当記事の内容は暫定的に『シャドウズポリコレ炎上騒動』から移されております。ご意見がお有りの方はこちらのコメント欄の方へお願いします。
警告![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
- 所謂炎上に関する記事です。
- 加筆修正の際は、他所のそれらと同様に然るべき慎重さ・冷静さ・中立性をお忘れなく。
- 本記事は項目の肥大化とその内容に伴い『アサシンクリードシャドウズ』本記事から隔離したものです。騒動に関して、該当記事への追記はおやめください。
概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
まず『アサシンクリード』とは、UBISoft(以下「UBI」)によるアサシン(暗殺者)を主役とした潜入アクションゲームシリーズである。
シリーズを重ねるごとに様々な時代や地域が題材に選ばれ、2024年11月15日発売予定の『アサシンクリードシャドウズ』ではシリーズで初めて日本が舞台になることが発表された。
日本のアサシン的存在と言えばなんと言っても「忍者」であり、それを主人公とした作品は10年前から熱望されてきたのだが、本作の主人公はオリジナルキャラのくノ一である「奈緒江」と、実在はしたが不明点が多い人物の「弥助」であった。
昨今のシリーズでは主人公は男女の選択式となり、どちらを選んでもシナリオに変化はほとんどないという形式が続いていたのだが、ここでその流れを断ち切り、シナリオの共有が不可能なほど立場のかけ離れた「弥助」を採用したことに疑念の声が上がる。
見た目が黒人であったため「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」のワードが先行してしまっているが、炎上の最大の原因は「アジア人が白人にとって馴染みが薄いため、史実とポリコレを盾にできる弥助(アジア人よりは親しみの持てる黒人)を代わりにねじ込んだのではないか?」という思惑が推察されてしまったことである。
主役が黒人であるためブラックウォッシュ問題に見えるが、本質としてはむしろホワイトウォッシュのそれに近い。
背景には白人>黒人>アジア人という白人層の根深い差別意識がある。
初っ端からアジア人種への差別意識をちらつかせてしまった本作であるため、顧客の見る目が非常に厳しくなっており、これまでは「欧米ではよくある勘違い」で流されていた描写の間違いについても批判が殺到した。
そしてお世辞にも考証がよくできているとは言いがたかったPVに加え、スタッフインタビューにおいて「慎重な考証を重ねた歴史的正確性の高い作品」というスタンスを取っていたため反感は更に強まることになり、日本人がこれまでほとんど用いてこなかった文化盗用のワードがちらつきはじめることになる。
とはいえあくまでフィクション作品のことであるため、「ゲームとして面白ければいい」と達観するゲーマーも多くおり、また表現の自由を尊重する向きからは将来の萎縮を招きかねない批判は避けるべきとの主張もあった。
しかしながら6月上旬、公開されていたコンセプトアートの中に現代の団体の画像が無断に使用されていることが発覚。
そしてこれをきっかけに公開されている画像、映像の精査が行われた結果、画像や素材の転用が無数に発覚した。
完全に一線を超えていたことが発覚したシャドウズに、これまで擁護的な言動を取っていた勢力も愛想を尽かし、炎上は加速する一方となって今に至る。
この炎上でUBIの株価が一時的に約15%下落したことからもかなり大ごとになっていることがわかる。
後述するように発売中止を求めた署名運動も世界中で行われており、実際に歴代ソフトの販売ペースを上回りかねない勢いで賛同者を集めている。ゲームにまつわる炎上は数あれど、発売前からこれだけ拒絶された例は流石に稀である。
このような惨状に至った主な理由として以下の事が挙げられているが、公式やそれに味方する勢力が自ら炎上の火種や燃料を次々に投下していく為、記事に載せ切る事が出来ない程である。
(この記事も炎上関連の情報が余りにも多すぎる為に分割されたようなものである)
詳細![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
弥助の起用を巡る諸問題![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
「弥助」の記事にもある通り、彼は宣教師によって日本に連れて来られた奴隷であり、定着した理由も「宣教師が織田信長への献上品として譲った」ためであった。
彼自身についての歴史上における資料はとても少ないにもかかわらず、公式は弥助を「圧制者から日本を救う伝説の侍」と誇張表現している。
「弥助は最終的に小姓という侍身分を得ている」という説もあるが、「小姓」の記事にもある通り上級武士の世話役・護衛(時に性的な意味でも世話をする『色小姓』と、ボディーガードも兼ねる『荒小姓』とがある)という意味合いが強く、一般的な「侍」のイメージからは程遠い。いずれにしても侍=忍者ではないため、アサシンとの繋がりが見えてこない。
そもそも「圧制者」とは何を指すのか不明瞭であり、歴代シリーズから考えればテンプル騎士団の事とも受け取れるが、PVに福知山が出ている事から信長を討った明智光秀という説もある。しかし、明智光秀は今でも福知山の人から慕われており、彼の治世は評価されている。
また、そもそも彼は「侍」なのか?という点についても歴史学的には不明のままである。一応戦国時代は農民からのし上がった地侍が現れたりなど、室町時代や江戸時代と比べて「侍」という概念が非常に曖昧だったという事実もあるが…
尚、これも「弥助」の記事にある話ではあるが、イエズス会日本年報によると明智光秀は本能寺の変の際に弥助の事を「黒奴(=黒人奴隷)」と呼び、殺す価値も無いとして助命したとされている(これは彼を逃がすために敢えてそう言ったともされる)。すなわち、史実の弥助が小姓にすらなれなかった、少なくとも他の侍から仲間だと認識されていなかった可能性もある。
史実の彼の名誉のために書いておくとそもそも信長の死後、息子信忠(結局絶望して自刃している)の救援に向かいそこで交戦したからこそ捕えられたうえで見逃されたのである。戦国有数の鉄火場に飛び込む程度には忠誠心に加え戦闘の心得あるいは相当の度胸があったか、他の信長の家臣にお前も戦えと要求される立場だったかのいずれかではあると思われる。
ただ、後年に新撰組なども苦労したように、武士というのは階級制度であり、単に武器を持ったり戦闘に参加すれば武士になれるわけではない。単に羽振りが良くなっただけでは貴族を名乗れないという理屈と同じ話なのだが、どういうわけか誤解が多く見られる。
実のところ小姓説程度は日本でも漠然と受け入れられてきた(公務員が公的な場で採用した事もある)のである。
また弥助を「黒人の侍」として親しむ動きも日本国内に存在しており、かつて日本のテレビ番組で特集が組まれたこともある。
そもそも「侍」の語はそれほど厳密に用いられてきたわけではなく、日本における「剣士」や「武者」の類語としておおらかに用いられてきたものである。例えば黒澤明監督の『七人の侍』にも、厳密な意味での侍は一人も登場していない。
だがこの炎上を契機として弥助について、侍について再考する人が増えていった結果、かえって長年定着していた情報すら疑われるという現象が発生している。後述するようにここから派生した炎上もあり、UBIの狙いは全くの逆効果に働いたと言わざるを得ない。
