人物像
本名「ゼルイーガー・ミュンデフ・ヴィシュライ」、劇中では本人の要望もあって「ゼル」で通っている。
普段は骸骨のような白い仮面を付けているが、素顔は赤黒い肌と赤い瞳、2本の角が特徴で、いかにも鬼のような顔をしている。側には「リディ」と呼ぶ青色のカクタスの改修機を連れている。
物語中盤、カクタスに襲われそうになった白羽由希奈を助けた謎の人物。大剣を持ち、由希奈の父・岳人の腕時計を付けている。
由希奈を助けた際に「白羽岳人は既にこの世におらず、ここであったことは忘れろ」と告げ、姿を消した。その後、「立高祭」でムエッタが青馬剣之介時貞を襲った際に助太刀に入り、ムエッタと剣戟を繰り広げた末にどこかへ姿を消す。その時に明らかになった姿はかつて剣之介が戦国時代に目撃した雪姫を抱きかかえた人物と同じであった。
そのため剣乃介からはエフィドルグと混同され、雪姫をさらった張本人だと思われていて、刃を向けられた。17話での対ブルーバード戦で空が飛べずに苦戦していたクロムクロを自機クロウで加勢するも、剣乃介の鬼への復讐心が変わらず、自身からの質問にも感情的に答えたことに対して、固定観念の過ちを指摘した。
第19話にて、冷静で論理的に会話が可能な人間として面会相手に選んだソフィー・ノエルにメッセージを送り、了承を得た後に彼女の自宅で対話。ソフィーに自身の名と、故郷の星がエフィドルグに征服されたため、仲間の仇を取り他の星を救うため地球にやって来た異星人で、今までは地球人類と最小限の接触に留めていたという素性を話し、彼女へエフィドルグの情報が入ったUSBメモリを託す。
エフィドルグ母艦降下後は、ムエッタに彼女の正体がクローンであることを教え、由希奈たち白羽家と面会。8年前に岳人と出会い、彼と友人になるものの、別れた後に彼が亡くなったことを伝えて形見であった岳人の時計を白羽洋海に渡した。
その後は黒部研究所の首脳部とも接触、地球側と協力体制を築く。最終決戦では自動操縦のクロウをクロムクロと合体させ、自らは研究所内に突入。トム・ボーデンをロングアームに乗せた後、逃げ帰って来たレフィルを負傷させた上で洗脳・尋問する。
決戦後は剣之介やムエッタに450年前に仲間と敵母艦を奪って地球に向かった先遣隊を追い、相手を破壊したものの残党が地球に降り立ったこと、クロムクロを奪うがゼルや仲間は機体に乗れず、協力者が必要だったことから助けた雪姫と剣之介を纏い手にした真実を明かした。エフィドルグは侵略する星から住人を拉致して遺伝子を採取、そこから作られたクローンを新たな辺境矯正官として次の星に派遣しており、レフィルや先遣隊もそうやって彼の同族から作られた。これを告げたことで剣乃介はようやく彼に対するわだかまりを捨て、これまでの非礼をわびた。
共に地球に降りた仲間は全員死んでおり、彼自身も余命行く場もない模様。
ゲゾンレコ隊撃破後は国連から存在を危険視されて、剣乃介やムエッタと同じく首輪型スタンガンを装着される。だが、ゼルの母星からエフィドルグに対する抵抗勢力が最後の戦いに挑むとの通信が届き、同じく居場所が無いと悟った剣之介の作戦を聞いて、それに乗ることを決意。母艦内で枢石が不安定だと騒いで人を遠ざけ、ワームホールを開いて剣之介やムエッタと共に旅立っていった。
クロウ
ゼルが搭乗する飛行型ジオフレームで、無人操縦も可能。外見はクロムクロに酷似している。エフィドルグのヨルバが乗るブルーバードと同じく巨大な翼を持ち、飛行するその姿と黒い機体色から国連がクロウと名付けた。重力推進機関を搭載し、飛行時に重力波を発生する。第17話でブルーバードと戦うクロムクロの窮地に駆けつけ、第20話では地球外に飛ばされそうになったクロムクロとメドゥーサをトラクタービームで無事誘導している。
武装は背部に背負った十文字型の超振動槍。また、重力シールドの展開も可能。クロムクロと合体して飛行能力を付加させると同時にこれらの武装も併用される。
450年前の回想シーンでは、ゼルや同胞が乗っていたクロムクロと別のグロングルが登場しており、頭部や翼等の形状がクロウと共通している。
リディ
ゼルのサポートをする青色のカクタス(エフィドルグの戦闘員的な量産型ロボット)。元々は450年前の先遣隊が放棄した機体で、ゼルが見つけて改修した。見た目は半壊状態だが、ゼルを乗せて走れるなど行動に支障は無い。発声機能などは持たないが、ゼルによれば慣れると意思疎通が可能となるらしい。予告での由希奈によると、(岳人に会うまで)共に来た仲間を失ったゼルの唯一の話し相手だった。最終話にてゼルの元を離れ、研究所側に託された。
