概要
古代エジプト語では「ヘル=パ=ケレド」といい「子供のホルス」という意味。
「ハルポクラテス」はそのギリシャ語での呼び方である。
太陽神ホルスの少年の姿の相として、日の出や太陽が持つ生き物を育んだり成長させる側面を象徴する。
プルタルコス著『モラリア』によるとホルスとは別神で彼の弟とする説がある。彼の記述によると生まれながらに片足が不自由であり、子供達と母親たちの守り神とされる。
毒蛇に嚙まれたときにラーに助けてもらい危機を脱した事から希望を司る神でもあるという。
エジプトの「子供」を意味するヒエログリフに由来する指を口にあてるポーズで表現されていたが、これがヘレニズム時代にギリシャ・ローマ文化圏の人間から「沈黙」を意味するものと誤解され、ハルポクラテスは「沈黙の神」として認識された。
ヘレニズム美術では裸の男の幼児から少年にかけての姿で造形され、そこにクピードー(キューピッド)っぽさを感じた人がいたのか、背に翼を生やした像も作成されている。持物として「豊穣の角」コルヌコピアを加えた作例もある。
遥か後代においてオカルティストたちからその思想体系に取り入れられた。アレイスター・クロウリーによるセレマ思想においては「ホール・パアル・クラアト」と呼ばれる。
啓示によって書いたと主張される『法の書』では「聖守護天使」エイワスはこの存在に仕える者とされている。
セレマにおいてはまた、ラー・ホルアクティっぽい響きの名を持つ存在「ラー・ホール・クイト」と双子の兄弟神とされている。
関連タグ
ハロエリス(大いなるホルス、老年のホルス)