概要
アニメ「ポケットモンスター ダイヤモンド&パール」のライバルキャラであるシンジと「ポケットモンスター」シリーズの主人公サトシのBLカップリング。
歴代のサトシのライバルとしては珍しく、クールかつドライな性格であるシンジはサトシとは対極的な人物として描かれている為、本編では度々衝突する。
しかし強くなりたい、バトルに勝ちたいという気持ち、身体能力が高い所等、共通点も多く本人達の知らぬところで本質的には似た者同士でありお互いに意識しあっていることから視線のみを交わす描写が度々見られる。
最悪な出会いから始まり、最高の別れをし、新しい形で再開するカップリングである。
本編での描写
2話「ピカチュウをさがせ!202番道路!」
シンジ初登場の回である。逸れてしまったピカチュウを探す為、マサゴタウンでムックルをゲットするサトシ。その様子を遠くから見ており「あの程度でゲットか。使えないな」とサトシを評している。他人に興味が無いとされるシンジが積極的に気になっている描写である。
3話「ライバルバトル!三対三!!」
シンジとサトシ初めてのポケモンバトル回である。ここでは2話でサトシがゲットしたムックルに対してシンジが「お前、そのムックルでいいのか?どうせゲットするなら一番強い奴にするべきだ」と目の前でムックルを3体ゲットするも一番強いムックル以外をすぐさま逃がしてしまう。
それに対して基本友情ゲットの多いサトシからは「育て方次第でどんなポケモンだって強くなるんだ!」と一括されるが「試してみるか?ポケモンバトル」とシンジからの挑発によってバトルの挑戦を受けてしまう。しかしこの時、シンジに指定された三対三のポケモンがサトシの手持ちにはおらず「ぬるい奴」と吐かれてしまいバトルはお預けとなった。
直後、ロケット団に追われたピカチュウのボルテッカーを目にしたシンジ。
ボルテッカーを覚えたピカチュウに興味を持ったのかこの事でサトシがピカチュウを取り戻し3体になるまでサトシとのバトルを待っていた。とんだバトルバカである。
研究所でサトシが出てくるのをずっと待っていたシンジだがこの時改めて「3体揃ったんだろ?バトルしないか」と誘うが何かを感じ取ったのかすでにピカチュウは珍しく好戦的というよりも敵意剥き出しであった。
シンジ対サトシ初めてのポケモンバトル。
本物のポケモンバトルを見るのを楽しみ!というヒカリに「ポケモンバトルって燃えるんだぜ!」とバトルを楽しむサトシに対し「随分無邪気なことだな」と嘲笑うシンジ。ここでもバトルに対しての思考が正反対の2人。
そして初手。先ほどお互いに捕まえたムックル繰り出す。シンジが捕まえたムックルの方がレベルが上であった為、サトシのムックルは戦闘不能になってしまう。「技の弱さを気力でカバー。それがお前のバトルスタイルなのか?戦略もガタガタ。とんでもないトレーナーにゲットされてお前のムックルには同情するよ」とサトシのバトルスタイル否定するかの様に吐かれる。
2体目。ここでこの2人を語る上で外せ無いキーパーソンであるシンジのヒコザルが登場。サトシはホウエンの旅から着いてきたエイパプを繰り出す。
シンジに「技の選択が甘いな」と言われるも、サトシも負けじとエイパムの特徴を活かし反撃しヒコザルを戦闘不能に追いやるのであった。
3体目。お互いのパートナーであるエレキッドとピカチュウの戦い。相手の技の特性を活かし自分の攻撃力に変えるシンジ。戦略も一枚上手のシンジだがサトシも負けじとピカチュウで応戦する。しかしお互いに戦闘不能になってしまい、バトルの結果は引き分けとなった。そして、このバトルで使え無いと判断したムックルをその場で逃すシンジ。サトシそんなシンジのやり方に憤りを感じるのであった。
立ち去るシンジにサトシは「待て!シンジ!もう一度オレとバトルしよう!」と叫ぶも立ち止まる事もなく無視をされてしまう。
しかし安心して欲しい。第188話「決着ライバルバトル!サトシ対シンジ!!」ラストでは対照的に描かれシンジとサトシの距離がぐっと縮まったと分かる為、初のライバルバトルの中でも大事なシーンである。
6話「迷いの森!シンジふたたび!!」
シンジとサトシ2人で迷いの森に迷い込む我々にとってのラッキーハプニング回である。新しくサトシの仲間になったナエトルに会って早々「ぬるいな」「使え無い感じだな」と鼻で笑うシンジ。それに対してポケモンバトルを挑むサトシだったがそこに現れたロケット団によって2人は迷いの森に落とされてしまう。
スタスタと先に行ってしまうシンジ。
「シンジ!待てったら!お前もこの森を越えるんだろ?だったら一緒に行こうぜ」
「何の為に?」
「え、困った時はお互い様だろ?」
「俺は困っていない。お前の力も必要ない」
と突っぱねるも
「一つだけ忠告してやる。オドシシに気をつけろ」
とサトシに忠告するも迷いの森について分からないそぶりを見せるサトシに「それも知らずにこのエリアを旅していたのか。使え無い奴だ」と立ち去るのであった。
その後サトシはお約束通りオドシシの技によって迷いの森の入り口に戻されてしまう。しかし先を進んでいたはずのシンジがオドシシをゲットする為に再びサトシの前に現れ結果的にサトシを助ける形となった。
「サンキュー!助かったぜ!」
「勘違いするな」
入り口まで戻ってきておいて素直じゃないな?!と誰もが思わず突っ込みたくなる行動である。
途中遭遇したリングマに追いかけられる形で迷いの森を抜けたサトシ。その先にはシンジが待機しておりリングマをゲットする形で収束した様に思えたが…。
「お前まだそのナエトルを持っていたのか。そいつは使え無い」
「どんなポケモンでも一緒に頑張れば強くなれる!もう一度バトルだ」
「無駄だ。勝敗は見えてる」
「逃げるのか?!」
「じゃあ如何にお前の考えがぬるいか証明してやる」
これにより再びヒコザル対ナエトルのバトルとなる。
しかしタイプの相性もあり力の差を見せつけられ負けてしまうサトシ。
「使え無い奴はいくら頑張っても使え無いんだよ」とまるでサトシのやり方を全て否定する様にシンジはその場を立ち去ってしまう。
