概要
アメリカ合衆国中西部に位置する内陸の州。州の多くを平原が占める。州都はリンカーン。最大都市はオマハ。人口は200万人弱。
アメリカ横断ウルトラクイズにも登場した、チムニーロックというモニュメントがあるのはこの州である。
歴史
「グレートプレーンズ」と呼ばれる平原地帯、その中でも「プレーリー」と呼ばれる草原地帯に広がる州で、河川沿いに数多くの先住民族がいた。開拓時代に探検家によって知られていった土地だが、資源が貧弱だったためにあまり他の州のような争いが起こらず、アメリカでも準州扱いだった。
1860年、広大な土地を農地開発するために開放するとともに、インディアンを強制移住させた。州の発展のきっかけは牧畜、とりわけ肉牛の放牧に最適だったことで次第に入植者が増え人口が増加。また、オマハは鉄道の拠点駅として繁栄し、よりよい職を求めて南部から黒人も移住してくるようにもなっている。
産業
アメリカで屈指の農業州としても知られるが、乾燥しやすい気候ゆえにダストボウルによって農地が荒廃した歴史もあり、かつては特に貧しい州の一つとしても数えられていた。昨今ではアメリカ随一の畜産が盛んな州であり、オマハはオマハ牛として高級ステーキ用肉牛のブランドとしてその名を馳せている。ほかにも豚肉、トウモロコシ、大豆もアメリカでトップで、多くの国に輸出もしているという、まさに合衆国の食糧庫である。しかし、後述する過疎化問題も露見しており、将来的な農業の担い手確保も問題となっている。
都市と問題
ユニオン・パシフィック鉄道、大陸横断鉄道の拠点としても知られる最大都市のオマハ市は約人口48万、都市圏人口約100万人であり、続いてリンカーン市が人口約28万人だが、州内の人口の7割以上が面積の2%に過ぎない、この2つの都市圏に集まっており、あとの都市部は軒並み過疎化に悩まされているという、全米屈指の一極集中問題が起きている州でもある。この一帯では人口密度は1人未満というほぼ無住エリアも少なくなく、近隣の町や村も寂れ、学校も閉鎖が相次いでいる、捨てられた廃墟住宅が数千軒に上るなどしているという(大農場が広がるグレートプレーンズ付近はどこも過疎化とゴーストタウン化、さらには取り残された農家による高齢化が深刻で、同州のほかにもカンザス州、アイオワ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州が同じような問題に直面している)。