概要
投稿型web小説サイト『小説家になろう』にて、2019年3月から連載開始。
作者は秋桜ヒロロ、イラストはダンミルが担当している。
2019年8月1日、角川ビーンズ文庫から1巻が発売された。 2022年11月現在、既刊は5巻(完結)。
2020年5月22日より、フロースコミックスにて秋山シノによるコミカライズ版の連載が開始した。
こちらも2023年2月現在、既刊は5巻。
あらすじ
公爵令嬢セシリア・シルビィは、ある日、「自分が転生者であること」、そして「この世界は、とある乙女ゲーム『ヴルーヘル学園の神子姫3』の世界であること」に気づいた。
そして、「セシリアは先述のゲームの悪役令嬢であり、如何なるルートでも必ず死ぬ」という救われない立ち役のため、転生先がセシリアであることは、暗に余命宣告を天から受けていることに他ならなかった。
そこで、自分の絶望しかない未来を変えるためにセシリアは、物語の舞台であるヴルーヘル学園へ男装して入学することに決めたのであった。
登場人物(以下、ネタバレ注意)
神子候補
本作品の主人公。神子候補の証である『アザレアの痣』の位置は左胸。
(画像右側の金髪青年の方)
セシリア・シルビィの男装姿。
ひよのの乙女ゲーマー人生において、最も女子ウケのいい男子を演じていることで、モブに徹したいという彼女の思いとは裏腹に、学園で一二を争うほどのモテ男になっている。
リーン・ラザロア
ゲーム『ヴルーヘル学園の神子姫3』の主人公。『アザレアの痣』の位置は左手甲。
ゲームのプレイヤーキャラクターのため、明確な性格設定はなく、攻略対象の騎士たちと愛を育んでいく…筈なのだが、彼女が思い通りに動いてくれないどころか、攻略対象じゃない筈のヒューイに猛烈アタックをするなどでセシリアを悩ませるワガママな一面を見せている(この結果、当たり前だがヒューイ以外の男性からは好意を寄せられてはおらず、ジェイドはビジネスパートナー、ギルとオスカーからはむしろ疎まれている)。
その正体はセシリアの前世『神崎ひよの』の大親友にして最期を共にした女子高生『如月一華』であり、ひよのと同様、ゲームの世界に転生していた。ただし、セシリアとは違い、ダンテルートなどの一部例外を除き基本生き残る設定なこともあり、かなり自由奔放に生きている。
乙女ゲームの世界に転生するという千載一遇のチャンスを存分に生きたいがため、神子になるつもりはない。ただし、『セシル=セシリア=ひよの』と気づいて以降は、彼女なりにセシルのサポートをするが、交換条件にセシルに霰もない姿や際どい構図のモデルをさせる腹黒さも見せている。
また、先述の通り、神子候補3人のうち、証が唯一『手の甲』という隠せない位置にあるため、神子候補の出席が必要なイベントでは必ず参加させられる。
グレース・マルティネス
ゲーム『ヴルーヘル学園の神子姫3』でプロローグ前に死んだとされていた3人目の神子候補。『アザレアの痣』の位置は右肩。
ヴルーヘル学園の生徒であり、学年的にはセシリアたちの一つ下だが、類稀なるアイデアを持っており、敷地内にある大学相当の研究所への出入りを特別に許され、音響について研究している天才少女。
実は彼女自身も転生者であり、生前は音響メーカーに勤める研究者(というより、技術職OL)『弥谷皐月』。モードレット先生の声の主・須藤翔を心から崇拝する自他ともに認める声優オタクであり、前世の最期も『ヴルーヘル学園の神子姫3』の映画を観に行った際に巻き込まれたことによる焼死だった(なお、その映画を一緒に見に行き、逃げ遅れた皐月を助けようとした結果、ひよのと一華も死んだ経緯があるため、どこか負い目を感じる要因となっている)。
筋金入りの声優オタクであり、「声には興味はあってキャラには興味はない」との理由から神子候補でありながらリーン同様、放棄するつもりらしい。
前世において『ヴルーヘル学園の神子姫3』を全ルートクリアした上に攻略サイト級の膨大な情報を丸暗記している、というチートキャラであるが『ネタバレ厳禁』『他人の辛い過去をルート攻略内の本人の独白以外で知るのはモラルに反する』との考えから、セシリアには必要最低限の情報しか与えない。
騎士(攻略対象キャラ)
ギルバート・シルビィ
CV:堀江瞬
シルビィ家の遠縁・コールソン家の三男で、シルビィ家の跡取りとして引き取られたセシリアの義弟。
ゲームの世界ではセシリアに小間使い同然に扱われた結果として根暗な引きこもり青年である筈だったが、今世ではセシリアにいじめられなかった結果、毒舌で生意気な好青年に成長している。
