概要
ブラックメタルに「ダンジョン(Dungeon)」という言葉が初めて使われたのは、Burzum(バーズム)のデビューアルバム「Burzum」収録曲、Dungeons of Darknessである。
シンセは「シンセパッド」を意味する。
音楽的特徴はファンタジー・ビデオゲーム音楽に酷似しているが、このジャンルのパイオニアであるモーティス(Mortiis:Håvard Ellefsen)は、ビデオゲームの影響を否定している。また前者の影響を否定するアーティストも存在する。
またドイツ発祥の宇宙音楽「Kosmische Musik」からの影響も受けていると指摘されている。シンセサイザーを使用し、宇宙や異世界に関連するテーマを取り入れた1970年代のエレクトロニック・ミュージックを指す。
90年代当初Burzumはじめ、アンビエント音楽はヘヴィメタル界では敬遠されていたが、今やSecret Stairways、Depressive Silence、Vindkaldr、Tales Under The Oakなど多くのアーティスト達の軌跡がYoutubeで発掘され、音楽マニアで密かな人気を集めている。
歴史
ダンジョンシンセの原型は1970~80年代まで遡る。「Kosmische Musik」はじめ、Nurse with Wound、Death in June、In the Nursery、Cocteau Twins、Throbbing Gristleなどのインダストリアル/ポストパンクが後のダンジョンシンセに影響を与えたとされている。
モーティスはドイツのTangerine DreamとKlaus Schulzeに強い影響を受けたと発言している。
またヘヴィメタルも同様にファンタジーをテーマにした音楽を多用してきた。代表的なのはレインボー(Rainbow)の3rdアルバム「Long Live Rock'n' Roll.」収録曲、Gates of Babylonだろう。
これらはキャッスルメタル(Castle metal)と呼ばれるようになった。
1992年、Burzumのデビューアルバム「Burzum」ではじめてDungeonが使われる。
1993年、モーティス(Mortiis:Håvard Ellefsen)が『Era 1』をリリース。これがダンジョンシンセ元祖とされているモーティスは自身の音楽を「Dark dungeon music」と呼ぶようになった。同時期に、Dark FuneralやJim Kirkwoodも同ジャンルをリリースする。