トルマリン
とるまりん
10月の誕生石である。石言葉は「希望」など。ブラジル、アフリカ各地(モザンビーク、ナイジェリアなど)スリランカ(主にドラバイト) 、アメリカ合衆国などで産出される。モース硬度は 7~7.5。
トルマリンの語源はシンハラ語(セイロン島の現地語)の「トルマリ」(turmali)から。トルマリは当初イエロー・ジルコンの呼び名だったが、ジルコンとトルマリンが混在する石にも使用されていたことから、やがてトルマリンを指すものへと変化していったとされる。
トルマリンは無色から青、緑、紫、赤、ピンク、黄色等々非常に色数が豊富な石であり、中には2色以上を持つものもある。中でも、赤系統の色と緑の色を併せ持つものは、その色の組み合わせから「ウォーターメロン(スイカ)・トルマリン」と呼ばれ、板状にスライスされた形で販売されることも多い。
同じ緑色のトルマリンでも成分中にクロムを含むものは、独特の鮮やかな色合いから、宝石としての価値が高くなる。
また、含銅エルバイト・トルマリンは、その目が痛くなるほどのネオンブルーが珍重され、トルマリン族のなかでも別格扱いをされている。
発見は1982年と非常に新しい宝石であり、当初の主産地であったブラジルのパライバ州から「パライバ・トルマリン」と命名された。ところが同地では採掘権をめぐる争いが勃発したため採掘が一時ストップしてしまう。
その後、新たな鉱脈の開発が進められ、パライバはブラジルの他地区やアメリカの一部、ナイジェリアなどでも採掘されるようになり、パライバでも採掘が再開された。
しかしパライバ自体が非常に稀産であり、宝石として通用するクオリティのものはさらに限られるため、非常に高価なものとなっている。
なお、トルマリンの加熱すると静電気を帯びるという性質に着目して、シーツや布団などの寝具、あるいはシャツなどの繊維にトルマリンを混入したものが「睡眠を快適にし、体を温める」として販売されている。
ただし、この売り文句には何の科学的根拠もない。購入するなら、効果は気休め程度に考えておこう。
問題はこうした商品を知識のない人に高値で売りつける「トルマリン商法」が存在することである。身近な人が被害を受けないよう、くれぐれもご注意を。
宝石の国(作中のキャラクターとしてウォーターメロン・トルマリンが登場する)