これに関連してウィキペディアでも編集合戦が発生し、「弥助」の記事が保護される(参考)などしており、負の影響力は計り知れない。
アジア人の透明化![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
ファミ通のインタビューでUBIの開発陣は弥助を「私たちの侍」と称し「日本人ではない私たちの目になれる人物を探していた」とインタビューで答えていた。
『戦国時代の日本に初めて足を踏み入れた外国人の目線を描きたかった』、と解釈すれば分からなくもないが、完全に侍として振舞っている弥助が「私たちの侍」なのかという疑問が生じる。
現在はファミ通によって該当部分だけ削除されてしまっており、これがさらに批判を呼んだ。(恐らくファミ通が炎上を面倒くさがったからと思われる。)
また、UBIのアジア軽視が指摘されたのはこれが初めてではない。
『アサシンクリードヴァルハラ』でアジア版だけ流血表現が事前告知無く規制されていたことについて、UBIは中国のユーザー向けに「日本の規制に合わせた」などと語っており、後に日本向けにも「日本で発売するため関係機関(名前は出さず)との話し合いの結果規制することになった」と説明した。
しかし派手な流血表現のあるGhost_of_Tsushimaが同年夏に発売されたばかりだったので、「たった数ヶ月で規制が厳しくなったのか?」「UBIの嘘ではないか?」「そもそも首がポンポン飛ぶのはOKで流血が駄目なんて規制があるか?」などと疑う声も多かった。
そして実際にCEROが「そのような事実はない。そもそも過去作と同程度の流血表現のもの提出され、Z指定(18歳以上対象)で審査を通過していた」と発表し、嘘だったことが判明。
UBIは慌てて「調査した結果、社内の問題だった」などと訂正し、後に流血表現はアップデートで修正された。
他にも、無規制のPC版(パッケージ版が無いためCEROの審査が不要)にCERO:Zの表示をつけて販売するという意味不明なこともやっている(CEROがこの件をUBIに問い合わせると発表したが、どういう落とし所になったかは不明)。
この一連の出来事の中で、UBIがフォーラムでの漢字の使用を禁止したため、規制を批判する中国人ユーザーへの締め出し行為であるとして中国でも炎上しており、東アジアでのUBIへの不信感はすでに高まっていたと言える。
「武漢肺炎」の異名もあったコロナ禍でアジア人差別が再燃(加害者は白人だけに留まらなかった)し、当時の反中感情も合わさって場当たり的な対応で済まされた矢先でもあり、「ポリコレからアジア人が取り残されている」「当事者不在で勝手に話が進んでいく」といった疑念も根強い。
現に今回の炎上に際しても、「批判意見は日本人になりすました白人たち」「日本人は弥助が主人公で喜んでいる」といった、外国人による根拠なき代弁が確認されている。
アジア人の生の声に耳を貸さず、無いものとして扱う様はまさにこうした問題の典型と言える。
擁護側の失言と失態![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
- 元カプコンプロデューサーの全面擁護
岡本吉起氏は、本作及びUBIと全く無関係だったにもかかわらず、炎上に介入して擁護した。
皮肉な事に、戦うヒロインのパイオニアである春麗を輩出するなどした『ストリートファイターII』のプロデューサーである。
「世界で売れているゲームが日本で売れないのは日本マーケットの恥」とまで言い切り、批判・難色を示しているユーザー側が全面的に悪だと主張して物議を醸している。
ただ本人は「面白ければ内容は関係ない」「これはゲーム(フィクション)なのだから」と言った論調で話を展開しており、一連の背景を全く知らずに表面上の印象だけで動画を出した可能性がある。
それはそれで、「何故情報も集めずに介入したのか」と批判されるが。
しかし、最大の問題は「日本のゲームプロデューサー(という職業の人間)が該当作を称賛」したことで、これによりUBIの主張に正しい=ゲーム内の情報(描写)は正確な真実である、という認識を多くの人に与えかねない、という事であろう。
該当動画
https://youtu.be/FXhqzZ0rjnI?si=5IW4XlTEqLczDbge
なお数日後に新たに説明する動画を投稿している。
https://youtu.be/Lz9jUuFKYQg?si=fUHRfKnzt_MZM-hP
「弥助は侍である」という立場は変えてはいないが岡本氏は後日、騒動を謝罪し、該当動画を削除している。また、メディアなどが不当に自身の動画を使用していた場合はしっかり対応するとコメントしている。
- IGN Japanによる討論動画
5月21日のIGN Japanの動画にて「仁王が出た時に主人公がウィリアムであることは全然問題にならなかった」というコメントが飛び出す。
まずこのような炎上騒動を擁護するに当たって全く無関係の作品を引き合いに出すこと自体が褒められたことではないが……
さらに言えば、仁王は横浜に本社を置く日本企業コーエーテクモゲームスによる作品である。
外国企業による文化盗用として批判されている今作の騒動について、そもそも文化盗用が成立し得ない国内企業の作品を持ち出すのはあまりにもナンセンス。
しかもこれに付随して「白人だったらポリコレって言われないんだよね」というセリフまで飛び出した。
一般に「ポリコレ」が批判的に使われるのは、「社会的弱者(被差別人種、女性、性的マイノリティなど)に配慮しすぎた結果バランスが崩れている」という状況に対してである。圧倒的強者である白人男性の場合に使われるわけがないのは当たり前。
この一連の発言をしているのが白人男性というのも含め、IGN関係者の見識の浅さ、配慮の無さを改めて露呈する結果となっている。
トレーラーや宣伝の歴史考証が雑すぎる![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
弥助以外の設定も突っ込みどころ満載であった。
2024年5月15日公開された映像紹介トレーラーでは、
- 桜と青田と芒と鶴が同時に登場し、四季の統一感が皆無。
- 安土城の天守の畳が正方形(江戸時代に薩摩藩から琉球王国に伝えられて、現地で独自に発展した「琉球畳」と呼ばれる畳)。天井や障子も妙にクソでかい。
- 家臣たちは全員胡座ではなく正座(正座を推奨したのはやはり江戸時代の徳川家光)。へりにも普通に乗り上げている。
- 信長は板張りに座らせる。森蘭丸も信長と同じ壇上にいる。上座もへったくれもない。
- 奈緒江の刀を背中に差し込んでいる。(フィクション作品としては問題のない描写)
- 神社の境内で線香を焚く。神社は神道の施設であるのに対し、線香を焚く事は香りを通して故人と心を通わすという仏教儀式であり、両者は明確に別個の宗教である。ただし、当時の日本では神仏習合が進んでいたため、両方の形式が混合しててもおかしくはない。奈緒江の家が当時の日本では高級品のお香を使えるか否かという問題は残るが。
- 甲冑姿のまま町中を歩く弥助と、それを尊敬の眼差しで見る人々。(畏怖している…とも取れるが)