それに対し、
「オレはあいつには負けない…!あいつにだけは、絶対に負けたくない!!」
とさらなる悔しさと怒りを露わにしたのだった。
15話「クロガネジム! ヒョウタVSシンジ!!」 16話「ズガイドスVSピカチュウ!」
シンオウ地方最初のジムリーダーヒョウタとのバトル回。目的が同じなので度々会う2人。その為、シンジのジム戦をサトシ一行が見学する展開となる。
ジムのポケモン管理をしているイワオに「おや、友達かね?」と聞かれた際、食い気味で「いえ」と否定するシンジが見られる。
「もうジム戦やったのか?バッジは?」とサトシの問に
「お前には関係ない」
とここでも相変わらず冷たい態度をとるシンジ。
ポケモン達に無茶をさせ技のパワーアップを図るシンジのバトルスタイルに不満を持ったサトシは自分のやり方を見て欲しく
「待てシンジ!オレのバトルも見ていけよ!」とシンジを引き止めるも「負けるとこを見て欲しいのか?」と煽られてしまう。
しかしいつも目的が達成されると先を急ぐシンジだがこのサトシのバトルを見る為、1日滞在している。
ヒョウタとサトシのバトル。ピカチュウが倒されそうになり決着がつく前にシンジはジムを立ち去ろうとするがその時ピカチュウの咆哮によってサトシの勝ちたいという気持ちに答えたいという姿を見せられたシンジ。少しではあるがこの時驚いた表情を見せ最後までバトルの行く末を見る事にする。
40話「チャンピオン・シロナ登場!」
シンサトを語る上で外せ無いシンオウチャンピオンのシロナ登場回である。
無謀にもシロナに戦いを挑むシンジ。そんなシンジのバトルを見ていた外野からヤジを飛ばされてしまう。
しかし堂々とチャンピオンに挑んだシンジに何か感じるものがあったのか「笑うな!」とヤジに一括入れるサトシ。
やり方や信念が違うシンジだが目指すものは同じだからこそ生まれたサトシの感情であった。
しかし捨て駒戦法でシロナに挑んだシンジのやり方を否定するサトシ。
「ポケモン達と一緒に頑張って勝つのが本当の勝利だ!なんでポケモン達を大事にしないんだ」
「甘やかす事になる」
「ポケモンバトルで大事なのはポケモンとの絆だ!それが無くて強くなれるもんか」
「おまえはおまえで好きにやれ。俺は俺のやり方で強くなる」
サトシはポケモンとの絆が強さを引き出すと信じ、シンジはポケモンを過酷に追い詰める事が強さへと繋がると信じる。
目指すものは同じだがやり方や考え方が違う為に毎回衝突してしまう2人。そんな2人に見て欲しいものがあるとディアルガとパルキアの石碑を見せるシロナ。
『すべての命は別の命と出会い、なにかを生み出す』
シロナは自分の経験を踏まえて、サトシとシンジに昔の自分と今の自分を語りながら今日のこの出会いが、2人の言う強さに繋がる「なにか」を生み出すと2人に大事な言葉を投げかける。
この回で改めて2人の相違が描かれ、2人の出会いによって「なにか」が生まれるとこの先に繋がる大事な言葉を伝える回となった。
50話「全員参加! タッグバトル!!」 51話「ヒコザルVSザングース! 運命のバトル!!」 52話「タッグバトル! ファイナル!!」
ヨスガシティで開催されたタッグバトルに参加する事になったサトシ一行。
このタッグバトルはヨスガシティが心が触れ合う場所であることに因んでポケモンと人、ポケモンとポケモン、人と人との出会いと心の触れ合いを目的に行われている伝統の大フェスタである。
ランダムに選ばれたパートナーと3日間タッグを組み如何に心を通わせパートナーシップを作り上げていくかがこの大会の醍醐味となっている。また優勝者の2人にはさらなる心の繋がりを高めるアイテムとして「やすらぎの鈴」が贈られる。
運命偶然にもランダムで選ばれたサトシのパートナーはポケモンの能力を高める為に大会に参加していたシンジであった。
「決まったのなら仕方ない。だが俺の足は引っ張るな!」
「おい!それがタッグを組む相手に言う言葉かよ?!」
いきなり相性最悪のパートナーの誕生である。
トレーナー同士の相性は最悪だったがヒコザルとピカチュウのコンビネーションで初戦はなんとか勝利を収めた。
コウヘイ曰く「それぞれ勝手にやっていたら結果的に勝てちゃった」
まったくその通りの試合結果となった。
その夜、バトルで疲れたにもかかわらずヒコザルに無茶な特訓をさせるシンジに対してサトシは「強くしたいんならそのポケモンの良い所をどんどん伸ばしてやればいいじゃないか」というサトシに対して「甘いな。ポケモンの本当の強さを引き出すには極限まで追い詰めて集中力を高めるしか無い」というシンジ。
ここまでシンジがヒコザルを追い詰める理由はザングースの群れに襲われたヒコザルと出会った際に見た「もうか」よりもすごい潜在能力の様な力を再度発動させる事にあった。
しかし2日目。バトルの中でシンジはヒコザルとの思考の違いを感じ成長に見切りをつけ、ヒコザルを手放す事にする。
「オレたちと行こう!ヒコザル!オレ達と一緒に強くなろうぜ!」
「お似合いだな、使え無い奴同士」
「ヒコザルの強さ。オレがシンジに教えてやるよ」
そこに手を差し伸べたのはサトシだった。
3日目最終試合。ヒコザルのパワーアップが目的だったシンジだったがヒコザルを手放した後もしっかりとバトルをしていた。相変わらずコンビネーション最悪のシンジとサトシだったがそれぞれのポケモンの強さで決勝まで勝ち上がりお互い嫌悪な雰囲気の中、シンジのエレキッドが進化しエレブーになった事で見事優勝する。コウヘイによれば「よりにもよって一番タッグらしくないあの2人が優勝するとは。僕の方程式にも例外ができましたよ」との事。この時優勝賞品としてもらった《やすらぎの鈴》だが「俺には必要ない」とシンジからサトシに投げつける形で渡している。
この《やすらぎの鈴》は次シーズンのベストウィッシュ151話にてサトシの部屋に飾られておりサトシが大事に持っていることが確認できる。
64話「グライオンとグライガー! 風の迷路をぬけて!!」
