パンドラ(GOW)
ぱんどら
この記事には、ゲーム『ゴッドオブウォー3』の重大ネタバレが含まれます。
「希望があるから強くなれる。だからここにいるのよ。全てを失っても希望があれば戦える」
CV:桑島法子
『ゴッドオブウォー3』に登場するキャラクターで、物語の鍵を握る最重要人物。
鍛冶職人の神ヘファエストスの娘だが、戦神アレスの死後に何故かゼウスによって父親から引き離されて、人間一の名匠ダイダロスの造ったラビリンスに監禁されていた。ヘファエストスは、愛娘の彼女を再び再現しようと何十体も彼女の彫刻を作製し、その内の幾つかはオリュンポスの神々の領域に安置されている。神々との最終決戦に挑むクレイトスの前に、これらの彫刻を介して何度も現れては、助けを求めていた。
その正体は、ヘファエストスがタイタン族との大戦・ティタノマキアで生じた災いを封印する為に作製した「パンドラの箱」を開ける為に、オリュンポスの聖火を使って自らの血肉より造り出した「鍵」。それ故に彼女は神でも人間でもなく、生きても死んでもいない。
妻アフロディーテとの間に子供がいなかったヘファエストスは、彼女に我が子同然の愛情を注いでおり、パンドラ自身もヘファエストスを父として慕っていた(この為、クレイトスとは叔父と姪の関係と言えるかもしれない)。その為にヘファエストスは父・ゼウスに完成した箱を渡す際に、彼女が物扱いされないようにその存在を匿って「箱に災いを封じた後は、死の砂漠でクロノスに背負わせておけばいい」と嘘の助言を与えた(1作目でパンドラ無しで、パンドラの箱を開けられたのはこの為)。しかし、クレイトスが箱の力を解き放ってアレスを討伐した事で、その嘘が見抜かれてしまい、ヘファエストスはゼウスに拷問されて真実を吐かされる事になった。そして、ゼウスはパンドラを奪ってラビリンスに幽閉し、ヘファエストスは神の魂と座を奪われて冥界に追放される事になった。
パンドラは、神々からは「物」として扱われていたが、自分やクレイトスに恐怖を募らせる神々の姿に、いつか自分達ならば神々の傲慢な支配を終わらせられると、逆に希望を募らせていった。そして遂にクレイトスによってラビリンスから救出され、オリュンポス城に辿り着くと、クレイトスを救う為に彼の制止を振り切って、安置されていたパンドラの箱を解き放って消滅した。ところが、箱の中身はなんと空であり、クレイトスは自身の娘カリオペの面影を重ねていた彼女を犠牲にしてしまった事への罪悪感もあって、逆にゼウスに追い詰められてしまう。
その時、彼の意識の中にパンドラが語った「希望があるから強くなれる。だからここにいるのよ。全てを失っても希望があれば戦える」という言葉が再び思い浮かび、パンドラの幻影に導かれて自身の中のパンドラの箱を開けると強大な力が覚醒し、その力を以て遂にゼウスを滅ぼした。この力はパンドラの箱に、恐怖などの災いに打ち勝つ最強の武器として封印されていた「希望」そのものであり、実はアレス討伐の際に、箱を開けた時点からクレイトスに宿っていた力であり、アレスを倒したのもこの力だった。しかし、クレイトスは過去に犯した妻子殺しの大罪への罪悪感からこの力の本領を発揮できず、神々も希望が既に解き放たれていた事を見抜けていなかったのである。
結果としてパンドラの存在と、彼女の強き心が、クレイトスに傲慢な神々を討ち滅ぼし、彼等の支配を終わらせる力を与えたのである。