概要
人間の監視を目的とした二百人からなるグリゴリ(エグリゴリ=天使の集団)を束ねるリーダー的存在。セムヤザとは「力の名」を意味する。
アザゼルとは同僚でもある。他にシェムハザ(シェミハザ)、セムハザ、ウザなどの別名がある。
実力もあり、神を畏れている天使ではあったが、地上の誘惑に負けて堕天使となってしまった。
セムヤザの任務
人間の行動を地上で見守り、その人間の行動を逐一報告する仕事を請け負っていたグリゴリという二百人の天使集団の指導者であるセムヤザ。
しかし、彼らは地上で美しい娘達を見ているうちに欲情してしまい、娘たちを妻に娶ることを決意するのであった。最初に行動を起こしたのはアザゼル。セムヤザはアザゼルを止めようとするも結局は自らも娘たちの誘惑に負け、妻を娶ることになり人間達に禁断の知識である医療や魔術、薬草の根、灌木の断ち方を教えると共にすべての魔法使い及び魔女たちの師となった。
また、ヘルモン山の頂でこの企みを破ったものを制裁するという誓いをグリゴリに立てさせるようにしたのも彼であった。因みに彼は娘との間に二人のネフィリムをもうける。
やがてグリゴリの堕落を知った神は激怒し、大洪水を起こすことを決意する。これが後にあの有名なノアの方舟につながるのである。
神は四大天使であるミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルを地上に派遣させ、セムヤザやアザゼル、アルマロス、コカビエル、タミエル、ペネムエなどを含む二百人のグリゴリをすべて捕縛した。
セムヤザの末路
こうして捕えられたセムヤザは深い後悔の念に駆られる。アザゼルが自分のやってきたことに何の疑問も持たなかったのに対し、セムヤザは神を裏切ってしまったことをひどく後悔し続けてきたのであった。そして、やがて大洪水でノアの家族以外の人間が全員死滅したことをイーノック(エノク)から聞くと絶望したという。
別の末路
人間の娘たちを娶るところまでは同じだが、別の伝説によると彼はイシュタールという女性に一目惚れする。何としてもイシュタールを手に入れたい彼はあろうことか彼女が要求してきた最も禁断な知識である神の秘密の名を教えてしまう。神の秘密の名を知ることはすなわち生身の体で天界へ行く鍵になるのである。
こうしてイシュタールは天界へ行き、プレアデスの七つ星になり輝き、セムヤザは罰として鎖で繋がれ逆さまに吊るされ、オリオン座になったといわれているのである。
別次元のセムヤザ
エルシャダイ
主人公イーノックが捕縛すべき七人の堕天使のうちの一人。
堕天使達の首謀者といわれており、元はエルダーの評議員であった。