トバリシティを目指して旅を続けるサトシ一行の前にグライオン率いるグライガーの群が現れる。グライガーの群れであるリーダーのグライオンが強いと噂に聞いて現れたシンジ。そのグライオンをゲットした事で統率が取れなくなってしまったグライガー達は混乱に陥ってしまった。
この時サトシはグライオンの群れにいた中でも滑空があまり上手く無い個体のグライガーをゲットする。
ここでもシンジとサトシのゲットしたポケモンが対照的に描かれている。
66話「ルカリオ! 怒りのはどうだん!!」
シンジの兄である育て屋を営んでいるレイジの初登場回。またシンジの実家にサトシ一行が訪れる回でもある。
「ボルテッカーを使えるピカチュウってこの子だったんだね」とレイジの発言からシンジにサトシの話は聞いている模様。
「シンジがなんて言おうと俺はバトルに勝つにはポケモンと気持ちを一つにしなきゃって思ってます。あいつには負け無い。」
「見てみたいな!君とシンジのバトル。」
これによりサトシに興味を持ったレイジからポケモンバトルを挑まれる。
この時からレイジは弟シンジとサトシ2人の行方を見守るポジションとなっている。
69話「ステキファッション! その名はギンガ団!!」
シンジから連絡があったレイジとの会話。
「サトシくんが来たよ。例のボルテッカーを使うピカチュウのトレーナー。彼は面白いね。気に入ったよ」
「兄貴には合うかもな」
上記でも記載した様に幾度かこの様に通話している節が見られる。
74話「ピカチュウ! ライチュウ! 進化への道!!」
ライチュウ使いのトレーナーのショウに見下された発言をされた事でライチュウVSピカチュウのバトルとなる。
しかしそのバトルに負けてしまうサトシとピカチュウ。
「レベルの低いバトルだったな。」そこへバトルを見ていたシンジが登場する。
「次は勝ってやるさ!なっ!ピカチュウ!」
「じゃあ進化でもさせるんだな。互角くらいにはなるんじゃ無いか。」
その場を立ち去るシンジであったが…
なんと翌日の再戦でピカチュウの勝利を収める姿を木陰でしっかりと見守っていた。
77話「みんなライバル! ミクリカップ!!」
78話「激闘! それぞれのバトル!!」
ポケモンコンテスト・ミクリカップに参加したサトシの演技をモニター越しで見ている姿が描写されている。
「何やってるんだアイツ。」
次の日一次審査を通過したサトシ。その演目の際に出場させてブイゼルの技もしっかりと見ている。
どうやらかなりサトシが気になっている様子である。
81話「灼熱のヒコザル!」
再びシンジ対サトシとのバトル回である。
バトルの特訓中、強風に飛ばされたサトシのグライガーの後を追うとそこにはシンジの姿が。
タッグバトルでポケモンを実践で鍛える為だけに参加した自身を詰ったサトシに対してミクリカップで同等の理由で参加したサトシを非難するシンジ。例によって2人の主張のぶつけ合いとなり喧嘩になってしまう。
収まりがつかないサトシはシンジに3VS3のバトルを挑み、シンジは最初こそ応じずにその場を離れようとしたが、ヒコザルの熱いやる気でバトルを挑まれ応じる事となった。
しかしバトルで追い詰められたヒコザルが特製「もうか」を発動させシンジのリングマに勝利するが我を失い暴走してしまう。
ヒコザルはサトシの必死の呼びかけで正気を取り戻したが
「あの炎がお前に使いこなせるのか?」
「それはまだわからない、でも、ヒコザルなら出来る。オレはそう信じてる。」
「また信じるか…」
「バトルの続きはお前達があの炎を使いこなした時にやってやる。」
そう言い残して去って行った。
ヒカリ曰く「シンジでは出せなかったヒコザルの本当の力、サトシの元で出せた事なんだか意味がある気がする」
100話「ナエトル、ハヤシガメ…そしてドダイトス!」
再び再開する2人。この回では珍しくシンジからサトシに声をかけるシーンがある。
「あれからどうした?」
「え?」
「ヒコザルのもうかだ。」
「確かにあのパワーはすごいよ。だけどオレ、あのもうかに頼る様なバトルはしない」
そう言い放つサトシに対してシンジは嘲笑を浮かべるのだった。
またバトルの特訓中のサトシが気になる様子で影から様子をうかがうシーンが見られる。
そんなシンジに「やっぱり気になるんだな?」とタケシが声をかけるほどであった。
兄レイジと会った時の事を伝えるタケシに「あれだけのバッジを集めておきながらたった一度負けただけで挑戦する事をやめてしまった。悔しいはずなのにいつもヘラヘラ笑って、俺はそれが許せ無い。俺は兄貴の様にはなら無い!兄貴の様なやり方じゃダメなんだ」とどこかサトシと気が合うレイジを重ねて今までサトシのやり方も否定し衝突していたことが窺えるシーンである。
またもや特訓しているサトシにシンジから声をかける。そんな様子をシンジのドダイトスを傍メンテナンスしていたロケット団も「珍しい!アイツからジャリンコ組にちょっかいかけるみたいよ!」と今までのシンジからは想像でき無い行動であると発言している。
ポケモンの技を高める為に他のポケモンに攻撃をさせる特訓をしていたサトシに対しシンジは「お前のやってる事は、俺と同じだ」とサトシが否定してきたやり方と同じだと指摘する。
さらにシンジが既にヨスガバッジを手に入れている事を知ったサトシはポケモンバトルを挑むのだった。
しかし「お前達がもうかを使えこなせたらと言ったはずだ」と断るも「言っただろ?オレはもうかに頼ら無い!」
と言う熱いサトシの願いに1対1でバトルする事になる。
ジム戦前にピカチュウ達に無理させたく無いからと言う理由で名乗り出たナエトルに対しシンジが繰り出したのはタイプが有利なドンカラス。
バトル中ハヤシガメへと進化するも、体型が変わってしまいこれまで取り柄だった素早さを失ってしまう。
そんなハヤシガメに「頑張れハヤシガメ!」と気合いを入れるサトシだったが
「頑張れ、信じてる、それだけで勝てるのか?進化したポケモンの特徴も考えず気合いを入れるだけじゃただの無茶なトレーナーだ」とシンジに指摘されバトルに負けてしまうのだった。
