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サソリ沼の迷路

さそりぬまのめいろ

ゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの第8弾。著者はスティーブ・ジャクソン(米)。
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「サソリ沼の迷路」とは、イギリスの出版社「ペンギン・ブックス」から出版されていたゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの第8弾「SCORPION SWAMP」の日本語版タイトルである。出版社は社会思想社。


作品解説

 大胆不敵な冒険者である主人公=君は、多少の危険などものともしないが、決して愚か者ではない。数々の冒険を成し遂げて来たが、サソリ沼に踏み込む事だけは避けて来た。

 この広大な沼地は、多数のモンスターが住み着いており、邪悪な者たちが小路をうろついているとの事だが、真に恐ろしく危険なのは、沼地そのもの。

 この沼では、無数の曲がりくねった小路が交差し、迷路になっている。地図を作り無事に戻って来れた者はいない。

 常に霧が漂って空を隠し、星の位置で方向を確認する事もできない。コンパスも狂って役に立たないので、沼地に入り込んだ者は結果的に堂々巡りを繰り返し、疲労で倒れる運命にある。

 かくして主人公を含む豪胆な冒険者たちは、サソリ沼を避けていた。

 が、ある日。主人公は道端に倒れていたとある老婆を助け出した。老婆は別れ際に、礼だと言って飾り気のない真鍮の指輪をくれた。

 が、次第にこの指輪には、数々の魔力がある事に気づく。

 はめていれば、森の中でも迷路や街中でも、常に北の方向の見当をつけられる。

 それに加え、近くに邪悪な者がいると、どんなに親しげでも指輪は熱くなる。荒くれ者や山賊と行動を共にしても、指輪は冷えたままだ。しかしあちこちの酒場で悪の魔法や不正を行われていると、指輪が警告してくれる。抜け目のない泥棒や嘘つきの商人、邪悪に身を捧げた魔法使いなどは、指輪のために主人公を騙すことはできない。

 主人公はこの指輪の力を最大限に用いるため、今こそサソリ沼に挑戦しようとする。

 そして、サソリ沼の端にある小さな村、フェンマージに辿り着く……。


 シリーズ8作目。

 シリーズ中、初の「スティーブ・ジャクソン(英)およびイアン・リビングストン以外の人物が執筆した作品」である。

 作者のスティーブ・ジャクソン(米)は、アメリカのゲームクリエイターであり、1980年に会社「スティーブ・ジャクソン・ゲームズ」をテキサス州オースティンに設立。数々の非電源ゲーム(ボードゲーム・カードゲーム・テーブルトークRPG)をデザインし、販売してきた。2000年代に入り現在に至るまでも、中堅どころのゲーム会社として続いている。

 同社のゲームで有名なタイトルは「ガープス」「イルミナティ」「カー・ウォーズ」など。全てがスティーブ・ジャクソン(米)自身がデザインしたわけではないが、その作風に大いに影響を受けている。ジャクソン本人も数多くのゲームを自ら作り、自社より販売している。(日本でも何種類か邦訳され発売されている)。

 英国のジャクソンとは、同姓同名であるが全くの別人である。そのため、日本での知名度も相まって、当初は本作も英国のジャクソンが執筆したものだと勘違いされていた。

 ちなみに、ジャクソン(英)とジャクソン(米)との違いは、最終パラグラフにある。

 前者は、最後のパラグラフがエンディングになるが、後者はマルチエンディングになる事が多いため、必ずしもそうではない。パラグラフが400あっても、400番の項目はただの冒険途中の項目にしかすぎないのだ。


 本作の特徴は、既存の作品と比較し「ゲームとしての側面が強化されている」事が挙げられる。

 サソリ沼という、怪物が徘徊する広大な沼地が舞台になった事も斬新ではあるが、「主人公に魔法の指輪を持たせる事で、『方角の見当』と『周囲の人間の善悪の判断』の能力を持たせ、この能力があって初めて「前人未到の沼地に挑戦する」事の必然性を作っている。

