概要
1980年代初期~中期にかけて展開された旧ZOIDSシリーズを題材としたゲーム。
RPGと擬似3DSTGが混合された非常に独特のシステムを持ち、「スーパーマルチゲーム」と銘打っている。
プレイヤーはヘリック共和国のゴジュラスを操り、ゼネバス帝国軍のゾイドと戦い、帝国に占領された共和国の砦や街を解放しながらゼネバス皇帝の打倒を目指す。
敵とのエンカウント方式はシンボルエンカウントを採用しているが、フィールド上では画面に見えない敵と遭遇する場合もある。
戦闘場面は左右スクロール方式の擬似3Dシューティングとなっており、かなり独特。
登場ゾイドの種類も敵味方合わせて全20種類以上で、当時の主要なゾイドはほぼ揃っている。更に、あの複雑なディティールを持つゾイドの姿をファミコン上で違和感なく再現できている点は特筆すべきであろう。
そして、このゲームの注目すべき点は、「ゾイドが喋る」。
中のパイロットではなく(ただし、人間のキャラクターは数人登場する)、「ゾイド自身が喋る」のだ。
とりわけ、主人公の恋人である赤い乙女ゴジュラスはプレイヤーの度肝を抜くことであろう。
確かに本作以外でもゾイドが喋る作品は存在しており、上山道郎氏の漫画『機獣新世紀ゾイド』(ウェブ公開されている続編)でも、ゾイドが人語を話す場面が存在する。だが、これはあくまで精神世界上で幼女に擬人化されたイメージが話しており、メカ生体の姿でゾイドが人語を話す場面は他に例がない。ましてや、ゾイドが街の住人となって生活しているシュールな光景は、このゲームくらいのものである。このカオスな作風は、未だゾイドファンの間で語り草となっている。
まぁ、言っておくとこの頃はフィールド画面における主人公および一般NPCのキャラクターチップをゾイドのもので代用していただけで、別に本当にゾイドが喋ったり、人のように生活しているわけではないと思われるが。
また、本作のBGMはスタジオジブリ制作のアニメの楽曲にも携わった久石譲が手掛けている。
1988年には続編となる『ゾイド2ゼネバスの逆襲』が発売された。なお、同作では人間とゾイドが別々に表示されるようになった。
ストーリー
帝国軍によって追い詰められた共和国を救うべく、一匹のゴジュラスが立ち上がる。
行く手に立ちはだかる無数の帝国軍ゾイド。
果たしてゴジュラスは共和国の救世主となれるのだろうか?
登場ゾイド
共和国軍
仲間は主人公であるゴジュラスを除いて三匹までしか連れて行けない。
しかし、キャノン砲を連射できるウルトラザウルスと偵察が可能なサラマンダー、そして攻撃力が高いシールドライガー以外はそれほど能力に大差はなく、この辺りは好みで決めても問題はない。
なお、ウルトラザウルスは攻略に必須ではない(もちろんあったほうが楽に戦えるのだが)。
主人公。RPGの仕様上仕方のないことではあるが、ゴジュラスなのに初期ステータスは非常に低い。戦闘中にゴジュラスが倒されると(他の仲間が健在でも)ゲームオーバーになる。階級の低い序盤ではイグアンやモルガでさえ脅威となる。
その後装備を充実させてMk-Ⅱになることで、キャノン砲(連射不可)や四連速射砲を使えるようになる。
・ゴルドス
序盤で仲間にできる。ステータスは低めで、電子戦ゾイドとしての面影はない。
一人称は「わたし」。
こちらも序盤で仲間にできる。マップ画面で「ていさつ」コマンドを使うと、周囲数画面分の先を視認出来るようになり、更には敵を炙りだし、戦闘回避の役にも立つ。
一人称は「おれ」。
・マンモス
こちらも序盤で仲間にできる。ステータスがゴルドスやゴジュラスよりやや高め。
一人称は「わたし」。
主人公が一定の階級以上でないと仲間にならないプライドの高い性格だが、ステータスはかなり高い。
一人称は「おれ」または「わし」。
階級が上がっていないと、
「なに わしは しーるどらいがーだぞ しかも ちゅういだ。 たいいにもならぬおまえなどに ついてゆけるか」
と言われて追い返されてしまう。
中盤で仲間にできる。ステータスは低めでこれと言った特徴はない。
一人称は「おれ」。
中盤で仲間にできる。バトルストーリーでのやられ役的な扱いは何処へやら、かなり強い。
一人称は「おれ」。
・グスタフ
仲間にできるが、非武装の輸送ゾイドな為かアイテム扱い。彼が居ないと、戦闘で大破した味方のゾイドは二度と復活出来ない上に、海を渡る際にはフロートと込みで必須となるなど攻略には欠かせない仲間。
本作では珍しい名前持ちのゾイドで「ぐふ」という名前があり、生き別れの兄がいる。
一人称は「わたし」。
・プテラス
こちらもアイテム扱いで戦闘には参加できないが、サラマンダーの代用として偵察が可能となる(その分偵察可能範囲は狭い)。ただし、時々バグによって消えてしまうことも。
一定以上の階級と5つのパーツを揃えなければ仲間にできない。機銃は撃てないが、攻撃力の高いキャノン砲を連発できる。
一人称は「おれ」または「わし」。
帝国軍
残念ながら、戦闘中の帝国軍のゾイドはデスザウラー以外正面から見たグラフィックしか存在しないが、特徴はよく捉えられている。先に進むにつれ、赤や青のカラーリングが施された強化タイプと遭遇する場合もある。
・イグアン
雑魚。とは言え序盤ではかなり苦戦する敵。
スタート地点である共和国首都で赤い強化タイプといきなり遭遇し、出鼻をくじかれたプレイヤーも少なくない筈。
・モルガ
雑魚。こちらも序盤ではかなり苦戦するだろう。
・シンカー
雑魚。海のフィールドで出現するが、本機を含めた水陸両用ゾイドは地上に上がってプレイヤーを追いかけてくる事もある。まあシンカーは飛べるし、下2体も歩けるし……。
雑魚。海のフィールドで出現。アイコンだけだとタコのようにも見えるがヤドカリ型ゾイド。
シーパンツァーよりは強いが、やはり雑魚。海で多く出現。
大型ゾイドだが、後方支援型故にやはり雑魚。ステータスはブラックライモスとほぼ同等。
・グスタフ
ステータス画面には表示されるが、戦闘には参加しない。
グスタフを含んだ敵部隊を全滅させると各種アイテムを徴収する事が出来る。その際に「ゆるしてください」と観念するなど気は弱いようだ。
以下の5匹のゾイドは占領下の街や要塞でボスを務めており、遭遇すると「ごじゅらす かくごしろ」の言葉と共に襲い掛かってくる。
雑魚。上記の小型ゾイドよりは比較的強めではある。
帝国軍初期の大型ゾイドだが、この中では比較的倒しやすい。
強敵。「あついそうこうと おそろしいぶき」と称される通り攻撃力が高く、かなり堅い。
終始苦戦する敵となるだろう。
設定通り素早い攻撃で翻弄してくる。
終盤に登場。勿論最強にして最後の敵。複数出現する。
なにげに本作はアニメ版に20年も先駆けてデスザウラーがラスボスとなった最初の作品でもある。