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サムライの剣

さむらいのけん

ゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの第20弾。ジェイミー・トムソンとマーク・スミスの共著。
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「サムライの剣」とは、イギリスの出版社「ペンギン・ブックス」から出版されていたゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの第20弾「SWORD OF THE SAMURAI」の日本語版タイトルである。出版社は社会思想社。

 後年になって、ホビージャパンより挿絵が日本のラノベ風のものとなった「サムライ・ソード」も発売された。

作品解説編集

 クールの南東部。そこにはシオズイイ山脈と呼ばれる、険しい山々がそびえている。

 山脈と海により、他の地域と分断されているそこは、クールの、そしてタイタンの他地域とは異なる、独自の文化を発展させてきた。

 それが「八幡国」。この地には、驚くべき戦闘の技量を身に付けた戦士の支配者階級が存在した。

 それが『サムライ』。彼らは戦闘技術のみならず、深淵なる精神信条とを組み合わせ、ただ戦いでの強さを追及するのみならず、誇りと礼儀、心の強さをも重要ととらえている。

 現在の八幡国を治めるは、都、今市に座する将軍・長谷川喜平。そして将軍に仕えるのは、剣聖とも呼ばれる若きサムライ……すなわち、君である。

 ある日、将軍は君を呼び出し、八幡国の現状を聞かせる。

 現在、八幡国は危険な状態にある。数名の大名が将軍のもとを去り、独立を企んでいるのみならず、謀反の企てを企む者もいるというのだ

 八幡国が弱体化したと知り、盗賊が横行、蛮族も国境を破り入り込んでくる始末。

 全ては宝刀「鍔鳴りの太刀」が盗まれた事が原因だという。


 鍔鳴りの太刀。それは八幡国の魂ともいうべき宝剣。持ち主に偉大なる力を授けるものと伝えられており、この刀を振るい、この秘密を知る者が、八幡国を支配することになると将軍は言う。

 そして八幡国では、多くの大名がその事を知り、長谷川喜平にはもう統治する力はないと騒ぎ始めていた。ある者は自力で刀を探し、別の者も今の刀の所有者に従おうと心変わりしている。

 そして、現在の刀の所有者こそが、闇将軍イキル。

 悪魔が数多く棲む鬼軽城に住み、その刀の元に怪物たちが集まっている。じきに刀の秘密を知られれば、この桜が咲き誇る八幡国は、イキルのものとなってしまう。


 将軍は続けて伝える。君には戦うための闘志がある。ゆえにこの使命を、鬼軽城に赴き、イキルを殺し、鍔鳴りの太刀を持ち帰る使命を命じる。

 しかし、易しい使命ではない。イキルと彼に味方する悪鬼どもを打ち負かすには、鍔鳴りの太刀の秘密を知らねばならず、それを将軍から教えてもらう事はできない。

 なぜなら、太刀の秘密をうかつに教えてしまう者は、地獄に堕ち、刀もこの世から消えてしまうからだ。ゆえに、一人で秘密を解かねばならない。


 将軍の通行手形を授かり、君はこの使命を果たさんと旅立った。


 シリーズ20弾。

 本作は「死神の首飾り」を手掛けた、ジェイミー・トムソンとマーク・スミスの共著である。

 そして、本作の最大の特徴は、「日本のサムライ」を取り入れた作品という点である。

 著者の二人も、「Way of the Tiger」、「タイガー暗殺拳」で、精神的信条を取り入れた「ニンジャ」を主役にした諸作品を手掛けており、本作もまたその点を取り入れた、ファンタジー世界における「サムライ」を、タイタン世界に取り入れている。


 無論、実際の日本における武士や侍、それらの文化や特徴などと比較すれば、かなりの誤解がある事は否めない。挿絵なども、中国やアジア諸国などと混同してしまっている点が、あちこちに見られる。

 実際、訳者も日本語版のあとがきにて、

「前略)日本の江戸時代や戦国時代を頭に思い浮かべて読むと、ヘンなところがあるかもしれない」

 とまで書いてしまっている。

 しかし続けて、

「そのへんは、これがあくまでファンタジーであることを忘れず、広い心で読んでいただきたいもの。どこか、とんちんかんな所もきっと楽しめるはずなのだから」

 とも言っている。


 実際、誤解も多いとはいえ、アメリカや欧米における「サムライ」そして「ニンジャ」をはじめとする日本の文化は、人気があり好意的にとらえられている事も事実。実際、PCゲーム「ウィザードリィ」でも、既にサムライおよびニンジャのクラスは存在しており、D&DなどテーブルトークRPGにも、日本風世界を題材とした作品やシナリオは存在していた。「西洋風ファンタジーワールドにおける、中世日本および武士」の需要は、当時から各所に存在していたのである。