その夜、かつての素早さを取り戻そうと1人でひっそりと特訓しているハヤシガメの前に現れたのはシンジのドダイトスだった。シンジのドダイトスはハヤシガメに新しいバトルスタイルを教える。
その様子を後から駆けつけて見ていたサトシはドダイトスにお礼を述べた。
さらにそのドダイトスをシンジは迎えに来ており「物好きな奴だな」と言葉を投げかけている。
翌日ポケモンセンターを出発するシンジに対して、サトシは「シンジ、昨夜は助かったよ。オレ、ドダイトスにお礼を言いたいんだけど」と声をかけるが「ドダイトスが勝手にやった事だ。」とその場を立ち去ってしまった。
この部分だけで見るとシンジが冷たい様に感じるがサトシのバトルを気にしているところや言葉に棘はあるものの的確な指摘を投げかけているところを含めるとポケモンはトレーナーに似ると言う事がだいぶ示された回となっている。
101話「ライバルトレーナー・ジュン登場!!」
シンジに憧れるトレーナージュンの登場回である。後にシンジとサトシのライバルとなる存在。
ジュンは「今のポケモンでダメならさらに強いポケモンを探してゲットする。ダメならまた探す。そうすればどんなジムリーダーにも勝てる」と言っておりそれに対してサトシは「強いポケモンを揃えたからっていつも勝てるとは限らない。ポケモンの能力や性格を考えて一緒に鍛え、心を一つにして戦う。それが大切だ。たとえ今は弱くてもそうやって頑張ってればいつかは勝てる」と主張するもいつかじゃダメだ。早く強くなりたい!シンジみたいに!かっこいいもんな、シンジは!と目を輝かせるジュンに対して嫌悪感を増すのだった。
シンジのやり方を否定する考えのサトシだがそんなシンジに勝てていない現実をジュンに突きつけられ自分のやり方を証明するかの様にジュンに自分のジム戦を見に来い!絶対に勝つ!と宣言するのだった。
この回はサトシの中で常にシンジに対する戦闘スタイルを意識している事が再度うかがえる話となっている。
118話「ポケリンガ! 天空大決戦!!」
ポケモンのレベルアップを目的にポケリンガという大会に参加していたシンジと久しぶりに対戦する回。
「シンジ!お前もこの大会に出てたのか」「それがどうかしたか?」
「どうかしたかって・・声くらいかけてもいいんじゃないか?」
この間ずっと無視を貫くシンジ。相変わらずのやりとりである。
「お前と対戦する時は負け無いからな!」と宣言した通り決勝戦で対戦するシンジとサトシ。
ピンチに追い込まれたムクバードに対しサトシは気合いで行け!とエールを送るも「ヌルイな。この状況が気合だけでどうにかなると思ったか?」さらにピンチに追い込まれてしまう。しかしサトシの熱い気持ちに想いに応えようとムクバードから進化を遂げたムクホークによって勝利を収めた。
去り際シンジに声をかけるサトシ
「シンジ!どうだ!お前が相手にしなかったムックルがムクバード、そしてムクホークに進化してこんなに強くなったぞ!」というサトシに対して
「やっとそこまで‥だろ」とその場を去った。
128話「バトルピラミッド! シンジVSジンダイ!!」
シンジからサトシに対する思いが大きく変わる大事な回である。
氷タイプのジムリーダースズナとのジム戦を終えたサトシたちの前に現れたシンジ。
「シンジ!オレ7個目のバッジゲットしたぜ!シンオウリーグまであと一つだ!お前はどうだ?」と声をかけるが「それを聞いてどうする」と冷たい返答をして去っていく。
その様子を見たスズナはヒカリのライバルであるノゾミと比較して「同じライバルでも全然違うのね」と第一印象を述べる。
またノゾミにも「サトシとは正反対のトレーナーみたいだね」と言われておりそれに対してタケシは「だからこそお互いに無視でき無い存在になっているんだよ」と言われている。
その夜、ブーバーの特訓をしていたシンジの前に「オレのハヤシガメ、今日のバトルで頑張ってくれてさ!お礼を言いたいんだドダイトスに!」というサトシに「これからキッサキを攻略しようと言うのにドダイトスを手持ちに加えていると思うのか?」相性の悪い氷タイプのジムに草タイプのハヤシガメで挑んだサトシに対し「お決まりの信じる力ってやつか?」と一蹴する。
翌朝、シンジの元に兄のレイジが登場。久しぶりにサトシ達とも再開し談笑していると上空にはかつてサトシが制覇したフロンティアブレーンの1人ジンダイのバトルピラミットが現れる。
「君たちあれを知っているのかい?」というレイジの問いに「はい!何度も挑戦してやっと勝つ事ができたんです!」と答えるサトシに「勝っただと?!」とこれまでに無いくらい驚くシンジ。
レイジも以前挑戦したが自分の未熟さを思い知らされ挑戦をやめたと語る傍シンジは黙って聞いていた。
ジンダイに会って早々勝負を挑むシンジ。「何故だ?!」と問うレイジに対し「兄貴が出来なかった事をやる。それだけだ」と告げるシンジ。
ジンダイとの6VS6のバトルで語られるシンジの過去。
最初のポケモンナエトルを貰った新人トレーナーのシンジはシンオウを回らずカントーへ行きバトルフロンティアに挑戦中の兄レイジの元へすぐに向かった。そんな兄に憧れてポケモントレーナーになったと思われるシンジが目の前で「お前のバトルは、ただ卒なく綺麗にまとまっているだけのものだ。お前ならではの強さはどこにある」とジンダイに指摘され完敗させられたレイジの姿を見て自分ならではの強さにこだわる様になったと告げられる。
氷タイプのジムリーダー対策としてメンバーをフルで変えていたシンジは相性では有利であったがそれでも追い詰められる。
「兄貴が倒せなかった貴方だからこそ、俺が倒す意味がある! 貴方が俺達トレーナーに出す課題、『自分ならではのバトル』を兄貴は完成できなかったんだからな! 俺は兄貴とは違う! 俺の信念で強くなる! 俺のバトルを作りあげる!」
今までに無いくらい感情的になるシンジ。
そんなシンジに対し、「過去と兄に拘り、ではお前は何の為にポケモンと共に歩む? 何の為に戦う?」と喝を入れるジンダイ。