- アンバサダー向けに贈られた箱に漢字が左から【勇・名誉・礼・忠義・義・仁」の順で書かれているが義という字を2度も使った挙句に5番目の「義」も書き方を間違えている。(※おそらく、武士道の7徳の【義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義】を表したかったのだと思われるが、【誠】が無い。……と言われていたが、これについては謎解きの解答が抜けている【誠】であったと言うのが事実であった)
- コレクターエディションの特典フィギュアで弥助の幟に豊臣家の家紋(この地点で秀吉は羽柴姓。豊臣の姓を与えられたのは関白を賜ってから)を付けている。
- 海外向けに作中に弥助が着用する甲冑のレプリカを作るも、胴体部分に付いている織田家の家紋が上下逆。ちなみに家紋は著作物に該当する。
など、日本人が見たら不自然に思える描写がされていた。
もっとも甲冑姿で町中を歩くことに限っては「ゲーム的表現として仕方ないのでは」という意見もあり、歴代のアサクリ主人公もかなり周囲から浮いた服装をしてはいた。暗殺者としてどうなんだというツッコミは毎回あったが。
歴史以前に根本的な日本の環境すら理解できていないのだが、ゲームディレクターは「織田信長のような実在した歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いているので、封建時代の日本を舞台にゲームを楽しみながら、この素晴らしい時代について学ぶことができます」と語っている(参考)している。
この「忠実に描いている」という発言に対して、「文化盗用」や「歴史修正主義」といった批判も出ている。
これらは一般的にポリコレのロジックとされるものであり、「ポリコレがポリコレで殴られる」というわけのわからない状況すら発生している。
なお、上記のインタビューは元々英語で書かれた文章を翻訳したものなのだが、原文には「忠実に描いている」という文言は無く、インタビューを翻訳する際に意訳・誤訳したという説もある(原文)。
しかし同時に「アサシンクリードはその歴史描写と世界観の緻密な再現でよく知られており」「この素晴らしい時代について学べる」と語っている以上、その部分が誤訳だとしても批判は免れないだろう。
また、シリーズファンからは「時代について学べる」宣言について、「そもそもアサクリにおける“学べる”は、その国の歴史を知らない人がざっくりとキー要素を学ぶもの。子供向けのドラえもん学習マンガの“学習”と同レベルの物に躍起になるな」という旨の指摘も出た。
しかし、本作の場合は「弥助の史料の少なさという基本事項と矛盾した発言(後述)」「日本の基本的な情景(四季ごと代名詞的な動植物等)も描けない」「内乱が多く死が身近なのは良しとして、その死因がほとんど斬首と明言(後述)」など、主人公や舞台への理解が浅い上に物理的におかしな言説まで真実のように語っている。
指摘の通りに比較対象を外国人の入門ツールや子供向け書籍レベルまで下げたとして、それらの物品やシリーズ過去作と同等の“学び”を得られるかは甚だ疑問である。
当のUBIは自身に向けられた多くの批判に驚き戸惑っていたらしく、6月11日の4gamerの記事では「ネガティブな意見が多かったですが,肯定的な意見も少なくなかったとは思います」と言っており、弥助を侍という事にした件については「あくまでゲームは歴史事実を絡めたフィクションですから」「弥助については知られていないことが多く,そこに肉付けしていくことも主人公として魅力を感じます」と発言している。
開発中のプレイ動画への批判![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
6月11日にも開発中のプレイ動画が公開されたが、
- 相変わらず四季の統一感ゼロ。桜が咲いているところに田植えをし、何の根拠もなしに弥助が「豊作だな」と答えている。道端の箱や籠には柿がたくさん入っている。
- 農民の農作業の風景がミャンマーでの写真と一致
- 足軽を斬首する弥助。しかも町中でも平気でやる(これはシリーズ全体を通して言えることではあるが)。
- 弥助にお辞儀をする庶民。
- 弥助が刀を右から引き抜いている(この時代の武士は利き手を問わず左から抜くのが基本)。
- 弥助の戦闘BGMが、和楽器こそ使っているがヒップホップ調。
- 村の入口に鳥居(実際は村ではなく山の入り口なのでは?との説もある)。
- 金砕棒のフルスイングで頭を粉砕する弥助。倒れた敵への追い打ちにも頭を狙う。
- ドレッドヘアーのまま兜を着用。兜の忍緒もきっちり縛られていない(五月人形のような結び方になっている)。
- 弥助と突き破った襖のサイズが障子と合っていない。
- 馬から下馬する時、何故か前を向いてから降りる。このせいで馬の首をすり抜けるおかしな現象に。(シリーズでも以前ならちゃんと尻から跨いてから降りていたのにこの有り様である。)
など、開発中の映像といってもツッコミどころが多い。
ちなみに映像前半の舞台は福知山とされていたのだが、この地域は文字通り山がちで、かつその間を流れる由良川に沿って居住地が広がるという特徴がある。しかし、山も川も堤防すら見えないと地元からの指摘が上がっている。
まだ全体像が見えないのでたまたまそういうシーンだけが映ったという可能性もあるが…。
更に海外メディア『Video_games』インタビュー記事にて、本作のディレクターが斬首などに関する質問に対し、「So looking at death was a day-to-day occurrence in that period, and the way most people died in Japan during that time is clean decapitations.(当時、死を目の当たりにすることは日常茶飯事でしたし、当時の日本ではほとんどの人が首をきれいに切られて亡くなっていました。)」などと答えていた。
戦国時代における斬首は戦での手柄を証明する為の行為か処刑ぐらいなものであり、町中での斬首はする意味も必要性もない。
そもそも人の手による斬首は相当な技量がないと綺麗に切る事が出来ない(江戸時代では専門の業者のような人までいた)し、ギロチンを発明した国であるフランスの企業がそれを知らないとは思えない。
つまり「戦国時代に首を斬られるのが当たり前」「当時の日本では殆どの人が首をきれいに斬られて亡くなった」というのは完全な誤解であり、アサクリ開発陣はこのような誤解を世界に広めてしまった。
くノ一側でも炎上![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
本作の時代考証に協力したのは日系アメリカ人のサチ・シュミット・堀というLGBT研究家である。しかも自身のフォロワーの中にはUBIの元社員が創立したと噂のポリコレコンサルト会社「SweetBabyINC」が含まれており、それ自体が政治的忖度ではないかとの疑惑が広がった。
堀は「女性が活躍したゲームが少ない」などとフェミニズムに傾倒していた節もあり、更には「奈緒江も弥助もLBGT」という報道(これについては後述の通り「飛ばし記事」ではあった。弥助については小姓説を取るなら誤りとまでは言えないが)まで始める段に至ると、いよいよ「他所のゲームで何をしているのか」と批判が殺到するようになった。
そこに、開発者の「そもそも2人の主人公が登場する予定ではなかった」というインタビュー(参考。原文はイタリア語)の再発見が重なり、作品自体の存在意義も疑われている。
これによると、
- 開発陣は舞台を安土桃山時代に決めた際に弥助という黒人に目を付けたようで、早い段階で起用するつもりだった。
