「三日後に、この部屋の住人の、生命と同等の価値のある物を盗む」 ―― ペイパーカット
概要
ソウルドロップとは、上遠野浩平著の小説『ソウルドロップの幽体研究』と、その続編で副題が「ソウルドロップ〇〇〇」と書かれた小説をまとめたシリーズの名。イラストは斎藤岬。祥伝社ノン・ノベルレーベル刊、新書版。作風はサスペンス色が強い。
あらすじ
ペイパーカットと呼ばれる、世間を騒がせる怪盗がいる。その怪盗は“生命と同等の価値がある”ものを盗むと称する予告状を送り付けてから犯行に及び、その犯行は窃盗と同時にその持ち主の命をも奪う。サーカムという保険会社では、契約者周囲にペイパーカットが出現した場合に保険金を支払うというのが保険の特別条項だ。そして元警官にしてサーカム保険の調査員(オブ)である伊佐俊一は、相棒の「ロボット探偵」こと千条雅人と協力してこの奇怪な怪盗を追い奔走する。
既刊一覧
ソウルドロップの幽体研究 2004年8月27日
ソウルドロップ奇音録 メモリアノイズの流転現象 2005年10月11日
ソウルドロップ虜因録 メイズプリズンの迷宮回帰 2006年10月30日
ソウルドロップ彷徨録 トポロシャドゥの喪失証明 2008年2月6日発売
ソウルドロップ巡礼録 クリプトマスクの擬死工作 2010年2月8日発売
ソウルドロップ幻戯録 アウトギャップの無限試算 2011年7月30日発売
ソウルドロップ孤影録 コギトピノキオの遠隔思考 2012年11月30日発売
作品間の関連
上遠野浩平作品の中では、ブギーポップは笑わないと同じ世界の日本を舞台とし、時代もほぼ同じ時期を扱っている。登場人物はゲストキャラが僅かに交錯する程度。しかし実は、ペイパーカットというのはブギーポップを始め多くの作品で重要な役割を果たす存在の一種(リンク先ネタバレ注意)である。