その事で取り乱しいつもの冷静なバトルをできなくなったシンジは完敗してしまう。
「バトルフィールドに立ったら感情を乱すな!いずれ心静かなお前とバトルしたいものだ」というジンダイの言葉もあり、兄に拘っていたシンジの何かが変わろうとした大事なバトルとなった。
立ち去ろうとするシンジにレイジは「シンジ!どうかな今こそお前とサトシくんのフルバトルを見せてくれ無いか?」
と提案。
それに対し「俺、やる!やります!」「俺も・・やろう」と珍しくシンジがサトシとのバトルに了承した。
レイジは10日後の正午、エイチ湖湖畔のポケモンセンターで勝負する事を提案した。
この提案は10日間お互いがお互いのことを思いながらバトルの準備をしていると思うとかなりゾクゾクする展開である。
131話「フルバトル! シンジVSサトシ!!-前編-」 132話「フルバトル! シンジVSサトシ!!-後編-」
シンジと約束したフルバトルをするためエイチ湖畔へとやってきたサトシ。「待ってろ!シンジ!」とシンジが既に到着していることを聞きシンジに勝つという事は自分たちのこれまでのやり方を認めさせる事だとさらに闘志を燃やすサトシ。
そんな2人の前で「俺はシンジとサトシくんは、出会うべくして出会ったと思ってる」と爆弾発言をする兄レイジ。
「二人は正反対で表裏一体。互いにポケモンと強くなりたいと願いながら、その道は全く別だ。それぞれが互いを意識して、強くなりたいと願う以上フルバトルは避けて通れない道だと思っている。」ライバル同士相手の今を知ることはトレーナーの進化に繋がると伝えバトルが始まった。
ジンダイに負けてからのシンジはもちろん、サトシも10日間でバトルスタイルに変化があった。シンジはこれまで、ポケモンたちのパワーアップがメインの腕試しのようなバトルをしてきたが、今回はサトシを分析した上でサトシの性格上メンバーに変更が無いと読み取ったシンジはその上で手持ちを編成し、先の先を読んだ戦略を立てていた。一方サトシはいつものメンバーで勝つ事にこ拘ってはいたもののシンジのポケモンと相性が悪いと思うといつもの様にガンガン攻めずポケモンを交代させシンジの様な冷静なバトル展開を見せた。
サトシがハヤジガメを出すとドンカラスに変える。これは過去に戦った因縁同士であればたとえサトシが相性不利でもサトシなら交代させ無いだろうと踏んでサトシの冷静さを崩すものであった。その読みの通り「アイツにお前のバトルを見せてやるんだ!」とハヤシガメでの攻撃を続行するサトシ。そこから一気にサトシは追い込まれていく。次にピカチュウを繰り出したサトシに対し相性不利なブーバーンを繰り出すシンジ。これはサトシのピカチュウなら一直線に攻撃を仕掛けてくる事を読んでブーバーンの特性「ほのおのからだ」によるやけど状態にする狙いだった。しかし追い込まれていく中、ピカチュウも負けじと負けたジム戦で編み出した攻撃と防御を同時に担った「カンターシールド」を発動。これにはシンジも予想できなかったのか驚いた表情を見せる。しかしそれをもってしても追い込まれるサトシ。今までに無かったサトシに絶対に勝つと言う強い意志で望んている事をレイジが悟る通りまだ5匹も残っているシンジに対し、サトシは最後に残ったヒコザルに全てを託した。そしてヒコザルはサトシの想いに答えるかの様にモウカザルへと進化を果たす。新たに覚えた技でシンジのエレブーに猛攻撃を仕掛けるもエレブーはまもるを使いながらお互いにダメージ与えていった。最後モウカザルのマッハパンチとエレブーのかみなりパンチが衝突。しかし勝利したのはエレブーとシンジだった。「シンジのそんな顔を見るのは久しぶりだな」とバトルに勝利したシンジは笑みを浮かべていたのに対しサトシは敗北の悔しさで言葉を発することは無かった。
サトシのこれまで主張してきたポケモンたちのやる気を買うバトルスタイルを受け入れ逆に読み取り完璧に封じるバトルとなった。
133話「ユクシーの影!」
シンジのバトルに負け落ち込んだサトシを重症を負ったポケモンたちが元気づける中「シンジは強い。アイツはアイツのやり方で強くなろうと、とにかく強くなろうと必死になってそれであそこまで強くなったんだ。シンジの必死さをオレはお前達と超えていく。そして次のバトルで必ずシンジに勝つ!」と宣言する。
この事からサトシがシンジの強さ、バトルスタイルを認めたと分かる回となっている。
141話「タワータイクーン! その男、クロツグ!!」
フタバ祭りに参加していたサトシ一行。そこでジュンとジュンの父であるシンオウのフロンティアブレーン、クロツグに出会う。
サトシはジュンからクロツグはポケモンと尊敬し合っている、だから負け無いんだと言われふとシンジのことを思い浮かべながら「シンジとシンジのポケモン達の強さって何なんだろう」と考える。この様にシンジに会わない回でもサトシがシンジについて考える様子が見られる。
163話「爆進化! ゴウカザル!!」
シンオウリーグに出場する為に必要な最後のバッジをゲットするべくジムを目指すサトシの前にすでにジムバッジを集め終えたシンジとジュンが現れる。
ジュンは初対面のシンジに対しバトルを挑むも「俺の手持ちは今シンオウリーグを前に調整中だ。無駄なバトルをして奴らのコンディションを乱したくない。」と断られ「バトルならアイツとやればいい」とサトシに矛先を向けられる。
その為フルバトル後、シンジとサトシ初の会話は「お前はバッジ8個集めたんだな!テレビで見たよ!」とサトシから話しかける形となった。しかしそんなサトシにシンジは目線を送るのみで会話にはならなかった。
そんなただならぬ2人の様子を見ていたジュンも「なんだ?この空気は」とヒカリに聞く程である。
ジュンに「シンジとバトルする時は、一瞬も気を抜くなよ。アイツは凄い奴だ」と伝えるサトシ。
しかし何故負けたのに笑ってられるんだと問うジュンに「アイツとは色々あったけど、俺にはないものをいっぱい持ってるって、あのフルバトルで分かったからさ」と改めて言葉にした。
