かつて、あの重々しき歌に送られた戦士たち。
故国を守る誇りを厚い装甲に包んだアーマードトルーパーの、ここは、墓場。
無数のカリギュラたちのギラつく欲望に晒されて、コロッセオに引き出されるウドの街の拳闘士。
魂無きボトムズたちが、ただ己の生存を賭けて激突す。
次回、『バトリング』
回るターレットから、キリコに熱い視線が突き刺さる。
概要
百年戦争が終結した後にアストラギウス銀河中で流行した、民間に大量に払い下げられたアーマードトルーパー同士を戦い合わせる決闘…というのも生ぬるい賭け死合いである。
参加するパイロットも食い詰めた元軍人が大半であり、百年戦争で鍛え上げられた荒くれ達がATでどつき合うことから血湧き肉躍る興行となっている。
長い戦乱で一般的なスポーツ大会などの大衆娯楽が廃れていたことも手伝って、瞬く間に人々の間に浸透していき、これを使ったギャンブルも盛んに行われている。
基本的に1対1で戦うルールだが、場合によってはハンディキャップマッチも組まれることがあり、『ビッグバトル』ではアーマードトルーパー対地上戦艦という超変則マッチが組まれ、『機甲猟兵メロウリンク』ではアーマードトルーパー対機甲猟兵というハンディキャップマッチが行われた。
ルール
大きく分けて、レギュラーゲーム、ブロウバトル、リアルバトルの3つのルールがある。
他にも泥レスに近いダートバトルに、複数によるバトルロイヤルなどいろいろなものがあるが、劇中ではこの3つ以外殆ど登場しなかった。また、この手の競技ではよくある観客や審判の目を盗んでの反則行為や、八百長によるイカサマも後を絶たない。
レギュラーゲーム
アーマードトルーパー同士の戦闘。戦闘手段はアームパンチにのみ限られ、銃器の使用は禁止される。相手の動きを封じる、もしくはアーマードトルーパーを大破させる、あるいは相手パイロットが死亡することで勝敗が決する。
ブロウバトル
レギュラーゲームの発展版。アイアンクローやパイルバンカーといった格闘武器の使用が認められる。
リアルバトル
上記二つと異なり、実弾入りの銃火器の使用が認められる実戦に近い戦いとなる。選手のギャラも賭けの配当も上記の2つとは比較にならない程高いが、アーマードトルーパーを破壊するだけでなく、パイロットを殺害することも厭わない正真正銘の殺し合いである。
一応バリケードが設置されているが、流れ弾で観客が死亡することもあるパイロットも観客も命がけのまさにリアルな戦いである。だが、百年戦争を生き延びたアストラギウス銀河の民衆にとっては、この無茶苦茶な死合いですら”スリル”の範疇であり、普通に楽しんで見ている層が大半である。