概要
岡山県邑久郡(現・瀬戸内市)や熊本県南ノ関町大字関下宇迎町(現・玉名郡南関町)に伝わる妖怪で、路傍の古いエノキ(榎)から馬の首がぶら下がるという妖怪である。
岡山県のものは道中で病死した馬の霊が宿ったもので、「ヒンヒーン」と鳴き声を上げて人を驚かすものであり、熊本県のものはこれを見ると熱病にかかるという。その他、人間に使役されて死亡した馬の霊が為るともされているが、さがりの下を通る時に馬を連れていると、なぜか馬の方が呪われるらしい (怨霊故の行動なのか、苦界から同胞を解放してやろうという心の表れなのか、または別の理由があるのかは不明)。
よく見られる馬の頭から腕が生えたものは水木しげる氏デザインのもので、1983年発行の子供向け妖怪本の「妖怪おもしろ大図解」では馬と大だこと人が長い間戦った末に合わさってできた妖怪と解説されており、各部にその名残とされる部位が描かれている(全体のフォルムと左目は馬、腕と腕の目は人、右目と顔中央の吸盤はタコ)。この一種の洗練されたキメラのようなデザインを気に入る人も多い。
その他には「顔の中央にある吸血のための吸盤」、「尻尾にある鎖状の丈夫な骨」、「人、馬、タコのものが合わさった生命力の強い心臓」、「祝詞や経文の描かれた筋肉」等、謎にハイスペックな部分もあることが表記されている。
『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では、ぬらりひょんの部下であり、わいらと共に鬼太郎の仲間を始末する。また、わいらと合体する(参照)。
関連妖怪
福岡県には「馬の足」という首ではなく足がぶら下がっているという妖怪があり、夜道を歩いている者を蹴飛ばすという。これはタヌキが化けたものとされている。
関連タグ
天井下り - 名前が似ている妖怪の例。