 加えて、「双方向性」「マルチストーリー」、いわゆる「やり込み要素」というものの魅力も付加している。


 今までの作品では、「引き返して別の道を行く」という選択肢は中々選べず、常に先に先に進む……という処理が成されていた。が、本作では同じ場所を何度も行き来する事が可能で、そうする事で「舞台となる場所を調べ尽くす」という実感が持てるつくりになっている。そこから、舞台の地図を作り出す……という楽しみがでてくる。

 後述する「やり込み要素」の一つにも関係するが、「火吹山の魔法使い」でも示唆されていた「マッピング」の面白さを、前面により押し出しているのだ。特に中立の依頼を受けた場合、その内容が「沼地の地図の作成」そのものなので、必然的にマッピングする事にもなる。その作業すらも、ゲームの内容に取り入れているわけだ。


 そして、今までの作品では冒険の動機が常に一つであったが、本作では三つ存在する。

 サソリ沼に挑戦するにあたり、主人公は「サソリ沼を探索してもらいたい」という魔術師三名が居る事を知り、それぞれに赴いて依頼を受けてから出発する……という展開になる。

 指輪により善悪の判断ができる事から、善悪中立のどれかに仕えるかで、三通りのプレイが可能になるのだ。そのため、二回目以降は初回プレイとは異なる展開になるため、更なる楽しみ方ができるのだ。

 そして、本作をやり込み、善・悪・中立、全ての依頼を受けてクリアする事で、このサソリ沼の状況と地形(地図)とが明らかになる。これは今までのファイティングファンタジー、およびスティーブ・ジャクソン(英)、イアン・リビングストンの両氏には無かった特徴であり、魅力でもある。

 なお、本作でも主人公は魔法を使えるが、ここでも善悪中立と属性が分かれており、依頼主によって主人公が使える呪文も異なる(後述)


主な登場人物

主人公=君

 魔法の真鍮の指輪を貰った冒険者。今まではサソリ沼がいかに危険かを聞いていたために避けていたが、指輪を得た事から挑戦し征服しようと決意する。

 本人には特に決まった志向性は無いようで、善悪両方の魔法を(石を用いる事で)使う事が出来る。


グロナール

 サソリ沼近くの村、フェンマージの酒場にいた男。十字架の描かれたローブを着ている。

 フェンマージに来てすぐの主人公に、サソリ沼の探索を希望する魔術師の依頼人がいる事を知らせ、その三人の誰かの依頼を受け、魔法を授かってからサソリ沼に挑戦するようにと助言する。

 選択次第では、善なる勢力に関連ありそうな、意味ありげな行動をとる。が、その正体は不明。


セレイター

 依頼主の一人であり、善の魔法使い。白いチュニックとリネンの半ズボンを身に付けた、ずんぐりした小男。村の外れの小屋に住み、誰もがその住まいを知っている。「緑のセレイター」の二つ名を持つらしい。

 気の良い小男で、主人公の事を称賛し信頼したうえで依頼した。

 依頼内容は「絶滅させられたと思われていた貴重な植物・アンセリカの果実を見つけ、セレイターの元へと持ってくること」。

 報酬は、「沼地に隠され、主人公が見つけた宝物全て」。

 もらえる魔法の石は、「善」「中立」で、「悪」の魔法は選べない。

 その人の良さに当てられた主人公は、つい秘密を話してしまった。

 植物の魔法を得意とするらしく、一つの果実や種を植えると、即座に成長させ、沢山の花を咲かせ実を生らせる事ができる。また、心づくしの料理を作る事も得意で、主人公にふるまってくれた。


グリムズレイド

 依頼主の一人であり、悪の魔法使い。背が高く、骸骨のようなやせこけた身体に、緋色の模様が付いた黒いローブを着ている。沼近くの塔に一人で住み、周辺の住民たちは忌み嫌っている(場所を聞いても誰も口をきかず、ある老女は悪意の籠った目を向け、ある若い娘は逃げ出す、など。ならず者に道を教わり、ようやくその場所がわかった)。