 ファイティングファンタジーシリーズにおける、それらの需要。そして、タイタン世界に存在するにふさわしい日本をと考えた結果、本作が執筆されたものと思われる。


 また、ファイティングファンタジーでは、既に6巻「死のワナの地下迷宮」にて、挑戦者の中にニンジャが存在している。このニンジャの祖国として、本作で八幡国を設定したとも考えられる(後に、「死のワナの地下迷宮」の続編とも呼ぶべき「迷宮探検競技」では、新たな迷宮の挑戦者の中に鎧姿のサムライが登場する)。


 ファンタジー作品としての本作は、八幡国はタイタンの他地域と同様に、怪物のはびこる危険な場所ではあるが、クールにおいては比較的平和な地域のように描かれている。

 主人公はサムライであり、サムライゆえに誇りある存在として在らねばならず、義理と名誉を重んじねばならないと、キャラメイクの時点で描かれている。

 そして、それを示すため、技術、体力、運の他に「名誉点」が存在している。これは開始直後に三点有しているが、サムライにふさわしくない行動を取れば減り、サムライとして名誉ある行動を取れば増える。

 そしてゼロになった場合、名誉は失われる。こうなった場合、サムライとしての面目を保つためには、切腹する事のみ……すなわち、ゲームオーバーとなる。

 他作品では、主人公=君が、時に悪辣だったり卑怯な行動を選択する事で、冒険を成し遂げる……という事も多々あったが、その際には運から数点引くのみで、そう大した制約は無かった。

 が、本作においては、名誉点により、サムライとして誇り高き存在となるべき行動をして、真なるタイタンのヒーローを目指す事も重要……と示唆しているかのようでもある(そのせいか、本作では意外な事に『ニンジャ』は出てこない)。


 サムライとしての主人公=君は、他にも「長刀と脇差を備えている」「剣術の他に、弓術・居合術・猿飛の術・二刀流の中から一つを選び身に付ける」という事も決められている。

 重要なアイテムである『鍔鳴りの太刀』も、かなり強力な武器で、タイタンの他作品に登場する聖剣や魔剣の類と比較しても、この世界最強クラスのひと振りと言っても過言ではない。誤解はあっても、日本文化やサムライという存在に敬意があり、それ故にタイタンにおいて優遇されている点も、あちこちに見受けられる。

 本作は、欧米における誤解された日本文化という一面はあるものの、それを差置いても楽しめる異色作の一編と呼ぶべき作品である。


主な登場人物編集

主人公=君編集

 将軍指南役をつとめる若きサムライ。武士道に従い、剣の奥義を極めた達人。

 剣術の他に、四つの武術のうちいずれかを選択してから、冒険に出発する。


長谷川喜平編集

 主人公=君が仕えている将軍で、現在の八幡国の支配者。

 鍔鳴りの太刀が奪われ、国そのものが危機に陥っている事を告げ、鍔鳴りの太刀奪還の使命を下す。


闇将軍イキル編集

 鍔鳴りの太刀を奪った、怪物たちの長。鬼軽城に君臨し、その最奥部にて待ち受ける。

 邪悪の権化で、長衣に鎧をまとい、その顔は暗黒そのもの、双眸すらない。鍔鳴りの太刀を奪ったものの、その力の秘密を知らないために使う事が出来ないでいる。

 ただし、剣術の腕は見事。その他にも、邪悪な魔物を召喚したり、稲妻を放つなどの術を用いる。


大鬼編集

 金と銀の鎧を身にまとった、威風堂々したサムライ。筋骨隆々で顔立ちも整っているが、浮かべる表情は邪悪そのもの。

 イキルの部下で、鬼軽城のイキルの元に向かいたくば、戦いの場にて戦い、打ち倒さなければならない。その際には大鬼自身も味方を(大ガマカエル、大カマキリのクルルク、青銅巨人ガルガンチュワ)引き連れており、それらとも全て戦い倒さなくてはならない。

 大鬼自身も鋲を打った鉄棒を振るい戦う。その力は強いが、それに加えて法力を有しているため、更なるダメージを受けねばならない。打ち負かす事が出来れば、戦いの場の掟として、死ぬ直前に願いを一つ叶えてくれる。