セシリアの前世の話を知っており、学園への男装入学の唯一の協力者。
セシリアに姉として以上の感情を抱いているが、セシリア自身は姉弟関係程度にしか思っていないため、ヤキモキすることも。
セシリアは知らないが「オスカーとの婚約が万が一にも破談になった場合には、結婚相手を自分にしてもらう(つまり、養子縁組ではなく、婿養子となる)」という約束を取り付けてることもあり、オスカーとの恋仲には茶々を入れることが多い。
オスカー・アベル・プロスプレ
CV:鈴木崚汰
プロスプレ王国国王の長男にして、王太子。
セシリアの婚約者だが、「意にそぐわぬ婚約者」であることから誰よりも彼女を嫌悪しており、彼女のバッドエンドの殆どは「彼に処刑される」という内容であるほど、セシリアにとっては天敵。
…というのはゲームの世界の話であり、今世ではギルバート同様、セシリアのことを疎んでいない。むしろ初対面以降、婚約者なのに一度も会えないことを悲しく思うほどにはセシリアのことを心から愛している。
ジェイド・ベンジャミン
肩書きは「若き青年実業家」。
プラスプレ王国の経済を回しているといっても過言ではないほどの功績から平民ながら準男爵の称号を与えられているベンジャミン一族の跡取りで、学生の身ながら彼自身もいろんな商会に顔が利く一方、重苦しい肩書きからはかけ離れた大型犬のような可愛らしさを誇るのが魅力となっている。
セシルの正体に気づいていないこともあり、攻略対象では珍しくセシリアに恋愛感情を抱いていない。
ダンテ・ハンプトン
ハンプトン家の三男にして、オスカーの良き友人。
…というのは世を忍ぶ仮の姿であり、その実、次期国王となるオスカーに対して隣国から差し向けられた暗殺者。
セシリアのことを一目で女だと見破る慧眼を持っている。恋愛対象とは思っていないまでも、彼女が攫われた際にはいの一番に駆けつける程度には気にかけてはいる。
モードレッド・ネルソン
ヴルーヘル学園の保健医。『障り』について研究している研究者の一面もある。
「攻略対象キャラの中に先生が混じっている」という乙女ゲームのあるあるともいえる存在だが、主要キャラの死亡がありうる世界観なだけあって、謎多きキャラにも位置付けられている。
声の主は架空の声優『須藤翔』であり、今世でもそっくりな声をしているらしい。
なお、グレース曰く、彼の攻略ルートにおけるバッドエンドは、セシリアが通り魔的に惨殺されるという最も凄惨な結末であるらしい。
ジェイド同様、セシルの正体に気づいていないため、セシリアに対して恋愛感情は持っていない。
アイン・マキアス
ツヴァイ・マキアス
一卵性の双子の兄弟で、アインが兄、ツヴァイが弟。
攻略サイトにてバッドエンドが特にエグく、また彼らを題材とした二次創作、それもかなりキワドイものが横行しているなどの理由から、一通りの攻略を試みる彼女が生前唯一ルートを選択しなかった2人である。
その他の登場人物
ヒューイ・クランベル
ダンテと同じく隣国から送られた暗殺者。
リーンからベタ惚れされており、今では猛烈なアタックに負けて本当に両想いとなっている。
ただし、騎士(もとい攻略対象)ではないので、彼との仲を深めてもリーンが神子になれるわけではない。
ティッキー・コールソン
コールソン公爵家の次男で、ギルバートの実兄。
弟のギルバートはシルビィ家の跡取りとして養子に出されているため、次期当主として期待されている兄・ニコルのスペアとして育てられている。そのため、性格は傲慢な悪徳貴族を絵に描いたようなものであり、本編初登場時もセシリアに対し高圧的な態度で接してオスカーの怒りを買い、セシリアの正体が明かされても「この女が早く明かさないからだ」と自分の非を全く認めようとしないなど、とことんまでヒールのような描かれ方をしている。
ベルナール・ブルセ
ティッキーの金魚のフンとして登場する、気弱なキノコヘッドの青年。
ゲームでは連続婦女暴行犯の正体であり、ジェイドルートでのラスボス的な存在とされているらしいが…?
タグに関する注意
正式名称は『悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。』だが、こちらでは「全角30文字以内」をオーバーし無効なタグになってしまうため、本タグを使用することをお勧めする。
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外部リンク
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。 - 小説家になろう