 陰気かつ他者を信用せず、嘲るような態度をとる。依頼を受けたければその実力のほどを見せる必要があるため、動くゴブリンの彫像と戦わねばならない(場合によっては、デーモンと戦う事もある)。ただし、実力を認めた場合は、贈り物をただでくれる事もある。

 知識と珍しい品物のコレクター。書斎には、遠くの場所を映し出す魔法の鏡を据え付けており、棚にはコレクションの一部(書物、変わった形の瓶、動物のミイラのようなもの)などが並んでいる。

 依頼内容は「沼地に引っ越してきた、『あるじ』と呼ばれる魔法使いたちの魔力の源である、首にかけた護符を奪ってくる事」。

 報酬は、「護符一個につき、金貨500枚(最大2500枚)」

 授かる魔法の石は「悪」「中立」で、「善」は選べない。

 また、「悪」という属性ゆえ、信頼などは最初から無く、支払いにあたっても気を付けないと金貨の数をごまかされる。

 場合によっては、彼自身とも戦う事があり、そうなった際には所有している魔法の剣を用いる。そしてそれを主人公が奪い、今後用いる事も可能。

 が、その魂を欲している存在は地獄にもいるらしく、彼を倒したからと言って気を抜くのは危険である。


プームチャッカー

 依頼主の一人であり、中立の魔法使い……ではなく、よその国から来た商人。背が高く、太っていて、長いあごひげを三つ編みにしてたらしている。肌は赤色。フェンマージの市場の端にある、大きな屋敷に住む。屋敷にはゴブリンのメイドが働いており、彼女が案内してくれる。

 本人は魔法使いと思われているが、実際は他国の商人。強力な魔法と魔法の品を金を出してしこたま買い付け、そのせいで周囲の人間から魔法使いと思われるようになった。そう思われる事で、敬意を余計に払ってくれるために、あえてそのままにしている。

 依頼内容は「サソリ沼の地図を作る事」

 報酬は、サソリ沼の反対側にある町・ウィロウベンドとの取引で節約できた金の半分(金貨数百枚)。

 商人である彼は、ウィロウベンドとフェンマージとの交易の隊商を通わせるにあたり、サソリ沼を迂回しなければならなかった。が、サソリ沼を直接通り抜ける小路の地図があれば、交易の日数を何週間も縮められ、その分の予算も節約できる。そのため、サソリ沼の地図を欲していた。

 もらえる魔法の石は「中立」の魔法のみ。自身は魔法使いではないが、魔法そのものは購入してあるため、魔法の石も購入していた。「善」と「悪」の魔法は、石が購入できなかったので選択不可。

 良くも悪くも商人ゆえに金を儲ける事が最優先のため、利益にならないと判断すると斬り捨てる。また、自身も修羅場をくぐって来たのか、剣も使え、自衛もできる。

 前述のゴブリンのメイド少女のみならず、衛兵も彼に忠誠を誓っており、危機になるとすぐに駆け付けて来た。そのため、雇用した部下や召使への支払いも良いものと思われる。


ハリカー

 サソリ沼の北側、ウィロウベンドの町に住む中立の魔法使い。

「ハリカー魔法薬および魔法専門店」を経営する、愛想の良い青年。プームチャッカーとは異なり、商人であると同時に魔法使いでもあり、中立の魔法を商っている。

 商品の魔法は、主人公の手持ちの金貨では買えないほどに高価だが、サソリ沼内部で見つけたいくつかの品物とならば、物々交換は可能。


「あるじ」たち

 サソリ沼に越してきた、数名の魔法使いたち。

 その力は自然との関りが強く、それぞれに動植物を司り、その動植物を彫りこんだ護符を首からかけている。また、彼らも善・悪・中立に分かれており、互いに干渉せずに生活している。主人公が出会うと、それぞれでの対応も異なる。

  • カエルのあるじ

 大カエルを引き連れ、カエルそっくりの顔を持つ。属性は中立。主人公に対しては、あまり関りを持ちたがらない態度を取る。ただし、友情の呪文や宝石などの賄賂は、彼を親しくさせる。戦いは苦手のようで、引き連れている大カエルを戦いに向かわせ、自分は沼の水中に逃れていた。