 ただし、死したとしてもその魂は、亡霊剣士・修羅となりて襲ってくる。そのため、戦う際には法力を封じたり、修羅を討つための手段を知っておく必要がある。



貞信公編集

 今市の北西部にある地域を治める将軍。たるんだ顎を持った、だらしなく太った男。ゆったりした着物に、黄金の葉の紋様をちりばめた羽織を着ている。頭には将軍である事を示す冠を被る。

 要害堅固な城に住む。イキルにそそのかされ、長谷川喜平を裏切り、八幡国全てを支配せんと企んだ。そのため、領地の村を部下に襲わせたが、たまたま通りかかった主人公により阻まれた。

 部下のサムライたちは、貞信公のしるしである、青と緑の漆塗りの鎧に身を固めている。


弓常茂市(ゆみつね・もいち)編集

 貞信公の部下の一人である、若きサムライ。命令を受け、他のサムライたちとともに村を襲っていた。

 選択次第で、命を助ける事が出来、その際に仲間として貞信公を討つ間だけ同行させる事が可能に。その際、貞信公を捨て、主人公に忠誠を誓う。

 ただし、同行の際に自身の家族や自分の事などを休みなくしゃべり続けるため、主人公はややうんざりしてしまった。

 サムライとしての剣の実力は、それなりに有している。


新免武蔵(しんめん・むさし)編集

 名前のみ登場。貞信公の部下たちが襲っていた村に生まれた、数百年前の伝説の英雄。軸が三本ある車輪を絵柄にした鉢巻きを身に付けており、村はそれを保管し守り続けていた。

 主人公もその名前は、偉大なる剣士として知っていた。


余呂銀斎(よろ・ぎんさい)編集

 谷間の羊飼いの小屋に、一人で住む浪人。漆塗りで黄金色の鎧を着ており、威張りくさった高慢な顔つきをしている。

 かつては、将軍に謀反を起こし、敗北して処刑された地方将軍・戸田公の侍大将をつとめていた。生き残った他のサムライたちは切腹を選んだが、彼のみが主君を持たぬサムライ・浪人として生きる事を選んだ。ゆえにサムライを憎悪している。

 しかし、豪勇無双の剣士である事は間違いなく、主人公も彼の強さは聞いていた。


常原(つねはら)編集

 名前のみ登場。伝説的な弓術の達人で、白鷲の羽を矢羽に用いた矢を作っていた。その矢には、悪を追い払う力が込められており、主人公が弓術を心得ており、この矢を入手できれば、ある存在を即座に倒せる。


エレノア編集

『魔法の森』にて主人公が遭遇する、女魔術師。

 おどろくほど美しい女性で、鮮やかな緑色の着物(洋装ではなく、和服としての着物に酷似している)を着て、マントを羽織り冠をかぶっている。また、両手の間には、青い火花が散っている。

 イキルにより呪いをかけられ、呆然自失の状態になっていた。あるアイテムで己を取り戻し、後に主人公に味方してくれる。


黄金騎士団編集

『永遠の塔』にて主人公が遭遇する、黄金の鎧に身を固めた騎士たち。その姿は西洋における騎士たちの姿で、黄金の鎧の上からは水玉模様の白いマントを付けている。

 あるアイテムを長年探しており、それを手渡す事で後に主人公に味方する。


地名編集

八幡国編集

 本作の舞台となる地域。

 クールの東南部、東の果てに存在する地域。陸路は険しい山脈「シオズイイ」により分断され、行き来できるのは海路のみ。

 極めて肥沃な土地であり、あえて他の地域に赴くような者はいない。現在の幕府は、500年続いている。モデルは、鎌倉市らしい。

 海路を行けば、内海をはじめとしてクールの各地、そしてアランシアなどに赴く事は不可能ではないが、あえてこの地から離れて別天地に赴く者はほとんどいないとの事。

 また、この地の住民たちは、クールの他の地域の言語とは異なる独自の言語を用いている。

 幕府の成立する以前には、古代文明が存在していた。当時は皇帝または皇女により支配されていたのが、色々あって、当時の支配者が将軍を任命して以後、現在の統治体制が続いているらしい。


今市(こんいち)編集

 八幡国の都。将軍・長谷川喜平が治めている。

 