シンジの代わりにサトシとバトルをする事にしたジュン。エンペルトとモウカザルのバトルになりたまたまその場を通りかかったシンジは立ち止まる。その表情からはサトシとモウカザルを気にする様子が窺える。しかしバトルの最中エンペルトの技でモウカザルが吹っ飛ばされてしまった。その隙にロケット団が介入しサトシとシンジ以外の仲間が捕えられてしまう。そこに猛火を発動させ暴走状態になったモウカザルが戻ってくる。ロケット団を撃退できたものの檻の中に閉じ込められたピカチュウ達が落下しそうになるがシンジがサトシよりも早くエレブーを繰り出し「まもる」の指示を出したのだった。先程ポケモン達は調整中でバトルは出来ないと断っていたのにもかかわらず自分のポケモンにもリスクがある上でサトシ達のポケモンを技名通り守るという今までに無いシンジの行動が見られる。
そんな中、未だ正気に戻れないモウカザルを体で受け止めるサトシ。
「モウカザル、猛火の力に飲まれるな!! この力を超えてもっと強くなろう!俺と強くなるんだ!」と呼びかけその必死な想いが届きモウカザルは猛火の力を進化のエネルギーに変えゴウカザルに進化を遂げた。その様子をシンジも見守っていた。
立ち去ろうとするシンジにお礼を伝えるサトシ。そして「いつか、ゴウカザルと俺と、バトルしようぜ!」という言葉に「兄貴が、もう一度俺とお前のフルバトルを観たいそうだ」とあくまでレイジの言葉を借りてサトシの誘いを受け入れている。またそれが本人に伝わるか不安だったのか追撃で「シンオウリーグでな。ゴウカザルとのバトルはその時だ!」と伝えそれに対しサトシも「分かった。シンオウリーグで会おう!」と言い放ち初めて2人の間だけで再戦の約束を交わす事ができたのだった。
これはリーグでお互い対戦できるまで負けるなという意味と必ず勝ち上がってくるだろうと自他共に認めた意味が含まれている発言だとも取れる。
エイチ湖半でのフルバトルで見せたヒコザルの進化、そして今回のモウカザルからゴウカザルへの進化。シンジでは成し得なかったゴウカザルの猛火をコントロールさせ新しい力に変えた事。すべてサトシの「信じる力」で証明してみせた事をシンジが認めたと分かる回である。
165話「四天王オーバとジムリーダー・デンジ!」
最後のバッジを手にするべくジムに辿り着いたサトシだったがそこではバトルを省略しジムバッジが無償で配布していた。
サトシはそれに対し「バッジってジム戦で初めて勝って貰えるものだろ?!」とジムリーダーとちゃんとジム戦がしたいと懇願するサトシ。以前シンジも「あんなジムは認めない。最低のジムだ!」と言っておりこの2人がいかにバトルに対して真剣に向き合っているかが窺える。(余談だがジュンはこれに対して最高のジムだと言っている。)性格は正反対でも似た者同士である。
182話「熱戦前夜! サトシのポケモン大集合!!」
シンオウリーグ・スズラン大会の開会式ににてほとんどの参加者さんが正面の聖火を見る中、シンジはサトシの方を見つめていた。
183話「開幕! シンオウリーグ・スズラン大会!!」
シンオウリーグ前日。作戦を練っているとシンジの姿が。
「お前はもう明日のメンバー決まったか?」とサトシの問いに「あぁ」と素直に返答するシンジ。
以前では考えられないくらいサトシに対して受け答えするシーンが見られる。
「全てを考慮し最高の3体にした」というシンジに対して
「俺だって負けないぜ!気合で勝ち抜いて、お前と戦う!」そんなサトシらしい発言に
「甘いな。ここに集まっているのは、8個のバッジを持ったトレーナーばかり。気合だけじゃ勝てない」
と言い方は厳しいがシンオウリーグで戦おうという約束があるからこそサトシには勝ち上がって貰う必要がある為、しっかりと的を得た指摘をしている。
その夜、ベットの中でシンジに言われた事を思い出し悶々と悩むサトシ。しかし、これまで集めたジムバッジを見て、シンオウで一緒に頑張ってきた仲間達を信じれば良いと考え直し、翌日の試合に臨んだ。
一度に三試合行う本大会だがシンジは一回戦サトシの試合をしっかりと見守っている。
184話「シンオウリーグ三回戦! シンジVSジュン!!」
三回戦まで進んだサトシ。
シンジの次の相手であるジュンと一緒にシンジの元へ。シンジと会って早々声をかけるジュンをスルーしてまでのアイコンタクトを交わす2人。かなりお互いに意識していると見られるシーンである。
シンジとのバトルを終えたジュンは「シンジとバトルしてた時、どんどん燃えてきたんだ!」とサトシに伝え、それに対して「アイツはそういう気にさせる奴さ」とサトシは答えている。
185話「恐怖のトリックルーム! サトシ対コウヘイ!!」
三回戦本会場に移ってのサトシのバトル。シンジはモニターではなくしっかりと観客席で試合の様子を見守っている。
この試合でも見事勝利を収めたサトシは準々決勝でついにシンジと当たる。
また準々決勝からは6VS6のフルバトル形式であり2人の決着といえば!な見事な演出である。
三回戦で活躍したポケモンたちを労っているところへシンジが現れお互いの相棒であるエレキブルとピカチュウも向き合い闘志を燃やすので合った。その様子を見ていたシロナも2人のバトルを楽しみにしていた。
186話「ライバル決戦! サトシ対シンジ!!」 187話「激闘フルバトル! サトシ対シンジ!!」
「エイチ湖でのフルバトル以来、それぞれが歩んできた全てをかけて今、史上最大のライバルバトルが幕を開ける!」冒頭のナレーションからすでにこの気合いと緊張感が伝わってくる伝説の回。
エイチ湖でのバトル以来、サトシはシンジの強さとは何なのかをずっと考え、「アイツは今までの経験全部を自分のパワーに変えてる」と結論付けた。それはサトシ自身も同様で、その答えはバトルで見せると宣言する。
その頃シンジはレイジと電話していた。
「俺、嬉しいんだよ。お前がサトシくんと会った事。お前にこんなにも影響を与えたトレーナーはいなかっただろ?」
とこれまた爆弾発言を落とすレイジ。