  • 狼のあるじ

 森林警備員のような姿をした男。首からは狼の護符を下げ、小屋に住む。属性は中立。やはり主人公に対しては歓迎はしないが、友情を覚えたら狼除けの呪文を教えてくれる。剣を持って戦うが、相手の手足に痛みを感じさせる魔法を同時に使い攻撃する事が可能。

  • 鳥の女あるじ

 美しい女性で、周囲には様々な鳥が飛び交っている。属性は善。主人公と出会ったら、積極的に協力してくれた。セレイターとは既知らしいが、プームチャッカーの事は愚か者呼ばわりしていた。グリムズレイドの依頼に関しては、依頼主は悪だが、依頼されている主人公は悪ではないと判断し、護符の偽物を渡す事で処理した。ただし、クモのあるじに関しては「(悪だから)さっさと殺しなさい」とも言っていた。

  • 庭園のあるじ

 庭師のような姿をしており、草花の護符を首からかけている。属性は善。沼地での住居の周辺は、草花が生い茂り、全体が自然というには美しすぎ、庭というには自然に近い印象を与えている。セレイターの依頼では、アンセリカが生き残っていた事を狂喜し、生えている場所を即座に発見し教えてくれた。

  • クモのあるじ

 白い眉と顎髭、緑に燃える目を持ち、銀灰色のローブを着た大男で、クモの護符を首からかけている。属性は悪。周囲にクモの糸が張り巡らされ、沼地の空き地の中心に(クモの糸で作ったと思しき)豪華な天幕を作り、そこの玉座に座っている。

 悪の属性にふさわしく、こちらが愛想よく語り掛けても、問答無用で小さなクモを放ち毒牙で麻痺させ、そのまま糸で包んで吊るし、食料にしてしまう。

 戦いを挑まれたら、毒の粘液を付けた尖った杖を武器とする。

 なお、ある展開では、その本性らしき姿……巨大な人面のクモの姿を現す。


山賊たち

 サソリ沼の北端、ウィロウベンドへの道あたりでたむろしている、山賊団。

 山賊ではあるが、主人公の指輪は冷えたままである。山賊団の頭は剣士であり、小路を通る主人公に、集団で襲い掛かるのは卑怯だからと、互いに一撃を与えた方を勝ちとする事で、一対一の決闘を申し込んだ(ただし、この決闘を断ると、怒って集団で襲ってくる)。

 勝った場合は、そのまま通り抜けられる。負けた場合は、品物を一つ支払わねばならない。しかし指輪しか持っていなかったら、「大切なものを貰うわけにはいかない」と辞退してくれる。

沼地の番人

 サソリ沼の中心部にて遭遇する剣士。緑ずくめの服装に剣を持ち、日に焼けた肌をしている。出会った主人公に、「善悪どちらの側か」と尋ねてくる。指輪の反応は冷えたままで、彼自身も善意から協力を惜しまないが、グリムズレイドに仕えていたり、主人公の行動が悪のそれならば、襲ってくることもある。

泥棒

 サソリ沼のある空き地にて、バスケットを広げチーズを切って食べていた男。主人公に親し気に話しかけてきたが、指輪は即座に熱くなった。罠を仕掛けており、油断をしたらそれに引っかかる。たっぷりした赤マントを所持している。

巨人

 沼地で遭遇する巨人。巨人としての種族は、沼巨人ではなく、丘巨人か森巨人と思われる。棍棒を武器に持ち、主人公に居丈高に接するが、事情を尋ねると泣き出してしまう。同族の妻がいる。

大サソリと戦っていたドワーフ

 ある空き地にて、巨大サソリと戦っていたドワーフ。鎧兜を付けて剣を振るっていたが、剣は折れ、サソリはほとんど傷を負っていなかった。主人公と言葉を交わす間もなく、すぐに殺されてしまった。見てくれを良くする水薬を持っている。ただしそれはドワーフ用なので、人間が飲んだら背が縮み、ドワーフのような外観になる。その効果は一時間ほど続く。


