概要
チャオドイノンメ/チョードイノンメー(Chó Đội Nón Mê)とは「破れ編み笠をかぶった犬」という意味のベトナムで伝承される犬の妖怪。
「杖を持った」という語が追加された、チャオドイノンチョンガイ(Chó Đội Nón Chống Gậy)という名でも呼ばれる。
ベトナムでは長生きした犬は化けると信じられており、名前の通り頭には編み笠をかぶり、杖を使って二本脚で歩きまわる。さらに頭の方は人語を解することができるほど良い。
なお戦争などで恨みを抱きながら死んだ者の悪霊が犬に宿ることでも生まれるといわれており、存在としての霊力を保つために家畜を襲って血を吸うと恐れられている。
また月夜の晩になると民家の屋根に駆け上り、人を襲うほど力を持ったものがあらわれることもあるといわれている。遭遇した者が驚いて口を開けた瞬間に魂を奪ってしまうのである。
特に魂と肉体の結びつきが弱まった高齢者が狙われるとされ、他の動物たちが化けた獣妖怪たちのリーダーとして屋根の上で集会を開き、襲いかかるように指令を与えるともいわれる。