スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス
すくーでりあきゃめろんぐりっけんはうす
所謂B級アクション映画の「エクスタミネーター」を製作した映画監督であり、「稼ぎの半分はウォール街に、もう半分は自動車につぎ込んだ」と豪語する自動車愛好家であるジェームズ・グリッケンハウスが立ち上げた自動車メーカーで、起業当初はローラやフェラーリをベースとしたワンオフ公道モデルが中心だった。
エンツォ・フェラーリのワンオフモデル「P4/5ピニンファリーナ」のサーキット向け改造モデル「P4/5コンペティツィオーネ(SCG002)」などが顕著である。
後にジェームズの夢の一端である『サーキットまで乗って行き、サーキットを走った後、家まで乗って帰れるレーシングカーを作る』というコンセプトを体現する自社開発モデル「SCG003」を発売。ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するなど人々の衆目を集めるようになった。
少数製作のメーカー故、日本での知名度はそこまで高くはなかったが、2021年には世界耐久選手権にル・マン・ハイパーカー(LMH)規定で製作されたSCG007LMHを2台投入して参戦したことでその名が知られるようになった。
『ル・マン24時間で競える車を作る』という氏の幼少期からの夢を叶えたこの車は、初参戦・LMH規定に準じた最初の非ハイブリッド車ながらル・マン24時間を2台揃って完走。翌22年では同クラスを競うアルピーヌを上回り3・4位でフィニッシュ。ル・マンでのアメリカ籍チームの表彰台獲得は2005年にアウディを駆ったチャンピオン・レーシング以来となり、レースファンを沸かせる存在として注目されていた。
しかし、ポルシェやBMW、それにプジョーなどの自動車メーカーがLMHクラスに参戦してくる中で次第にそれらのワークスチームと互角に戦う事が困難になっていき、2023年のWECで第5戦のモンツァまで参戦した後、同年の10月には2024年以降はWECには参戦しない意向を表明し同シリーズから完全に撤退した。