鬼軽城編集

 闇将軍イキルの城。山上に存在するが、そこに赴くには『戦いの場』にて、大鬼とその味方の怪物たちと戦い、勝たねばならない。


戦いの場編集

 鬼軽城に至る直前に、大鬼と戦うための場所。

『戦いの場』に至るには、八角形の大きな部屋に辿り着き、その名が書かれた張り紙の扉を開く必要がある。

 他の七つは、強大な力を持つ存在に繋がる扉であり、『戦いの場』に赴く前に、それらの扉を抜けて、味方を付けておく必要がある。

 それぞれの扉は、以下の通り。

『究極山の頂』

『大草原』

『神秘の山』

『アコンの果てしなき砂漠』

『古代の沼』

『永遠の塔』

『魔法の森』


刀剣、武術、怪物、その他編集

鍔鳴りの太刀編集

 黄金の鞘に納められた、見た目も素晴らしい長太刀。

 ある言葉とともにその力を解放し、光を放ち使い手の手に収まる。手にできるのは、サムライとしての名誉と剣術の実力とが備わった者のみ。その剣を手にしたサムライは、霊験をその身に受ける(技術と運に二点、体力に四点、原点を越えて加算される)。

 ふさわしき使い手ならば、地獄より生じた影の魔物たちに対し、切り付けるどころか触れただけ、その刃をかざしただけで消滅させられる。

 イキルの放つ邪悪な力の稲妻も受け止め、消滅させられる他、イキル自身をも完膚なきまでに倒してしまう事も可能。


武術編集

 サムライとして、主人公が剣術以外に心得ている武術。以下の四つのうち一つを選んでから冒険を開始する。

  • 弓術

 矢を射る技術。矢の内訳は次の通り、各三本ずつ、計12本を持っていける。

柳葉の矢(普通の矢。体力点を二点引ける)、

威力の矢(やや強力な矢。体力点を三点引ける)、

鎧通しの矢(体力点を二点引ける。特定の敵に対し用いる)、

かぶら矢(体力点を一点引ける。恐ろしい音を立てる)

  • 居合術

 素早く刀を抜き、相手に一撃を与える(戦闘時、最初のラウンドのみ敵に三点ダメージ)。

  • 猿飛の術

 曲芸師のように、高く跳躍できる技。使用する時には文中で指示がある。

  • 二刀流

 刀と脇差の二本を同時に操る技。(戦闘時、敵にサイコロの目が9以上を出して攻撃した時、相手が逆襲する前にもう一度ダメージを与えられる。二ラウンド目からは効かない)。


龍(タツ)編集

 翼が無く、細長い胴体を持つドラゴン。

 翼が無くとも空中を自在に飛行する事が可能。

 極めて長命かつ賢い生物で、己の領域を通過しようとした者には、神聖な儀式に従う様に求める。これは賭けや謎かけという形をとり、負けた場合は龍に食べられてしまうが、勝った場合は約束を守り、安全に旅を続けられる。

 牙や爪も強力だが、幻術や魔術も数多く心得ており、口から吐く火炎も強力な武器。

 場合によっては、龍を象った翡翠のお守りを入手する事もできる。


キリン編集

 ライオンの頭部、馬の胴体、翼を持つ高貴なる獣。

 神々に仕えるしもべで、千枝の動物にして法と善とを司る兵士でもある。

 主人公がいかに誇り高き存在かを見極め、認められたら味方になる。ただし、戦いの場では瞬殺される描写が多かったため、あまり強いという印象はない。しかし大鬼との戦いでは、十分に役に立つ事をしてくれる。


不死鳥編集

 全身に炎を纏わせた大鷲。不死ゆえに、戦って倒しても新たな個体となってすぐに蘇り、去って行く。

 あるアイテムが無いと、味方にはできない。


剣歯虎編集

 巨体に、剣のごとき長い牙を持つ虎。あるアイテムを所有していると、味方にできる。


大蛇編集

 巨大な蛇。これもまた、あるアイテムが無いと味方にできない。


※上記の、龍、キリン、不死鳥、剣歯虎、大蛇、エレノア、黄金騎士団。

 これらが、終盤の戦いの場において、主人公の味方になる可能性のある存在である。全ては味方にはできず、味方にするにしても必要なアイテムを入手しておく必要がある。


鬼女(しこめ)編集

 八幡国におけるゴブリンやオークのような存在。オーク同様に邪悪な人型種族で、猿のように毛に覆われ、悪臭を漂わせている。鉤爪と醜い顔を持ち、サムライの擦り切れた、壊れた鎧を身に付けている。

