シド(デビルメイクライ)
しど
CV:野沢那智
アニメ『デビルメイクライ』の登場人物。
外見はぎょろりとした目をはじめ、不気味な姿をした小男。度々ダンテの前に現れては意味深なことを言ったり、卑屈な態度をとっているが、常にダンテの神経を逆撫でする言動で彼をイラつかせている。
戦闘能力は皆無に等しい下級悪魔だが、逃げ足の速さだけは大したもので人間の皮を被って他人に化けることも可能。
本編における黒幕で作中の陰日向で巧妙に立ち回り、錬金術師のアラン・ローエルに封印されていた伝説の大悪魔アビゲイルを復活させるために暗躍していた。皮肉にもスパーダの弟子であるバアルやモデウスもシドの計画に利用されていた。
アランの血を引く本作のヒロインのパティ・ローエルの母のニーナを人質に取り、アビゲイルを復活させるために必要な「アランの涙」とバアルやモデウスなどの上級悪魔の遺骸を使ってアビゲイルの封印を解き放つ。
魔帝ムンドゥスに匹敵する力を持つアビゲイルと一体化したシドはその圧倒的な戦闘能力でダンテを返り討ちにし、レッドグレイブ市を壊滅に陥れる。しかしダンテを救うために己の身も顧みずに魔界へと単身で乗り込んだパティの尽力で復活したダンテと再戦するが、本気を出したダンテの前に手も足も出ずに敗北した。
元の姿に戻ったシドは魔界最強クラスのアビゲイルの力を手に入れた自分が何故ダンテに敗北したのか理解できず、激しく狼狽する。
自分のような生まれついての下級悪魔はなすすべもなく殺される運命なのかと恨み節を吐くシドにダンテはこう答えた。
「魂さ」
「てめぇみたいに魂を腐らせてしまった奴が力だけ手に入れたところで本物の魂を持った奴には敵わないってことだ」
ダンテの言葉の意味を理解できないシドは以前のような卑屈な態度で命乞いをするが一蹴され、最後の悪あがきでダンテに飛び掛かるが「JACK POT」の決め台詞とともにトドメを刺された。
シドと同じ下級悪魔であっても作中のMission:3に登場したブラッドは人を愛する心を持っており、人として生きていくことができた。バアルとモデウスは互いに想いあう兄弟の絆を持ち、モデウスに至っては涙を流す心を持つ悪魔である。
魂を腐らせ、力のみを追い求めたシドの最後は力に溺れて人の心を捨て去ったアーカムやアリウスやサンクトゥスらと同じ末路であった。