概要
ヒカゲシビレタケ(日陰痺茸)とは、モエギタケ科シビレタケ属の毒キノコ。
学名Psilocybe argentipes Yokoyama。1972年に試食して幻覚作用を発見した菌類学者の横山和正によって1976年に新種報告された。(試食後、身体が痺れてきたために一番症状が軽かった学生が救急車を呼び、治療を受けたが視覚障害が数時間続いた。学会で発表後、他の研究者からお叱りを受けたという。)
近縁種にはアイゾメシバフタケがあるが肉眼では見分けはつけられない。大きな特徴は、傷をつけると暗青色に変色することである。
日本では本州のみで分布が確認されており、人家近くの日陰にも普通に発生する。
2005年には、内閣総理大臣官邸のシラカシの木の根元に発生し、当時の内閣総理大臣小泉純一郎が東京でキノコが発生したことを面白がったために報道され、後に本種だと同定されたために名前が知れ渡った。
毒成分の含有量は国産の同様の毒性のキノコの中では多く、1本食べただけでも強い幻覚作用を持ち精神異常が引き起こされる。
日本国内でマジックマッシュルームと指定される毒キノコの中では、比較的食用になりそうな外見のためか平成以降では中毒例が一番多く知られている。
なお本種は故意に採取、所持、販売すると麻薬及び向精神薬取締法において麻薬原料植物として指定されているために犯罪になる。