その会話をヒカリは物陰から聞いていた。ヒカリに対しシンジは「アイツはどうしてる?」とサトシのことを気にする様子で会話を続けるが先を行くシンジ。
「サトシならポケモンたちの調整してるけど、呼んでこようか?」というヒカリに対し
「いや、いい…」と断る。
「んじゃなんで聞いたの?」
「さぁな。」と彼らしい会話でシンジからの内情が次の様に語られた。
「アイツが嫌いだった。アイツは兄貴と同じだったからな。仲間・・・信じる・・・兄貴もよくそう言ってた」
ここで心に留めておいていただきたいのは嫌いだったと過去形で発言している部分である。
また正否で判断していたシンジがしっかりと嫌いという感情を抱えていたことが分かる重要なセリフである。
これに対しヒカリは「サトシはレイジさんじゃない。サトシはサトシよ。」といいシンジは「解っている。アイツは、準々決勝で戦う一人のトレーナーに過ぎない、. シンオウリーグ優勝の為にも、アイツに勝つ。」
と今まで兄と重ねて見ていたサトシを1人のトレーナーとしてしっかり向き合ったと分かる言葉を発した。
その場に駆け寄ってくるサトシ。
「シロナさんも見てるんだ!いいバトルにしようぜ!」
「そのつもりだ」
そこで2人の会話を聞いたヒカリがふとシロナがサトシとシンジに伝えたシンオウ時空伝説の一説を思い出す。
「全ての命は別の命と出会い、何かを生み出す。サトシはシンジと出会って、シンジはサトシと出会って、何かを生み出す。何かって・・・なんだろう・・・?今日のバトルで何か分かるかも!」
そうして2人の順々決勝は始まった。
バトルはお互いに先を読むバトルを繰り返し、どちらが勝つかわからいほど白熱した攻撃の繰り返しとなっている。
シンジはエイチ湖のバトルでみせたサトシのカウンターシールドをバトルに取り込みそれを活かすなどまるでサトシのバトルを認めた様な姿を見せた。
そんな中、サトシのメンバーはピカチュウ、ゴウカザル、ムクホークとエイチ湖でシンジに挑んだポケモン達である事に気づくシンジ。
シンジ「まったく、呆れたやつだな。俺と戦って、俺に敗れたポケモン達の悔しさを力に変える。だからお前は同じメンバーなのか?」
サトシ「そうだ!これが俺と俺のポケモン達の思いだ!やられっ放しで終われるもんか!俺は必ずお前に勝つ!」
これまで幾度もシンジとのバトル、ポケモンとの向き合い方の相違について考えてきたサトシなりのシンジに対するアンサーがはっきりと分かる戦い方であった。
サトシがまだ繰り出していな残り1体を繰り出す場面では
シンジ「残る1体はグライオンだな」
サトシ「ああ、そうだ」
シンジ「バトルスタイルも把握出来た。ボスゴドラとトリトドンのおかげでな」
サトシ「なに!?」
シンジ「手持ちポケモンと戦術の確認。その為にあの2体は倒れる役目を進んで担ってくれた」
サトシ「進んで?」
シンジ「ドラピオンが出てからのお前のバトルは、全て俺の読み通りだ」
とシンジらしい捨て駒戦法である事を打ち明けられる。それに対して以前のサトシからは考えられない程、素直に受け入れる返答だった。
サトシ「シンジ、凄いよ!本当に。だから俺はお前に勝つ!」
シンジ「俺もお前に勝つ!勝ってもっと上へ行く!」
お互いを認め合い自分の筋を通しお互いどこまで通用するか本気でバトルを楽しむ笑顔を見せる2人。
そこには確かにこの2人だからこそ生み出された空間があった。
またバトル中、サトシらしいバトル展開を見せる度に「お前らしいバトルだな」と素直な感想を漏らしたり、みせたことのない笑みを見せるシンジが見られる。
188話「決着ライバルバトル! サトシ対シンジ!!」
とうとうライバル対決の決着。初見の方はぜひ公式がyoutubeにUPしているので結果を見ていただきたい。
準々決勝終了後。
去り行くシンジを全力で走って追いかけるサトシに呼び止められ立ち止まるシンジ
そこは、夕闇に包まれていた。
片やシロナ、ヒカリ、タケシ、ジュンが2人のバトルを見て感じたことを話すシーンが流れる。
シロナ「すべての命は他の命と出会い、何かを生み出す』今日のバトルを見て、二人の間に確かに何かを見てとれた…それは絆。」
タケシ「サトシとシンジ。最初は歪み合っていた2人が共に成長し認め合い、そして絆が生まれた。」
ジュン「そんな2人の今日のバトル。最高だった。」
ヒカリ「そのきっかけを作ってくれたのは…」
シンジ「ゴウカザル、強くなったな。」
サトシ「あぁ!強くなった!」
なんとも芸術的な演出である。
もう行くのか?と惜しみながら尋ねるサトシに対し、俺は負けたんだ。もうここにいる意味は無い。
となんともシンジらしい返事をし頑張れよ!というサトシの言葉にあぁ、お前もな。と素直に返答している。
このシンオウリーグでのバトルはもちろんこれまでの2人を見て来たシロナからは「シンジくん、サトシくん、いつか彼らはチャンピオンリーグに勝ち上がってくる。その時を楽しみに待ってるわ。」と言われるほど共に成長しているのだった。
じゃあな。と立ち去る後ろ姿のシンジに「シンジ!またバトルやろうぜ!」とサトシが声かけると振り返ることはしないものの驚いた表情を視聴者に見せ、サトシには右手を挙げて応えるのだった。
189話「シンオウリーグ準決勝!ダークライ登場!!」
ダークライ使いのタクトとサトシの準決勝試合。シンオウリーグを去ったシンジだったが街中の試合中継でしっかりとサトシのバトルを最後まで見守っていた。
DP以降の関わり
114話「炎の特訓バトル!サトシ対シンジ!!」
12年ぶりにシンジが登場した回である。
マスターズエイトの出場を控えたサトシは気合いを入れる為、オーキド研究所のポケモン達に会いに行く事に。
もちろんそこにはかつてはシンジの手持ちだったゴウカザルの姿も。
そんなゴウカザルの炎のエネルギーに触れた衝撃でゲンガーが森の奥に飛ばされてしまう。
それを追う、サトシ達。その先には何故かシンジとエレキブルが居るのだった。
久しぶりの再会の第一声は
シンジ「お前のゲンガーか」
サトシ「シンジ!!?」であった。
