犯罪集団『冥王星』幹部の一人でナンバー2。
首領であるキング・ハデスの側近中の側近。
キング・ハデスに最も信頼され、直接のやりとりを最も密にする腹心。
顔の左側には団守彦等と格闘した際に負った傷の跡が残っており、それを隠すため顔の左半分には常に仮面を着用している。
服装も他の幹部達とは大きく異なり、仮面により素顔が見えづらく不敵な笑みと冷静さが印象深い、ナンバー2に相応しい不気味な大物として描かれていた。
ネタバレ
以下ネタバレ
かつて宿敵・団守彦との直接戦闘に陥った際、団をかばった主人公キュウの父親、連城暁を直接手にかけていた、実はキュウとも因縁の深い人物。
だが、本編の事件で彼が本格的に参画したことが読者に明かされているのは最後の事件「棲龍館殺人事件」のみ。
ただ、彼が実際に事件のどの部分を直接的に手引きしいたかの詳細は明かされていない。
何よりも、彼が読者に強く印象づけられたのはこの事件の最終盤。
同事件の真相とキング・ハデスの正体が団守彦とQクラスによって暴かれた際、「自ら直接手を下さない」という冥王星のポリシーに反しなんと自らいきなり団守彦に発砲し、さらにその場で変装を解き、勝ち誇ったように嬉々としてキング・ハデスに報告する暴挙に出る。
リュウ以外のQクラスとはこれが初対面となったが、ケルベロスにもあきれられ、そのあまりの品のなさに失望したキング・ハデスに「愚かな…」と一蹴され、その場で爆殺され一瞬で退場。
挙げ句、団に打ち込んだ銃弾は団が背広にしのばせていた警察庁公認メダル(団が日本で唯一警察に公認された探偵であることを示す金属製メダル)に当たって止まり、団はごく軽症で済んでいたことが後に判明した。
さらに、サー・カロンは主人公キュウにとっても実父を直接殺めた因縁の仇敵だったはずなのだが、その点も最後までフォローは特になく、事後の遺体発見報告に触れたキュウから「サー・カロンって人」とモブ扱いを受ける始末。
それまでなかなか掘り下げられず、その大物感に読者から期待の寄せられていた「不気味なナンバー2」であり、「ろくに活躍しないまま唐突に品のない暴挙に出て、ボスに瞬殺され退場」という小物感溢れるあまりにもな最期を晒した点はファンには語り草。
今もネタ扱いされることの多いキャラとなってしまっている。
「長年の宿敵である団が、キング・ハデスを追い詰める様子を見て冷静でいられない」というのは理解できなくはないが、そうだとしてもそこまでの描写とのギャップがあまりに大きすぎたため「これだけもったいぶったならもう少しマシな扱いにして欲しかった」「こんな小物が冥王星のナンバー2なのはおかしい」という声が少なくない。
一応「団の公認メダルが銃弾を受けて5つに割れたので、Qクラスの5人に均等に継承する」というのが本作の結末で、これはサー・カロンなしには成立しなかったものではある(この結末のためにこんな役割をさせられたなら少々哀れである)。