- その後のゲームプレイについてを考える際にステルスシーンにも戦闘シーンにも力を入れたかったそうで、その為に侍と忍のダブル主人公にするよう決めた。
との事で、ポリコレを抜きにしても自分達内輪の製作上の都合を極めて強く押し出しており、碌にマーケティングをしていなかった可能性が浮上している。
ちなみに、奈緒江はシリーズ伝統の暗器であるアサシンブレードを装備しており、そのデザインは刃とグリップこそ日本刀風にはなっているものの、絡繰部分は竜の頭のマスコットが付いているという中華風のデザインである。
鎮火のためフィクションだと強調![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
炎上騒動を受けてか、その後のインタビューでは本作はフィクションだという主張を繰り返しているが、IGNJapanのインタビュー動画に出ていたディレクターがフィクションであることを繰り返し強調しつつ、「日本史に詳しい方にぜひ楽しんでいただきたい」と発言。歴史考証が雑な部分が散見されるため、日本史に詳しい人がどう楽しめばいいのか困惑するほかない。
また、動画内では弥助の他資料の少ない事柄に対して「歴史の空白を私たちのストーリーで埋めたわけです」と語っている。
過去シリーズにおいても、ジャック・ザ・リッパーの正体や海賊・バーソロミュー・ロバーツの出生の秘密等の歴史的に不明な部分を独自に描いていることは多々あった。
しかし今回は弥助について記録がほとんどないのに「信長の台頭期について調べれば調べるほど、あらゆる重要な出来事に立ち会っていて興味深い人物であることが分かった」と矛盾した内容を言っていたり、上述の「日本史に詳しい人に〜」と言った発言と相まって、歴史を捏造していると受け取る人が多かった。
また、変に史実との繋がりを強調せずに最初から「本作はフィクション」と言っていればここまで炎上しなかったのではという意見もある。
しかし日本とそれ以外のアジア圏との区別がつかず、歴史考証を抜きにしても粗雑な作りが目立っているので、事前にフィクションであると強調していたとしてもどの道炎上は免れなかったと思われる。
日本向け映像に中国字幕![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
UBIが公開した日本向けトレーラーに中国語と思しき字幕(台湾や香港などで使われている繁体字)が使用され、動画ラストのタイトルや発売日表記も同様であった。映像自体は非公開となったが既に情報が拡散されている。
公開された映像にも問題点がしっかりとあり、その中の一つとして弥助が筆で「勇」という字を書くシーンがあるのだが、縦書きの巻物の下端から書く(筆の持ち方も可笑しく、筆につける墨汁を入れる綴もない。)というあり得ない挙動をしている。
おそらく巻物と掛け軸と混同しているのだろうが、つまりは何らかの政治的メッセージがあったと言うよりも、そもそも日本語がどんな言語なのかを把握していない可能性が濃厚である。
紀元前のエジプト・ギリシャを舞台にした作品では、パピルス(巻物と似ている)の描写が非常に正確であると専門家からも賞賛されていたで、尚更杜撰さが指摘されることになった。
この一件に限らず、アジアの文化を十把一絡げに軽視しているとして中国や韓国などのアジア圏にも炎上が広がっている。
既存資料の無断使用など、単純な倫理観の低さ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
コンセプトアートにも問題があった事が発覚している。
まず、町の描写には明治時代初期に撮られた町人などの写真をそのままトレスして使用していた。使われた写真はネットで調べればすぐに見つかるものであり、無断使用の可能性も同時に浮上している。
しかもトレスすら失敗していたものがあり、「素材を左右反転して取り込んだ結果、着物が左前になった傘職人」なんてものも見付かっている。
別のコンセプトアートには戦国時代に存在しない筈のボランティア団体「関ケ原鉄砲隊」(この団体を知らずとも、関ヶ原の戦いが本能寺の変の18年後の1600年である事は日本史の基本であろう)の画像が写っていた。
こちらは団体側からUBIに抗議文が送られており、無断使用が確定している。これに対し、UBIは謝るどころか数日後に無言で削除して隠蔽工作を図るという手に出ていた。のちに公式が謝罪するものの、その後については後述。
更に、奈緒江が天正伊賀の乱に巻き込まれて絶望するコンセプトアートは、よく見たら燃やされていたのは伊賀の武家屋敷ではなく飛騨の合掌造りだった。
別のものには奥多摩の祠、春日大社の灯篭、龍門石窟の盧舎那仏像(※)、そして工事現場用のトラロープなどを描いている。他にも相馬野馬追をそのまま掲載。本作では織田家の旗が黄色で統一されているが、これのせいで一つだけ赤色の旗が立っており、しかも強風に煽られたものがそのまま登場していてまるで調和させる気が無い。ガードレール・電柱・電線・軽トラックのようなものも見え、現代の素材を取り込んでいる事はほぼ確実である。
そうかと思えば平安神宮の応天門(應天門)と金閣寺を合体させたような建物も造ってしまっており、やはりアジア全体を舐めているレベルの杜撰さを披露している。
あまりの杜撰さにAI生成を疑う声も多い。
※:中国地方ですらない、国としての中国にある仏像。実物は左手を浄化の手として挙げ、右手を不浄の手として添えるが、これも左右反転させてしまったせいで全く意味をなさないものになっている。
これらはあくまでも社内で作品のイメージを共有する目的で作られた「コンセプトアート」であり、無断使用なども社内で使用するだけなら問題にならなかった可能性は高い。
……が、定価1万5800円のコレクターズエディションにはゲーム本編ディスクと、「豊臣家」の家紋入りのフィギュアに加え全34枚のコンセプトアート集も収録予定とのこと。
つまりこの著作権ガン無視パッチワークを商品として売るつもりなのである。
一般的にフランスを含むEU圏ではAI技術の悪用に厳しく規制強化に積極的で、日本を始めとするアジア圏は比較的緩い傾向があったのだが、仮にAI生成だとすればそれを真っ向から覆してくれる所業である。
『JAPAN EXPO』での醜態![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
7月12日よりパリにて開催された『JAPAN EXPO』にシャドウズも出展。
しかし、Xのフランス公式アカウントが宣伝ポストに週刊少年ジャンプの漫画『ONEPIECE』のメインキャラクターのひとり・ロロノア・ゾロが所有している妖刀『三代鬼徹』に酷似した刀の画像を投稿。しかも、ゲームプレイ映像で弥助が持っていた刀とは形状が異なるため無断で載せた可能性が高い。(刀自体はおそらくフランスの通販サイトで販売されている三代鬼徹のレプリカと刀掛けのセットとされ、刀掛けの『地水火風空』(仏教の五輪。宮本武蔵の剣術書『五輪書』(出版したのは大坂の陣の後。史実に忠実と語るならこの言葉はコンセプトからは矛盾している。)を構成する章のタイトルにもなっている)という文字まで一致している(同サイトでは同じ刀掛けとセットで『鬼滅の刃』に登場する刀も売られている模様)。)
つまり本作と無関係の品物の画像を自社のブースの宣伝に使用しているということになる。
『ONEPIECE』はフランスでも人気作品のはずだが、アカウント担当は気づかなかったのだろうか?