地名・魔法・その他

サソリ沼

 本作の舞台。広大な沼地で、そこに縦横に小路が走り、迷路のようになっている。その小路が合わさる事で広場のような足場が形作られ、それが沼地のあちこちに点在。小路をたどる事で行き来が可能である。

 常に霧がかかっており、コンパスも効かず星も見えないため、方向感覚が鈍りそのまま迷ってしまう。そのため、まともな人間ならばあえて挑戦するような事はしない。

 近くを腐蛆病川(ファウルブルードリバー)が走り、沼地や河川に生息するタイプのモンスターが、多く潜んでいる。

 この沼地の南端にフェンマージが、北端にウィロウベンドが存在する。


フェンマージ

 サソリ沼の南端にある小さな村。酒場では今までサソリ沼に挑戦しようと向かっていった無謀な冒険者を、何人も見送ってきた。

 村はずれにセレイターの住む小屋が、市場の外れにプームチャッカーの住む屋敷が存在する。


ウィロウベンド

 サソリ沼の北端にある町。それなりに経済が発展している様子で、商店街などが存在する。その商店の中に、ハリカーが営む店がある。

 宿屋は三つあるが、「黒熊亭」は客が夜明けまで酒を飲み騒ぎまくる事が多く、しかも亭主もそれに参加するため、うるさくて眠る事ができない。文句を言っても全員が嘲笑い、亭主からの不意打ちを食らうため、ここに泊まるのは勧められない。

「タンクレッドの天馬亭」は、代金は最も安いが、その代わりに泥棒に入られ、何かを盗まれる可能性が極めて高い。

 一番サービスが良く、安心できるのは「曲がった槍亭」である。大きくて感じの良い宿屋で、亭主も親切。ハリカーの店を知らない場合、教えてくれる。

 この、「曲がった槍亭」の良さは、ウィロウベンドへの出入口近くにたむろしている山賊たちも知るところで、彼らと仲良くなったら教えてくれることがある。


魔法の石

 本作では、主人公も魔法を使う事が出来る。

 ただし、呪文を学ぶのではなく、「魔法の石」を用いて使用する。

「魔法の石」は小石または宝石で、一個につき一つの魔法を一回使用する事が可能。属性に善・悪・中立の三種類がある。

 中立は体力や技術などの回復や、火や氷、幻影など、使いようで善悪どちらにも使えるもので、

 善は、友情や草木の繁茂、他者を祝福し怪我を直したりするなど、成長や治癒を、

 悪は、恐怖を感じさせたり、草木を枯らしたり、呪いをかけるなど、

 三種にはそれぞれ、そういった特徴がある。当然ながら、使いきったら魔法はもう使えず、あとは自身の剣の腕と機知のみが頼りとなる。

 詳細は以下を参照。また、使用者が善悪どちらかの属性を有す、または陣営に属している場合、反対の属性の呪文および魔法の石は使えず、授ける事も出来ない(セレイターは悪の、グリムズレイドは善の魔法の石を、それぞれ与える事は出来ず使う事も出来ない。中立の魔法の石は、善悪どちらも使える)。


  • 中立の呪文

技術回復:技術点を回復させる。

体力増強:体力点を回復させる。

開運:運点を回復させる。

火炎:可燃物へ火炎を発生させ、燃焼させる。火の勢いは松明程度で、対象が燃えやすいものならば火が付きやすい。火の玉にして投げつけるのではなく、あくまでも対象に点火するのみなので、戦闘に用いる時は考える必要がある。

氷結:対象を凍結させる。対象が凍らせやすいものや、凍りかけているようなものならば、なおのこと成功しやすい。こちらも冷気を発射したりするわけでなく、対象へ冷気を発生し凍らせる類のものなので、戦闘時には考えて使用する必要がある。

目くらまし:幻影を発生させ、周囲の目を欺く。「バルサスの要塞」における「目くらまし」の呪文と同じで、発生させた幻影は本物そっくりだが、それにそぐわぬ行動を起こした場合は見破られる。

