◆忍◆ ニンジャ名鑑#0201 【セト】 ◆殺◆
秘密教団の長たる邪悪なるリアルニンジャ。妖刀ベッピンの破片を配下のブラックティアーズに回収させ、サツガイに授けた。現在はサツガイが連れ来たったニンジャ「ティアマト」と共にエジプトの仄暗い宮殿で陰謀を巡らせている。
「大始祖カツ・ワンソーの御遺志……」
概要
ニンジャスレイヤー第四部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」の敵組織「ダークカラテエンパイア」に属するリアルニンジャ。
エジプトを陰から支配するファラオニンジャであり、カイデンネームはまま「セト・ニンジャ」。
カイデンネームの前半を通名に使うという、古の強豪ニンジャの慣例を通している。
第三部で月が破砕された後の世界で最初に復活したリアルニンジャであり、現在は表社会への隠れ蓑としてフロント企業「エネアド社」を持ち、その代表となっている。この会社は所属する忍者からは「神聖メガコーポ」と呼ばれている。
外見
肌の色は黒く、ジャッカルの頭を持つ異形。
人物
目的を最優先し、人情を介さない冷静かつ合理的な性格。
ダークカラテエンパイアの実質的なリーダー格であり、多くの部下を抱えている(この中にはブラックティアーズ自身が引き込んだメンツもいる)。
それら部下たちからは神と崇められ強固な忠誠を向けられているが、セト自身は彼らを替えの利く駒としてのみ扱っており、時に死と引き換えの任務をそれと知らせず与え、使い捨てにすることも少なくない。
戦闘能力
古代エジプトカラテの使い手だが、その戦闘能力ははっきり言って異常。
自身の存在そのものを自由に分割して個別に干渉させる。つまりは自由自在に実体のある分身を作り出したり、自分の動きに実体のある残像を追随させて恐るべき連続攻撃を行うことができる。
これを利用し、同じタイミングで防御と攻撃を同時に繰り出すという離れ業を普通にやってのける怪物であり、正面対決に臨んだフジキド・ケンジはほとんど遊ばれるような状態で圧倒されていた。
さらにコトダマ空間におけるタイプ速度もヤバイ級ハッカーを寄せ付けないレベルの怪物であり、エシオ・カタリと同じUNIX間移動すらやってのけるほど。
カラテの大技として、古代エジプトカラテ奥義「オシリス・スプリッター」を編み出している。
これはかつての宿敵であるウシル・ニンジャを葬った後に会得した「記憶の中のウシルを殺すためのカラテ」である。
劇中において
第四部では当初何度か顔を見せてはいたが、本格的に事態に関わることはなかった。
ストラグル・オブ・カリュドーン開催に当たり、ダークカラテエンパイア構成員の賛同を受けて主催者となり、ニンジャスレイヤーを獲物とした狩りの開始を宣言。
代理戦士として乱入してきたフジキドに懸けられたシャン・ロアの契約に介入し、彼を先兵として使役していたが、マスラダ・カイの介入で代理戦士の資格を外されている。
その後はエネアド社で表向きの顔でふるまいつつ、カリュドーンの維持に腐心していたが、記者に扮して正面から入り込んできたフジキドと社長室で対峙することに。
太古の強者だけあって現在のフジキドですら相手にならない程の圧倒的な強さを見せつけたが、実はフジキドたちの狙いはエネアド社に対する暗黒メガコーポ連合からの糾弾だった。
メガコーポ連合においては、ネザーキョウの一件以来、経営陣からのリアルニンジャの排斥、および一定以上の株式を所持する場合の申告が義務付けられていたが、セトが経営権を握っているエネアド社はそれに反していながらその事実を長らく隠していたのである。
この事実をユカノがドラゴン・ニンジャの名前で公表したことでエネアド社自体が大きく屋台骨を揺るがされる結果となり、投入した殲滅隊はシャドウウィーヴにより壊滅。
これを確認したセトは、既に敵の仕掛けにかかったエネアド社をひとまず放置し、キンカク・テンプルの具現化とカリュドーンの続行を最優先、そのために目の前のサツバツナイトを全力で排除すべく猛攻をかける……が、電脳戦と並行作業で戦っていたのが裏目に出てコトダマ空間にナンシーによるハッキングを受けてしまい、続けてシルバーキーの助力を得て、各地で侵食に抵抗する「赤黒のオリガミ」を介し強引にアクセスしてきたマスラダの乱入を許してしまう。
そのままマスラダとのイクサに発展するが、この時点でネオサイタマ全体に張り巡らせた邪悪なネットワークを「赤黒のオリガミ」を介してマスラダに完全に乗っ取られており、結果的にセトの「儀式の空間」がマスラダの力で逆に侵食される事態に陥る。
それでも圧倒的カラテのワザマエにものを言わせてマスラダを圧倒するが、さすがにこの事態を前にしてはそちらばかりにも手が割けず、ハッキングを続けているナンシーを抹殺せんとUNIX転移で分身を送り込む。が、護衛としてついていたユカノに妨害されこれも失敗。
ひとまずマスラダを倒すことに意識を切り替え、無数の分け身を作り出し「オシリス・スプリッター」で袋叩きにするが、トドメの一撃を受け止められ、お互い爆発四散が目の前という状態まで消耗。
ナラクの意志を通じて同調した二人の「ニンジャスレイヤー」に嵐のごとき猛攻を受け、最後には一時的に具現化したナラク・ニンジャも加わった三人分のカラテをまともに喰らったことで、セトはついに爆発四散を遂げた。
しかし、セトはこのような事態を迎えてしまった場合に備え、ニンジャスレイヤー達を追い込む手を打っていた。それは、自身の爆発四散に伴うエネルギーを用い、地底のヒラグモ茶器と各地のギンカクをネットワークで接続して成り立つカリュドーンの儀式を利用し、スゴイタカイビルを爆破することでそのエネルギーをエネアド社のネットワークに逆流させ、ネオサイタマを物理的にも電子的にも焼け野原にするというとんでもないものだった。
連鎖爆発の起点となるヒラグモ茶器はフジキドがオヒガンの果てへ持ち去ろうとしたが、現世代が犠牲になることを良しとしないケイトー・ニンジャがリバティことマークスリーと共に茶器を奪取、フジキドに代わり持ち去ったことでセトの最後の企みは失敗。
儀式の失敗により制御を失ったキンカク・テンプルのエネルギーもシャドウウィーヴの援護を受けたザナドゥが、マスラダのアブストラクト・オリガミを用いて封じ込めることに成功し、ストラグル・オブ・カリュドーンはここに一つの決着を迎えることになる。
結果的に負けたとはいえ、当代ニンジャスレイヤーのマスラダ、歴戦のリアルニンジャであるフジキド、さらにナラク本人まで加わっての三人がかりで、さらにセトが別のところに意識を回しておりイクサに専念できていない状態で、お互い死にかけるまで膠着したことでようやく撃破に成功したという怪物であり、神話級ニンジャのヤバさを改めて知らしめた男でもあった。