また同じポストに載っている日本人形風の人形の画像も、amazonで購入可能な中国製(人形自体は日本風だが、持っている笛は中国の様式)の人形である。(やはり日本と中国の区別がついていない様である。)
なお、上記の小道具について「ブースの展示に使われている」という話もあったり、TikTokで見られる動画においても刀が展示されている光景が映っている一方で、実際に『JAPAN EXPO』に行ってきた人の証言では見かけなかったと言い、会場の取材映像にも刀や人形は映っていないなど情報が錯綜している。あくまでX上での宣伝として使用していた事になるのだが、他作品のものを無断使用していた事には変わりないので充分問題行動といえる。
他作品への飛び火![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
シャドウズを擁護したい向きから、「過去の日本で外国人が活躍する」形態の作品が引き合いに出される事例が発生しているが、基本的にどれも的を外しており、むしろシャドウズの問題を浮き彫りにする結果となっている。
『仁王』![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
IGNのインタビューで引き合いに出されたが、そもそもユーザの怒りの原因は「黒人起用」ではなく「文化盗用」を中心とした不正・不誠実の数々なので、ただの論点ずらしである。
また『仁王2』ではキャラクリにより人種(妖怪と人間のハーフ)を任意に変更でき、信長の家臣として同じ黒人侍「ヤスケ」が登場する。
調査不足によりユーザ側の心情が分からなかったとしても、これらの事実を無視して初代『仁王』だけ「白人なら~」と取り上げるのは謎。まだ『2』を比較対象にして「仁王2だって黒人が侍になってるじゃないか」と反論した方が適切だし説得力がある。
初代主人公に白人ウィリアムが選ばれた理由についても、Team NINJAの早矢仕氏が電撃オンラインのインタビュー(16年)で「10年前から“金髪碧眼の侍が活躍する”というコンセプト」と答えており、史実軽視や黒人差別ではなく単なる予定調和である(実際は白髪だが)
インタビューでは「日本人も外国人の方も新しい気持ちで楽しめるように」とも語っている。じゃあ何故黒人は駄目なの?と反論できなくもないが、構想当時は2006~年で弥助の知名度は低く、鎖国していた時代背景から黒人はいなかったとする意見が多数派だったので、数少ない交流先だったオランダ出身のウィリアムが選ばれたのはただの消去法である。
(ソース:『仁王』はシブサワ・コウ氏の構想をなぞる新たな歴史ゲーム。早矢仕氏が語る外国人主人公のワケは)
”史実と違う”点で比較しても、「慎重な考証を重ねた歴史的正確性の高い作品」であるアサクリシャドウズと違い、こちらは公式自ら「史実と怪異が融合した幽玄のダークファンタジー」と明記している。
ファンタジーは超自然的・幻想的な世界観を前提とした創作作品ジャンルの意味合いであり、それを示すように『仁王』の物語は「妖怪が実在」「錬金術が魔法同然の扱い」「忍法で火を噴く」「神秘の物質アムリタ」など、非現実的な舞台の上で成り立っている。
登場人物も同じで「ウィリアムは海賊」「悪の錬金術師エドワード・ケリー」「秀吉は二人いた」「源義経は妖怪と人間のハーフ」「源頼光は女性」「架空の忍者・隼一門」など捏造しまくりだが、これはファンタジー作品だからであり別に史実軽視ではない。
アサクリシャドウズもやってることは『仁王』と同じなはずで、何を言われようが「日本史実とアサクリ世界観の融合」「コエテクがウィリアムなら俺たちは弥助」「ファンタジーだから矛盾はあって当然」と主張すればいいだけである。
『仁王』を引き合いに出すのもそうだが、ゲーム作品で”歴史的正確性”を謳うのは全くの謎で、正確ならPVの時点で発覚する程ガバガバではないはずである。
『ラストサムライ』![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
まず前提として、この作品において、外国人が侍と呼ばれることは無い。
日本を訪れた主人公が、最後の侍たちの生き様を目の当たりにして感銘を受けるという作品なのである。
この作品は大学で日本史を学んだ監督による作品であり、当人の知識はもとより、日本人俳優をアドバイザーとして積極的に意見を求め、更に中国系・韓国系アメリカ人を当てられがちな脇役やエキストラにも日本人を大量に起用し、日本の風習、文化の描写に丁寧に取り組んだ意欲作である。
その甲斐もあって被服や所作、建造物の造形などの美術・演出面は高い評価を得ているものの、外国人向けの脚色が否めない『侍』像や、拭いきれいなかった「白人酋長モノ」感が鼻につくとして不満の声が少なからず挙がっている。
史実性の高い文化的作品として認められたとは言い難く、そうしたツッコミどころは一旦置いたうえでアクション活劇として評価されているというのが実情。
これほど日本文化に敬意を表した作品ですら諸手で歓迎してはもらえない、歴史モノとして評価されることの難しさを示す事例であり、この作品で評価されていた美術面ですら山程ほころびが見つかっているシャドウズが批判されることに説得力を与えてしまっている事例である。
説明不足の反論や謝罪![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
先述の通りUBIは批判への対策として日本向けの記事や映像では「フィクション」を強調する一方、海外向けには批判に対して「feeding hated(憎悪を感じる)」や「Hateful Acts(憎悪行為)」などと非難している。
これらは騒動にかこつけて開発者個人への脅迫や人種差別などの個人攻撃が行われていることを批判したもの(実際いくつかのUBI社員の個人アカウントが脅迫や殺害予告を受けて削除されている)なのだが、特に日本ではこういった事情が殆ど知られていないため、「批判に対して逆ギレしている」と誤解されてしまっている。(参照)
2024年7月8日、遂に先述した「関ケ原鉄砲隊」の無断使用に対して謝罪を行った(参考)ものの、本当にそれだけであって同時に指摘された他多数の問題には言及せず、当該素材すらアートブックからの削除は行わないと宣言し開き直りの態度を見せている。
しかもこの声明を出したのは日本支社である「Ubisoft Japan」のみであり、本家本元フランスのUBI本社や、制作担当たるカナダのモントリオールスタジオからは2024年7月現在、特に声明は無い。
