり、身体の武器化は傭兵やギャングの憧れであり、富豪が自らのアイデンティティを誇示する手段として全身の機械化を選択することもある。「生身である」ということの優位性はほとんど評価されないばかりか、上記イラストのギャング”メイルストローム”のように身体の機械化自体を喜びとする集団すら存在する。この苛烈さは、”街”自体が人間の非人間化を扇動しているとすらいえる。

このことから、ナイトシティには潜在的なサイバーサイコ予備軍が非常に多い。ゲームでの発症例は枚挙に暇がなく、直前にはほとんどの発症者が強いストレス下にあり、サイバーウェアやクロームの誤作動を起こしていることが手記で分かる。

サイバーサイコシスを発症した者は、その多彩なサイバーウェアで非常に高い戦闘能力を有する場合が多く、人間としてのリミッターを外して繰り出す攻撃はNCPD(警察)では全く歯が立たないこともしばしば。

そのサイバーサイコシス事件に対処するため、ナイトシティではサイバーサイコ殲滅のエキスバートである特殊部隊”マックスタック”が創設されており、ストリートにおいて最強の戦力を誇る治安維持部隊として幅を利かせている。

一方、セラピーや投薬などで不完全ながらも回復した例もあり、マックスタック隊員には元サイバーサイコも多いという。

しかしそもそも発症者を殺さずに入院させること自体が困難なため、マックスタックも基本的には見つけ次第殺すという方針を取っており、治療に関して十分な治験は得られていない。

また体の9割以上を機械化したにもかかわらず発症していないアダム・スマッシャーのような例外もある。

ゲームでの設定編集

Ver.1.6以前

主人公Vはいくらサイバーウェアやクロームを盛ってもサイバーサイコシスとなることはない。(ストーリー上、Vの数日間の物語という設定であるためかもしれない。有志によって機械化の多寡によってVがサイバーサイコシス化するMODも作成されている)

サイバーサイコシスによる無差別殺戮事件は街中で発生している一方、治療法を研究する者もおり、Vはフィクサーのレジーナ・ジョーンズから、サイバーサイコを生け捕りにするよう依頼を受けることになる。

相手は強力なサイバーウェアを組み込んだ狂人たちのため、まともに戦うとかなりの苦戦を強いられるだろう。

Ver.2.0以降

様々なシステムが追加、変更されてゲーム全体が様変わり。主人公にもサイバーウェア限度が設定され、通常は限度以上にサイバーウェアをインストールする事が出来なくなった。技術パーク「エッジランナー」を取る事で限度を超過してウェアを導入可能に。限度超過状態で敵を倒すと低確率で「フューリー」とパワーアップ状態が発動するのだが…演出的にも一時的なサイバーサイコシスの発症だと言われている。


アニメでの設定編集

典型的な初期症状として手足などの末端部分の震えから始まり、意識の散漫を経て、幻覚を見るようになったあたりでサイバーサイコシス判定、というような重篤化の流れが描写されている。また、眼に相当する部分が不規則に分身し、症状が特に重篤な場合は顔全体が分身する。ただし、この現象を登場人物らが知覚している描写は存在しないことから、あくまでも演出の一環であると思われる。

サイバーサイコシス化を防ぐ手段として”抑制剤”が登場し、これを注射することで一時的に発症リスクを低減することが可能。ただし本当に『抑制』以上の効果はないらしく、発症寸前の人間が使用してもあまり意味はなかった。(アニメではサイボーグには必須のアイテムのようだが、ゲームではアイテムとしては登場しない。なおテキストログには当たり前の薬として出てくるので、単に描写が省略されているだけかも知れない。)

精神的負担が大きい=サイバーサイコシス化しやすいサイバーウェア・クロームが認知されているが、負担の小さいものへの換装は”ダウングレード”とされ、パフォーマンスの低下を避けられないようだ。

サイバーサイコシスに近づくにつれ、”人間性”というパラメータが減っていき、それが尽きると発症するという原作TRPG準拠の設定。


TRPG(原作)での設定編集

サイバーサイコシス対抗策として、正気を保つためにプレイヤーはカウンセリングを受けることがある。

最新版ルールブック「サイバーパンクRED」によると、サイバーサイコシスの原因はウェアの拒絶反応や暴走ではなく、健常な肉体を自らの意思で切除して機械に置き換えるという行為が原因となる精神の病、との事。

故意で身体の一部を捨てる事が人間性の消失に繋がるということだろうか。

義足や義手など不可抗力の欠損の場合はサイバーサイコにならないのかも。

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