スーパーショットガン
さいきょうのしょっとがん
作品によっては「コンバットショットガン」や「ダブルバレルショットガン」表記の場合もある。
銃身を切り詰めたソードオフ型で、なおかつ中折れ水平二連式のクラシックなショットガンである。
作中で初期に手に入る通常タイプのショットガン(こちらはポンプアクション式。以降、便宜上「ノーマルショットガン」と表記)と共通の弾薬(ショットシェル)を使用する。
旧式の銃ながら、いずれの作品でも通常のショットガンよりも威力がかなり高いのが特徴。
反面、ワントリガーでバレル内の二発を一気にぶっ放すので速射性と弾薬消費に難があり、拡散も酷くてバラける、と馬鹿げたパワー以外は清く潔く投げ捨てた何ともDOOMな性能をしている。
見た目は木製のウッドグリップにウッドハンドガードと、現実世界の民間人が主に狩猟や自衛目的で用いるモデルに似ており、おそらくは民間用と同一のものと思われる。
「DOOMⅡ」のMAP02「Underhalls」にて初登場し、以降ゲームの看板武器として必ず登場することになる。
当時は「コンバットショットガン」の名で登場しており、装弾数の概念がなくかつドットながらもリロードモーションが存在するが、連射速度と所持弾数が低い。
単体のザコ1体2体は基本ノーマルショットガンや他の武器でしのぎ、大量の敵の群れ・強ザコ・中ボスクラスの敵に使おう。
ちなみに、初代「DOOM」には登場しておらず、また「Doom3」でも同様に本編では登場しないものの、拡張パックの「Resurrection of Evil」と「The Lost Mission」で追加武器として登場する。
なお、「The Lost Mission」では入手のためのプロセスの中でちょっとしたストーリーを知ることができ、それによるとこの銃は警備主任の私物(兄から貰ったらしい)で、電子ロック付きのケースの中で木目調のガンラックに架けられて丁重に保管されているあたり、本来は飾り物として使われていた模様。
「2発同時発射」ではあるが、威力はノーマルショットガンの3倍程度と非常に高く、ヘルナイトのような強ザコクラスの大型デーモンも数発で倒せるほど強力で、ロケットランチャーで自爆してしまうような近距離ではそれにひけをとらない威力を誇る。
また、銃弾はゾンビ兵士などでは止まらないなど貫通力が高く、数体のデーモンを一掃ということもできるため、状況や場面によっては連射がきくが威力の低いチェインガンよりもこっちを使ったほうが有効な場合も多い。
接近時の威力は凄まじい反面、銃身の短いソードオフ型というためかノーマルショットガンより散弾の拡散が激しく、遠距離射撃では効果を発揮しない。
またワンクリックで「撃ってリロード」まで1.63秒かけて一気に行う仕様上、連射速度はノーマルショットガンの約65%という遅さ。
総括すると、相手との距離が近い接近戦で真価を発揮する銃器であり、そのためピンキーのような接近戦特化で飛び道具による攻撃を仕掛けてこない敵や、動きが鈍く接近するのが容易な(それでいてある程度タフな)敵に対して近付いてぶちかます、という戦法に向いているといえる。
なお、同じく強力な銃器であるロケットランチャーは着弾時にプレイヤーが近くにいると爆発に巻き込まれて大ダメージを負うため、必然的に遠距離戦用であり、こちらは弾幕を張ってプレイヤーをなかなか接近させてくれない敵などに対しての使用が向いている。
どちらも向き不向きがハッキリしているので、状況に応じて使い分けよう。
なお、「DOOM(2016)」以降は、銃器に対しての「強化」という概念が追加された。
同作においてはスーパーショットガンでダブルキルを30回すると2発同時ではなく1発づつ撃てるようになる。
それでいて威力が据え置きなので非常に強力(強化内容は下記にて詳しく解説)。
さらに、「DOOM ETERNAL」では銃身下部にMOD扱いで「ミートフック」が付属(メイン画像参照)。
このグラップリングフックで射程距離まで敵を引っ張ったり、逆に自分がすっ飛んでいくなど、よりショットガンとチェーンソーの近接破壊力を活かすアグレッシブな立ち回りが可能となる。
DOOM(2016)
高速リロード | リロード時間を短縮 | 約0.5秒短縮 |
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ウラニウムコーティング | 弾が貫通 |
マスタリーチャレンジ
ダブルトラブル | 弾数消費が2→1に減少、さらに2連続で射撃が出来る | チャレンジ内容:スーパーショットガン1発で複数のデーモンを倒す、これを30回達成する |
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未登場だった初代「DOOM」および初登場の「DOOMⅡ」、「FINAL DOOM」などのいわゆる「旧シリーズ」では、いずれの銃器もリロードモーションが基本的に存在しなかった(残弾がある限り、リロード無しでいくらでも連発できた)のだが、そんな中においてスーパーショットガンは例外的に唯一リロードモーションが見られる武器だった(これはノーマルショットガンを1発撃つごとに行うポンプアクションと同じ扱いなのだが、こちらには弾込めのリロードモーションが無い)。
ハードの技術向上により、グラフィックや銃器の質感も飛躍的にアップした「3」以降は、一部を除いて大半の銃器にリロードモーションが存在するようになったが、それでもシリーズを代表する看板武器であるスーパーショットガンの存在感は依然として大きい。
いつしか装弾数とリロードという概念とともに、本来の長い隙という欠点も定着した今になっても、そのリロードモーションもまた魅力の内として語られるなど数多あるFPSの武器の中でも珍しい、問題点すら込みで愛される伝統装備と言える。
事実、この銃器の存在感が後のFPS作品に与えた影響は相当大きく、例としてエレクトロニック・アーツがリリースした「BATTLEFIELD1」に登場する「ソードオフショットガン」のレアリロード(シリーズ恒例のイースターエッグで、極めて低い確率で発生する通常とは異なる動作でのリロード)として、DOOMⅡのリロードが再現されたことがあった。
なお、BF1版のレアリロード発生後に、鼻詰まりの豚の鳴き声のような奇妙なSEが小さく聞こえるが、コレはDOOMⅡのピンキーの声である。芸コマ。
武器の性質上DOOM(2016)ではこの武器にセカンダリがついてきていないため、唯一セカンダリボタンでエイムする(ADSができる)武器であったりする。
ピストルやマシンガンではMODパーツでADSエイムできるようになるが、こちらは副攻撃とセットとなっている。
また、DOOM(2016)ではMODがなく、アップグレードは本体に適用される。