フランスの企業に抗議したら日本人が代わりに頭を下げてきた、見方によっては白人の尻拭いを日本人スタッフにやらせたという格好であり、かえってアジア人差別説が強まる事にすらなっている。
この謝罪についてIGNが英語記事で海外にも発信した結果、海外からも「さすがに駄目だろ」「日本人が怒るのは当たり前」「本部が謝れよ」などの批判が集まっている。
ちなみに、このIGNの記事では以前と違って弥助をサムライと呼ばず「real figure(実在の人物)」とだけ説明しており、「実在した黒人の侍」が地雷ワードになったことを認識し始めたことがうかがえる。
更に7月11日、「関ケ原鉄砲隊」の関係者が「絵の削除を依頼した」とする発信を行った(参考)事で、「受け入れていただきました」とまで言っていた上記の謝罪文との矛盾も発生。その形式的な謝罪すら虚偽であった可能性が取り沙汰されている。
弥助の"専門家"である日大准教授への批判![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
シャドウズには直接関係ないとされていたが、上記のあまりに史実と逸脱した内容について議論されていたなか、弥助に関する書籍を複数刊行していた日本大学准教授「トーマス・ロックリー」にも疑念が向く状況が続いていた。
しかし日本と海外で自身の主張を大きく変えて、海外へ優先的にありもしない弥助伝説を吹聴していたことが検証動画で暴露され、さらには英語版wikipediaの弥助の記事にてロックリー自ら未発表の論文を出典とした史料の文面並べ替えや追記、さらには自著のダイレクトマーケティングまで行っていたことが判明し大炎上となった。
特に日本人に極力発覚しない様に主張を切り替えるという振る舞いは、もはや当事国を差し置いての歴史修正に等しい所業であり、ある意味ではシャドウズ騒動の方が氷山の一角でこちらこそ騒動の陰に隠れていた本丸と言える。(その騒動の詳細は彼の記事を参照。)
ちなみに、誹謗中傷が相次いだとの理由でFacebookを凍結させる際に「シャドウズとは何の関係もない」と弁明していた。だが、appleのポッドキャストにてUBIのスタッフと本作について対談する番組が配信されていたため、開発に直接関与したかは別として「無関係」という弁明も嘘と判明している。
…ここまでの状況から、あくまで単純な形で推測するならば
「『圧政に立ち向かう黒人主人公』という造形ありきで主人公の元ネタになる人物を探していたUBIのスタッフの間で、
これまた『ぼくのかんがえたさいこうのこくじんざむらい』の既成事実化を目論み、弥助という人物の情報に脚色に脚色を重ねていたロックリーの書籍が注目を浴びる事になり、
お互いに見たい理想像が(史実そっちのけで)合致した事からお互いの活動の詳細を詮索しないまま便乗し合う関係が成立した」
…というのが今回の騒動の発端なのではないか?とする声もある。いずれも(特定の人間にとっての)『見たいもの(ニーズ)』が先にあってそれに見合ったストーリーが構成されてるのだから、そりゃお互い魅力的に映るし、シナジーも強いという訳である。
…その為に槍玉に挙げられる日本及び日本人と黒人、そして何よりそんなストーリーありきで史実度外視の偉人化、超人化を施され、それをさも真実であったかの様に吹聴される弥助にとってはたまったものではないが。
総括![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
繰り返すが、本作の炎上の主な原因は主人公が黒人だからではない。
ここまで記事を読んだ人には分かるだろうが、日本人はもともと弥助を嫌ってはいなかったし、歴史を元にしたフィクションで彼が「黒人の侍」として描かれることにも寛容だった。
そもそも日本人からしてみれば、海外の作品に間違った日本観が出てくるというだけならむしろ日本人自らネタにするレベルで極々ありふれた海外あるある話の一つでしかなく、本当にただそれだけならわざわざ騒ぐほどの事態とは到底言えないだろう。
加えて歴代のアサシンクリードシリーズも100%史実に忠実だったわけではなく、例えばオリジンズでは「史実とは違うが、目玉にしたいから」という理由でピラミッドを建造当初の姿で登場させたり、カエサルも言い伝えと違いハゲていなかった。
オデッセイでも女主人公が古代オリンピック(しかもパンクラチオン)に出場するという、あり得ないイベントがあった。
ヴァルハラでも当時のイングランドがあまりに殺風景だったため存在しなかった建物を増やしたり、当時木製だったロンドン橋を石造りにしたりと、ゲーム上の都合や見栄えのために改変されることはよくあった。
更に言えば、シリーズは超古代文明の遺物を巡るアサシン教団とテンプル騎士団との戦いを主軸としており、各作品では「エデンの果実」を始めとして超常的な力を持つアイテムが登場し、オデッセイではミノタウロスなどの神話上の存在も登場するなど、ファンタジー要素も強いのが特徴であった。
なによりゲーム起動時には「このゲームは歴史上の出来事を題材としたフィクションであり〜」という前置きもされている。
つまりUBIが最初から「弥助という黒人がいた事を知ってインスパイアを受けながら作った創作」と言う姿勢で動いてたなら少なくとも日本ではネタ方面でイジられることはあったとしてもボヤ騒ぎ程度で済んでいただろう。もしかしたら一周回ってバカゲーとして愛される作品となっていたかもしれない。
しかし今回の場合、この作品を史実ベースだ、という姿勢でUBIは送り出した。にも関わらず日本人だからこそ一発で分かる史実と違う点、そして日本と中国及び朝鮮、さらには東南アジア諸国を混同している点はどう考えてもゲーム的な面白さに繋がらず、ただの調査不足と判断せざるを得ない。
その上でツッコミを受けたら「コレはフィクションです」と前言撤回しつつ言い逃れの姿勢をとってきた。
その時点で日本人(および一緒くたにされたアジア諸国の人たち)を舐めていると思われても仕方ないことで、それに加えて弥助を伝説の侍などと称したことが多くの人の怒りを買ったと言える。
そこまでなら感情論とイデオロギー問題という、百歩譲って個人の感想や思想として無理矢理ゴリ押せたかもしれないが、著作物の扱いまで雑なせいで感情論ではなく法的対応の観点でもツッコミが入ったためそれでは収拾がつかなくなってしまった。
つまり炎上理由を箇条書きにすると、
1.傲慢と受け取られかねない製作者の発言の数々
2.日本の歴史考証を売りにする姿勢に対して杜撰過ぎるゲーム内容の出来
3.上述したIGNの意味不明な擁護記事や、ウィキペディア編集合戦などの場外乱闘
4.権利侵害
これらの合わせ技により、このような大炎上に至ってしまったのである。