シンジの威圧に「なんか恐いんだけど」とサトシにこっそり伝えるゴウに対しサトシは「いつもこうなんだよ」と答えている。
そこへオーキド博士とゴウカザルも合流し嬉しそうにシンジがいることを伝えるサトシであったが「お前を驚かそうと思ってな。昨日シンジがぶらーっとやって来たんじゃ。ぶらーっと。」とシンジがたまたま訪れた事を強調する博士。
これに対し被せ気味に「オーキド博士はポケモン研究の第一人者だ。ポケモンを深く知りたければ博士の元を尋ねる。おかしな話じゃ無い」と言い訳の様に述べるシンジであった。
ゲンガーの特訓に付き合おうとするサトシであったが「ポケモン達に任せておけ、ここはそういう場所だ。」とサトシよりも勝手知ったるシンジ。本当に昨日来たのかと疑いたくなるほどである。
さらにオーキド博士が「サトシはシンジと積もる話もあるじゃろ」と2人に気を遣ってくれファンにとっては嬉しい展開となった。
またサトシのゴウカザルに対し「お前も(特訓に)行ってやれ」とシンジが指示を出す様子をゴウが「ゴウカザル、シンジの言う事も聞くんだ?」と元々シンジの手持ちであったことがダイジェストに視聴者に伝えられた。
この事からシンオウリーグを経てシンジとゴウカザルはお互いに良好な関係になったと思われる。
腰を落ち着かせて積もる話をするシンジ、サトシ、ゴウ。
チャンピオンシップスに「お祭り騒ぎは好きじゃ無い」という理由でエントリーしていないシンジに対し「だったらさ今やろうぜ!オレとバトル!」とサトシに誘われるのが分かっていたかの様に「交代なしの3VS3だ。ただし、お前はマスターズトーナメントで使うポケモンだけだ」と予め決めていたかの様に完璧なルールを提示してのバトルとなった。
初戦
ルカリオVSギャラドス
ルカリオの影分身を破壊交戦で蹴散らすギャラドス。その反動で動けなくなったギャラドスに追撃するがギャラドスの尻尾でルカリオが捉えられてしまう。これはシンオウリーグでも見せたシンジのお箱でありファンに向けたオマージュだとも思われる。
しかしそれで追い込まれた事によりルカリオの鋼タイプのエネルギーが引き出され、バレットパンチを発動させ勝利した。
これはシンジの策略であり敢えて、サトシのルカリオの力を引き出す為に仕掛けた一連の流れであった。
二戦目
カイリューVSガブリアス
かなりのパワーを持ったガブリアスで挑むシンジに対し、追い込まれるカイリューであったが流星群を纏ったまま自身も突っ込むサトシお得意のめちゃくちゃ戦法を仕掛けるサトシ。
これにはシンジも驚いた表情を見せた。
しかしカイリューは破れてしまう。この面白い攻撃法はサトシ曰くカイリュー星群!これに対しシンジは「ダサい」と流すもしっかりと感想を述べてあげている。以前の2人からはあまり想像できないキャッチボールである。
三戦目
ゲンガーVSメタグロス
メタグロスのスピードについていけず一方的にやられてしまうゲンガー。それに対しサトシに
「それでもマスターズエイトか!俺に苦戦しているようじゃ優勝などとても無理だな」と叱咤するシンジ。
研究所のポケモン達もゲンガーを応援する様に激励を飛ばす中、「シンジに見せてやろうぜ!」と特訓していた鬼火を発動させメタグロスに勝利した。
バトルが終わったところですかさずゴウが気づいた「今の3体って全部マスターズエイトのエースだよね?これって偶然かな」
シンジは顔を柔らかくするもそれには答えずゴウカザルに「じゃあな、ゴウカザル」と挨拶してその場を立ち去っていった。その後ろ姿に「シンジ!またバトルしような!」と声をかけるサトシだったがまた同じ様に右手を挙げて応えるだけだった。
この一連に対してゴウは「カッコ良すぎっしょ…」と述べている。
この回のインタビューでシンジの声優は「サトシと再会した時の第一声、そして、行動の裏に隠れたシンジの気持ちにも注目して観て頂けたらと思います!」と語っていたがおそらくシンサトの民からはシンジの気持ち、全然隠せてないと突っ込んだ事だろう。
また脚本を務めた冨岡さんのインタビュー雑誌の内容で元々この回では研究所のポケモン達にエールを貰うだけの話であったところサトシが何かを得られる話にしたいと思った所、監督である湯山さんより「シンジを出そう」と提案され確かにここまできたらシンジ以外にはいないだろうと思った。と述べている。
このことからもシンジにとってのサトシ、サトシにとってのシンジとお互いが成長するにあたり必要不可欠な存在であったことが窺える。
118話「サトシ出陣!VSダイゴ!!」
マスターズトーナメント一回戦の第四試合。メタグロス使いのダイゴとのバトルで上手く交わすことができたサトシはシンジとの特訓を思い出し、感謝を述べた。その試合をシンジは実家で兄貴レイジと一緒に見守り笑みを浮かべる様子が描写された。
余談
- 51話から52話にかけての次回予告にてシンジとサトシで予告を行っている。
サトシ「絶対に負けるもんか!」
シンジ「フンッ。お前に何ができる。」
サトシ「何とでも言え!優勝するためにオレが決めたポケモンはコイツだ!」
シンジ「なに?!」
- ポケットモンスターサン&ムーンでアローラポケモンリーグにサトシが優勝した際の声優さんへのインタビューで「ポケモンリーグでの個人的なベストバウトはどの試合ですか?」と聞かれた際に「過去のリーグも含めると、シンオウリーグでのシンジ戦かな!ゴウカザルVSエレキブル!!」と答えている。
また2016年2月25日放送のおはスタ645番組内の心に残る名勝負ランキングの一位でもシンオウリーグ ゴウカザルVSエレキブルを挙げていた。
- 2017年に配布されたシンオウキャップを被ったサトシのピカチュウの説明にライバルの事が書かれていた。
シンオウちほうに とうちゃくし
あまくない ライバルに であった
サトシと ピカチュウ
はらんの まくあけとなった ぼうけんも
とっておきの ふくつのこころで
つきすすむ!
他、地方のキャップを被ったピカチュウにはライバルらしき明記はなくシンオウのみ窺える説明文である。
もちろん甘くないライバルとはシンジの事だと窺える。