  • 善の呪文

友情:相手に、使用者に対する好意的な感情を発生させる。ただし、友情という概念が理解できない相手には効果が無い。

繁茂:植物の成長を促す呪文。小さめの植物多く(群生している草花など)、または大きめの植物一つ(樹木など)に効果があり、成長を速め、短時間で花を咲かせたり実を生らせたりする事が可能。

祝福:生物一体に対し、祝福を授ける事が可能。対象の傷を治したり癒したりする事が可能だが、死した存在を蘇生させるまでには至らない。

  • 悪の呪文

脅し:相手に、使用者に対する恐怖の感情を発生させる。恐怖が理解できない存在には無効。

枯らし:植物を枯死させる呪文。多数の小さめの植物、または単体の大きな植物に効果があり、瞬く間に枯らせる事が可能。

呪い:対象へ一つ、呪詛を与える呪文。強力なため、使用者も使用後に体力点を減らさねばならない。呪詛の内容は様々で、「視力を奪う」「命を奪う」「顔が人のままで、身体が動物のモンスターに強制変身」など。かける前にその内容を指定する事は不可能。


アンセリカ

 深緑の葉をつけ、白い良い匂いの花を咲かせる小さな灌木。紫色のみずみずしい果実を実らせる。

 様々な病気を治す効果があり、治療師や薬師にとっては貴重な植物だった。しかし、悪側・混沌側にとってはなんの意味も持たないため、一時期根絶やしにされかけた。

 セレイターはその木が、サソリ沼の内部に一本だけ自生するのを知り、その果実の回収を依頼する。

 果実自体も、普通に食すことが可能。非常に香りがよく、味も素晴らしい。


モンスター

プール・ビースト(沼怪獣)

表紙に描かれているモンスター。円錐型の巨大な胴体にカエルのような顔、黄色いぎょろ目に牙だらけの口を持つ。その皮膚はゴムのように弾力に富んでおり、ハサミのような二本指の四肢と別に触手を体の各部から生やしている。

感情操作(恐怖を抱かせる、など)の魔法や火炎系の魔法に対し耐性を有し、無効化してしまう。が、刃のある武器は普通に通用する。普段は沼地の水中に身を潜め、獲物が通りかかるといきなり浮上し襲い掛かる。

その顔の額部分には、スミレ色の宝石が埋め込まれている。倒した後に額からこれを回収し宝石商に見せたら、金貨50枚の価値が付く。


ソード・ツリー(剣の木)

植物のモンスター。見た目はやや低めの木だが、生えている枝の先端には剣が握られている。地面から己の根を引き抜いて足とし、自在に歩行する事が可能。人間を含む生物に戦いを挑み、その死体を養分とする。常に集団で出現する。

火に耐性があり、呪文などを用いても効率的には倒せない。また、発育も早く、倒されても種がこぼれ、僅かな時間で新たな苗木が成長してしまう。

握っている剣は、この植物の葉とも(旧世界モーリステシアにも「刃の木」という、同様の植物が存在する。ただし、ただの植物なので動かないが)、あるいは行き倒れた冒険者などの死体から奪ったものとも、この木を栽培した誰かが葉や枝を変化させたかとも言われているが、詳細は不明。


クラブ・グラス(蟹草、お化けヒメシバ)

植物のモンスター。普段は草地の下生えの中に潜んでいるが、人間を含めた動物を感知するとつる草を伸ばして何百というハサミを生やし、襲い掛かる。逃れるためには普通に戦うしかないが、呪文やたいまつなどで炎を作り付きつければ、時間を稼いで草地から退却することは可能。また、植物を枯らすタイプの呪文があれば、完全に駆除する事が可能。


スパイク・デーモン(角デーモン)

行動次第で、グリムズレイドが召喚するデーモン。頭部の一本角がその名前の由来。身体は緑の剛毛といぼに覆われ、鉤爪のある両手で攻撃する。魔界においては第三席に位置する存在で、下位デーモンのなかでは最強クラスに居る存在。

非常に素早いため、敵の逃走を許さない。また、このデーモンは召喚の報酬として、新鮮な肉にありつけさえすればそれで良く、それ以外は多くを望まない。

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