概要
鹿児島県川辺郡知覧町(現:南九州市)に伝わる、さがりの系譜に連なる妖怪。
この妖怪は大木の上から突然下がってきて、樹下にいた哀れな犠牲者を樹上に引き上げて喰らってしまうと恐れられた。
その姿とは両足を広げた股であり、この名は「下がり股」を意味し、股間で犠牲者を挟んで動けなくさせてしまうのである。
さらに地元では、言うことを聞かない子供に対して、「この妖怪に連れ去られてしまう」と脅かす躾の怪としても機能していたという。
なおこの妖怪はホラー作家・黒史郎氏が監修した、御茶漬海苔氏のコミック『妖怪跋扈』(2013年)で紹介され現代に蘇った。