もしもこれらの要因が存在しなかったなら、例え黒人の侍が主人公のゲームを発売すること自体にいくらか不満が出たとしても、現状とは比較にならないほど矮小な規模だったはずである。
そして、ここから派生する形で
5.日本における黒人の状況について虚偽の歴史認識が広められていた
というところにまで至り、現職の衆議院議員がX上で反応するなどもはや国際問題になりかねない状況にまで至っている。
注意喚起![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
UBIの所業に対する誇張![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
本件によって某参議院議員まで動き出す事態となったが、その議員へ送られた投書ではUBIのやったことがいささか誇張されている。
例を挙げると、
- 「黒人侍(ゲイ)」
- オデッセイ、ヴァルハラもそうだったが、異性愛者としても同性愛者としてもプレイできるというだけで、ゲイと決められているわけではない。
- また、弥助と奈緒江がLGBTQであると報じたのは海外メディア「ThatParkPlace」の記事だが、記事の元となったUBIのブログでは「恋愛面で2人は様々なタイプの人を惹きつけ、また惹かれていくでしょう」と書かれているのみで、これだけで2人をLGBTQと断定するのは「飛ばし記事」と言わざるを得ない。
- 「日本では首切りが日常的にエンターテイメントとして行われ」
- エンタメとは言っていない。
- 「切腹を強要」
- 強要されたとは言っていない。
- 「UBIは『これが歴史的事実、受け入れないのは差別主義者』と発言しています」
- 別々の発言の切り貼り。UBIが「差別主義者には屈さない」と言ったのは海外で行われたスタッフへの誹謗中傷や人格批判に対するもので、「このゲームは歴史的事実だから批判するのは差別主義だ」と言ったことはない。
- また批判に対して「これが歴史的事実」だと反論したのも現状確認されていない(上記のブログで弥助を「実在の侍」と表記したり、そう受け取られても仕方ない発言はあったが)。
という具合である。
目を向けてもらうため過激な言葉を盛ったのかもしれないが、こうした誇張は逆に「日本人が発言を捏造して誹謗中傷を行なっている」などと言われる可能性がある。
公的な人物・機関への投書や情報提供は、あくまでも事実ベースで誇張なく、淡々と行うべきだろう。
『つなぐ世界史』について![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
「教科書にトーマス・ロックリーの名がある」、「歴史の本にロックリーの小論が掲載されている」という理由で、東大歴史研究所に在籍する岡美穂子准教授の書籍『つなぐ世界史』(二巻 近世)とその出版社への問い合わせや誹謗中傷が起こっているという。
まず『つなぐ世界史』は一般書籍であり教科書ではない(出版社のサイトの設計上『つなぐ世界史2 社会科教科書|清水書院』と表示されてしまうので一定の誤解が生じるのは仕方ないが)。
またこの本の中ではロックリーは彼のこれまでの手口に則って賢明な史学者の皮を被っており、文献の欠如している部分について断定を避けるなど慎重な記述を行い、査読も通っている。このため書籍の内容に関して批判するのはお門違いであり、著者への中傷も避けるべきである。
しかしながら、上述のような文化盗用を行っているロックリーに、そうとは知らぬまま日本史学者としての実績を与えてしまったことは問題である。
なおX(旧twitter)上で、岡准教授を名乗りロックリーとシャドウズを擁護する論陣を張るアカウントが表れているが、画像の盗用やロックリーによるwiki改ざんにふれておらず、騒動の全容を知らないまま首を突っ込む格好になっている。
但しブログが閉鎖されており本人確認が取れないため、なりすましである可能性は注意。
関ケ原鉄砲隊他、被害者について![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
関ケ原鉄砲隊の背旗の無断使用や、それに対する同団体の対応は上述の通りである。
しかしこれについて「もっとちゃんと声を上げろ」「訴訟しろ」などと同団体を批判する無責任な人が一定数存在し、被害者であるはずの同団体をさらに苦しめる愚行が発生している。
関ケ原鉄砲隊は10数名程度の非営利団体であり、弁護士を雇ってUBIを相手に訴訟などを行うのは現実的ではない。
そもそも同団体はUBIの不注意と無神経のせいで巻き込まれただけに過ぎず、本来ならこの騒動について苦労すべき立場ではない。
100%被害者である関ケ原鉄砲隊にこれ以上の行動を求めたり、理不尽な批判を行うのは絶対に止めよう。
はっきり言って、UBI以上の迷惑行為である。
また、二条城の障壁画についても無断使用の疑惑が出ているが、これも管理者(権利関係の担当ではない)への問い合わせが殺到して対応に苦慮しているようで、これ以上の問い合わせは控えるべきだろう。
「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ」
フリードリヒ・ニーチェのこの警句を心に留めておこう。
余談![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
- アサシンクリードにおける日本
『アサシンクリード』の世界において日本というのは何も最近になって始まったものではなく、かなり前の段階から設定は生まれていた。
2009年発売の『アサシンクリードⅡ』ではyonaguni(恐らくは与那国島の海底地形)の名前が表れていたり、2012年に発売された『アサシンクリードⅢ』のオープニング映像においては日本を匂わせる描写もあった。
その時に一緒に映し出されていた絵が古代エジプトのホルスの目、ギリシア文字のオメガと神社の鳥居だったため、「オデッセイの次の作品の舞台は日本なのではないか?」とファンの間で考察されていた(実際に発売されたのはヴァイキングの物語であるアサシンクリードヴァルハラだったが)。
『アサシンクリードIV』では作中の閲覧できる資料には、デズモンドの先祖が室町時代の日本にもいたことが分かっている。
また、日本が大きく描写されたのはかつて配信されていたiOS専用ゲーム『アサシンクリード メモリーズ』と呼ばれるもので、そこには戦国時代のアサシンヤマウチ・タカが登場していたり、フランシスコ・ザビエルがテンプル騎士団の一人として日本に上陸したり、望月千代女がテンプル騎士となったり、武田信玄がシリーズを通して登場する秘宝「エデンの剣」を手にしていたり、織田信長がその秘宝を手にしたものの最期はアサシンによって暗殺され、豊臣秀吉もアサシンに敗れ、徳川家康がアサシン教団の支援を受けて関ヶ原の戦いに臨む……などなど日本要素がてんこ盛りな内容のものであった(当然日本以外の要素もあった)。
