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ゾイドハイエンドマスターモデルシリーズ

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ゾイドハイエンドマスターモデルシリーズとは、コトブキ屋から発売されているプラモデルシリーズである。略称はHMM。
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概要編集

かつてゾイド関連のフィギュアやスタチューの原型製作を担当し、スーパーロボット大戦シリーズ・アーマードコアシリーズの展開でプラモデルシリーズのノウハウを積んだコトブキヤが2006年11月、製品第一弾のシールドライガーから展開を開始した。なお、企画・製作・販売は全てコトブキヤが行い、タカラトミーはライセンス許諾を認めているにとどまる。


元々は2001~2003年ごろに食玩ブームやアクションフィギュアブームと、それによる大人層の玩具ファンが増えていたことを受け、トミー向けの企画としてスタート。その後、2004年~2005年にトミー側のゾイド企画として『ゾイドフューザーズ』や『ゾイドジェネシス』が開始されたことから一旦は見送りとなり、アニメ終了後はトミーにおけるゾイド展開も縮小傾向にあったことから、展開をコトブキヤが引き継ぐ形となった。タカラトミー製ゾイドシリーズに比べ、パズル的な組み立てキットを目指したとされている。機体リファインはメダロットのデザインを手掛けたまるかた(片平まさし)が担当。片平によれば、デザインアレンジのコンセプトは「惑星Ziの実物ゾイド」というオーダーだったとしている一方で、初期のHMMシリーズキットには車の意匠が取り入れられているとも語っている。手動ギミックに関してはタカラトミー版をほぼ完全に継承しつつ、HMM独自のギミックも盛り込まれている。例としてゾイドコアの再現は当シリーズ共通のものとなっている。


武器などを装着するハードポイントは、タカラトミー版と同じ3ミリ径ながら凹凸の向きが逆転している。これはモデリングサポートグッズやフレームアームズ他コトブキヤの製品の共通規格で、相互流用による高いカスタマイズ性を実現している。


本シリーズはコトブキヤ製プラキットで初めてABS素材を本格導入した商品となる。その際のノウハウは後に同社が発売するMSGにも生かされたという。接着剤不要のスナップフィットモデルであるが、組み上がりの観点から接着剤の使用が推奨されている。



独自の解釈とアレンジ編集

本シリーズは、従来のゾイドより生物らしさや可動域が重視され、動力プラモである本家タカラトミー製ゾイドと比べるとスラリとした長い手足を持つ傾向が強い。詳細化されたことで本家にはなかった追加装備などが散見される。(※ただし、本家タカラトミー製ゾイドも、動力との兼ね合いから足が短く胴が太くならざるを得ないだけで、企画段階ではHMMシリーズに近いデザインをしているケースも多い。また、価格面からやむなくオミットされているであろう武装などもあるので、一概に独自アレンジとは言いがたい場合もある。)

設定面でも同様で、アニメ、バトルストーリー、その他媒体の設定を融合させた独自設定が多い。


評価編集

HMMシリーズは、現在ではゾイドファンに最も長く親しまれ、愛されるシリーズである。とくに、本家タカラトミーゾイドは、動力と価格とデザインの兼ね合いで人気が長続きしなかったため、本家が休止している最中はHMMシリーズが唯一ゾイドを支えた時期もあった。そのほか、尖ったアレンジはゾイドのデザイン性の再考に一役買い、本家タカラトミー製のゾイドの方向性を決めるのを手伝った側面もある。(本家ゾイドは2024念現在生物らしさと動きを高度に両立させる方向性が強い)

また、本家タカラトミーは子供向けシリーズであり強い新型が次々が出て旧型がアッという間に旧式化して売れなくなるという問題を抱えていたが、HMMシリーズは一機一機を長期に渡って売っており、これもまた本家に強い影響を与えている。本家タカラトミー製ゾイドもかつての人気機種をリデザインし少しずつ売り出す手法になりつつある。




批判編集

HIMシリーズは、現在でこそ一定の地位を築いているが、展開初期には一部古参ファンから非常に激しく批判されたシリーズである。以下批判理由とそれに対する反論や補足を列挙する。


本家キットと比べてHMMは細すぎ、本家の方が重厚感があって好きだという意見編集

本家キットは動力源の関係で胴体が大きくなり、それを支えるために太く短い足になる傾向が強い。そのため、本家を見慣れているとよりHMMの細さが強調されて見えてしまう。ただし、前述通り本家ゾイドも本来はもう少し手足を長くしたかった機種もおり、デザインについては本当はHMMの方がやりたかったものに近い場合もある。


単純にプラモデルとしての完成度が低いとする意見編集

本家は児童向けキットのため、組みやすさにも配慮されているが、HMMシリーズは大人向けシリーズのため、とにかくパーツ分けが細かく、組み立てる難易度が非常に高い。本家シリーズのつもりで組み立て始めると、その難易度に度肝を抜かれることになる。また、初期のキットはコトブキヤのノウハウ不足もあり、壊れやすくポーズも安定してとらせられないものが多かった。更に初期のキットはジェノブレイカーやブレードライガーなどとりわけ人気の高いゾイドばかりであり、HMMシリーズが扱いにくい難物とのイメージを植え付けてしまった。その為、過激なタカラトミーファンからはプラスチックゴミと批判される事態さえ招いた。


動力の廃止は受け入れがたいとする意見編集

本家タカラトミーシリーズにおいて、ゾイドのキットは歩くものであり、自分が組んだキットがリアルに歩行することも含めて好きなファンが非常に多い。HMMシリーズ開始当初はゾイド=動くものといったイメージが強く、関節可動が出来る代わりに歩かないHMMシリーズは異質だったという。ただし、どちらかといえばプラモデルは動かない方が主流であり、動力を仕込むことで、開発コストと価格の高騰を招きシリーズが長続きしない弱点を本家タカラトミーシリーズは抱えており、一長一短である。


機体設定がアニメとバトルストーリーその他媒体とのごちゃまぜで混乱を招くという意見編集

HMMは、様々な媒体のゾイド設定を独自解釈で盛り込んでおり、公式設定かHMM設定かわからず、ファン同士が混乱し対立する原因を作ったと解釈される場合がある。ただし、ゾイドシリーズはそもそも公式タカラトミーが度々設定を改変したり無かったことにしたりするので、原因はタカラトミーにもあるのでは?とする意見もある



余談編集

HMMは、初期のキットはアレンジが強く、製作難易度も高いため、キットの完成度が高く破損しにくいものは後期キットに多い。本家シリーズで人気でHMMシリーズでも完成度の高いキットはデススティンガー、ゴジュラス、レブラプター、ガイサック、ストームソーダー、レドラー、ケーニッヒウルフなどがあげられる。

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