 護衛や傭兵として、邪悪な主人に仕える事が多い。本作では貞信公やイキルの衛兵として登場した。

※なお、「鬼女」という種族名だが、雌しかいないわけではないらしく、戦うのも雌という事でもない。オーク同様に雄もおり、村には非戦闘員の子供や雌が存在するとの事。


河童(カッパ)編集

 八幡国中央、水グモ沼に生息している。

 人間より背が高く、緑の鱗の皮膚に、手には水かき。眼差しは狡猾で邪悪な知性をうかがわせる。

 川の浅瀬に住み、己の住処の川を通る者を邪魔する。その頭部には皿のような窪みがあり、川の水で満たされているため、バランスを取っているかのように見える。

 皿の水が無くなると、空気中で息が出来ずに窒息してしまう。


ロクロ首編集

 八幡国の、街道から外れた田舎の村にて遭遇する怪物。アンデッドの一種。

 普段は普通の村の老人たちとして、旅のよそ者に親切にして(というか、媚びへつらって)向かい入れる。が、夕暮れになると、座り込んでいた所にいきなり顎をカタカタ鳴らし始め、驚くよそ者の目前でその首は胴体から離れ、空中を舞って攻撃し始める。噛みついて攻撃するのみならず、毒の唾も吐きかけるため、ダメージは予想以上に大きい。


大百足(MUKADE)編集

 体長12m以上。アランシアに棲息するジャイアント・センチピードより3倍以上大きい。

 その大きさに違わぬ強敵で、サムライの腕に噛みついて切断する事は容易。洞窟などを巣にしており、そこには過去の犠牲者の遺品である多くの宝物が残っている。そのため、それを狙いあえて挑戦する者も少なくないが、倒して宝を手に入れた者はほとんどいない。


巨大マーモット編集

 大きな岩または石板のような身体を、太短い八本脚が支えている姿をしている。そのため、普段はうずくまって岩に擬態するが、獲物が近づき背に乗るなどしたら、本性を表し動き出す。

 頭は無く、背中に巨大な口を供え、その周囲に細長い数十本の触手を生やしている。触手には棍棒のような骨の塊があり、これで獲物を打ち据え、力尽きたところを口に放り込む。

 獲物は怪物の背に乗っている状態では、足元が不安定になってしまう(技術点から二点引かねばならない)。生きたまま口の中に入れられた場合、体力を自動的に奪われるが、こちらからも相手の体力を奪う事が可能。

 暗い洞窟などを住処にしており、迷い込んだ人間などの獲物を捕食した後に、消化できないアイテム類は吐き出す。そのため、住処には過去の犠牲者たちが残したアイテムが山積している事が多い。


亡霊武士編集

 表紙に描かれている、アンデッドのサムライ。

「悪死」の幟を背に付けて、刀を抜き主人公に襲い掛かる。ある武器があれば、一撃で葬る事が可能。

 背の幟は「Evil Death」を直訳したものらしく、おそらく「邪悪なる死霊」というニュアンスの単語を示したかったものと思われる。


大鬼の味方の怪物たち編集

 鬼軽城に乗り込むため、「戦いの場」で大鬼とともに戦った、大ガマガエル、大カマキリのクルルク、青銅巨人ガルガンチュワの三体の怪物たち。大鬼は、手下として長年従えていたらしい。

 大ガマガエルは、その身体は火炎を全く受け付けない。また、パワーがあり、ジャンプして相手に飛びつきダメージを与える事が可能。なのでこちらも、火炎で攻撃せず、スピードとパワーのある相手を差し向ける必要がある。

 大カマキリ・クルルクは、ガマガエル以上に素早く、両手の鎌で全てを斬り捨てる。しかし火炎には弱い。

 ガルガンチュワは、その図体の大きさに加え、両目から光線を発射する。倒すためにはその巨体を地面に叩き付けるか、光線が発射される前にその両目を破壊する必要がある。


関連項目編集

タイガー暗殺拳編集

 同作者たちによる、「西洋風ファンタジー世界において、ニンジャを主人公にした作品」。


ウォーハンマー編集

 テーブルトークRPG。世界観は中世の西洋ファンタジーのそれだが、地域の中に中世の日本と同じものがあり、その名も「ニッポン」と呼ばれている。


忍者への道編集

 富士見書房文庫から発売していた、D&Dのゲームブックの一編。本作同様に、西洋ファンタジー世界における、サムライや忍者が登場する中世日本に似た舞台を取り扱っている。


鍔鳴の太刀編集

 ライトノベル「ゴブリンスレイヤー」の外伝作品。題名は本作の「鍔鳴りの太刀」から取っている。また、同作のルビ「ダイ・カタナ」は、本作の鍔鳴りの太刀の原語表記「the Dai-Katana, the great sword, Singing Death」からと思われる。

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