アサシンは信長から奪った秘宝を中国(明)の同胞へ送っているが、この時代の中国はシャオ・ユンが教団を復興させたアサシン優勢の時代だったため、その点で過去作とも繋がっている。
配信時期が短かったためファンの間でもマイナー中のマイナーな作品ではあるが、このような設定が作られたため『シャドウズ』発表時は大いに期待されていた。
実際の『シャドウズ』と『メモリーズ』の繋がりは当然ナシ(公式発表)。どうしてこうなった。
ちなみに、アサクリ世界では幕末までアサシン教団と江戸幕府の繋がりは続いており、テンプル騎士団の支援を受けた明治政府によって終わりを迎えるというシナリオになっており、それは別作品(小説。未邦訳であったが近日刊行予定)によって語られている。
その他にも、現代編と呼ばれるパートには日本のアサシンとしてタカクラ・キヨシという大阪(日本支部が大阪にあるため)のヤクザアサシンが登場しており、これまでに未邦訳のコミックや『オデッセイ』(声だけ)、倉田三ノ路によるコミカライズ作品『アサシンクリード チャイナ』にも登場している。ちなみに日本刀を装備している。現代なのに。
ヤマウチ・タカという名前も中々洒落ており、歴代アサシンクリードの主人公と同じく名前に鷹の名を冠している。(外伝的作品の主人公アルバーズ・ミールとニコライ・オレロフ、そして映画アサシンクリードの主人公アギラール・デ・ネルハも同様)
なお、上記に当てはまらない歴代作品の主人公にはカラスやオオカミがモチーフになることも。(3の主人公コナーやローグのシェイが該当)
「何故シャドウズの主人公はヤマウチ・タカじゃないんだ!」となるのは無理からぬ反応であり、これが「女性と黒人」と判明した瞬間から燃え始めた大きな要因となっている。
- 思わぬ影響
今回の騒動を受けて直近で発売された和風オープンワールドゲー『Ghost_of_Tsushima(PC版)』、『ライズオブローニン』の(元々高かった)株が爆上がりするという謎の現象が起きる。
『Ghost_of_Tsushima』は「日本(とその歴史)が舞台」「ステルスアクション」「海外産」と共通点が多く見受けられ、発売前からも「和風アサクリ」と評されるなど比較され続けてきた。
なお、こちらの作品も発売当初は海外のユーザーからは「日本の歴史に忠実でない」、「日本に配慮していない」などの批判をされた事もあった。
実際、舞台となる鎌倉時代には存在しなかった装束や建築様式が多数登場するものの、これらは史実を理解した上での意図的な演出である事がはっきりと言及されている。
何より本作と違うのは、日本と他のアジア諸国を混同したような描写が存在しない(元寇がテーマだったので、元軍に占領された地域にはモンゴル式のテント等がある)ことで、日本と時代劇へのリスペクト、そして入念な調査を行なったことを証明している。
また、主人公の精神性が侍らしくない点を指摘されることもあったが、彼の精神性のモチーフは鎌倉武士だとされており、海外ではその存在があまり知られていなかったために起きた誤解である。
一方で『ライズオブローニン』の方は自由度が非常に高いキャラクリエイトや史実の捏造と見せかけた徹底した完成度の高い歴史考証の再現から国内外で高い評価を受けている。
なおシャドウズと違ってこちらは弥助以上に資料が豊富な江戸時代幕末を舞台にしている事、製作が上述した日本史ゲーの老舗「コーエーテクモゲームス」であったことからそもそも歴史考証の本気度が違う。
余談だが歴史ゲーが得意なコーエーテクモでも弥助の資料の少なさと黒人差別というデリケートな問題はカバーはしきれず海外でそれなりの批判を食らうことはあった。
- Abemaでの討論動画
7月16日、ネット放送・配信サービスのAbemaにて『架空の主人公にすべきだった?「アサシンクリード」最新作なぜ炎上?問題点を議論』という番組が放送された(現在もアーカイブが配信中)のだが、これが「色んな意見があっていいよね」という玉虫色の結論に落ち着いてしまって大炎上した。
関ヶ原鉄砲隊を始めとした無断盗用が発覚したのが6月、UBI Japanから謝罪文が投稿され、本社がダンマリを決め込んだことにより燃えたのが7月9日、更に関ヶ原鉄砲隊のツイートによりその謝罪文の内容すら適当だったことが判明し爆発したのが7月11日である。
既に「色んな意見があっていい」という段階はとっくに通り越しているわけだが、批判側の代表という体で番組に引きずり込まれたナガサワ氏をはじめとして討論の参加者に事前の情報共有や論点の整理をする時間がほとんど用意されておらず、議論を筋道立てて主導できる人間が一人もいなかった。
その上Abema側が制作した騒動を概説するための映像が、アサクリの歴史的整合性にしか言及していない周回遅れのものだった(ちなみにナガサワ氏は収録現場で初めてこの映像を見せられた)。
全員素っ裸で議論に参加させられた状態でAbemaの周回遅れの映像を見せられれば、議論そのものが周回遅れになるのも当然というものである。
この結果として番組は炎上、更に番組の概説が出回った事により、表現の自由の観点からアサクリに擁護的な言動を取ってしまった茂木健一郎氏を中心に、出演者たちに苛烈な批判が行われることになったが、騒動の概要を知らないのでは擁護に回るのも無理なからぬことだろう。出演者らもAbemaの不適切な番組作りの被害者と言える。
なおナガサワ氏は取材の申込みがあったのは収録の前日、それも電話取材かと思ってたら当日になって番組出演と判明したという状況であったそうな。
加えて言うなら氏はアサシンクリードのファンでもゲーム界隈の識者でもなく、部外者的立場から騒動をX(旧Twitter)上でまとめていたアマチュアゲーム実況者にすぎない。
メディアでの露出経験などない素人を、ほとんど打ち合わせもなくぶっつけ本番でスタジオに放り込んだのだから、Abemaはもはや杜撰を通り越して鬼畜である。
- 署名活動
現在では有志により、本作の発売中止を求める署名運動が立ち上がった。署名サイトの当該ページは以下よりアクセス可能。
こちらは、弥助に関する日本の歴史捏造発言の撤回をUBIに求める署名運動である。当該ページは以下よりアクセス可能。
こちらは、外務省に対してUBIへの抗議を要請する署名。当該ページは以下よりアクセス可能。(こちらは達成済み)
なお、外務省はアフリカ各国向けの声明で弥助は侍であると明言している。参照1参照2