概要
フウセンタケ科チャツムタケ属の毒キノコで、有名なワライタケは科から違い、毒成分も異なる。
学名Gymnopilus junonius 英名laughing gym(大笑いジム)。
毒成分は脳の中枢神経に働きかけ、幻覚や異常な興奮を引き起こす。
愉快になって笑う場合もあるが大笑いするわけではなく、顔面神経が異常になり顔が引きつり笑っているように見えるだけで、中毒をしている本人は苦しんでいるともいわれる。
下記の学会の報告のように地域による毒性の差異が大きいとされ、悪寒や腹痛、下痢や尿失禁を伴う場合もあるとされる。
なお毒成分とされているものは諸説あるが、いまだに解明されていない。
広葉樹林に生え、見た目は黄褐色で肉厚の食べごたえがありそうな姿だが、汗臭いような臭気と強い苦みを持つ。食用のコガネタケと間違えられることがあるので注意が必要である。
余談
- 漫画などで笑い茸を食べて苦かったという表現は本種の特徴を採用したからだと思われ、平安時代の「今昔物語集」で遭難した尼僧が食べて笑い踊った舞茸というキノコも本種のことだといわれる。
- フランスや東北の一部に、流水にさらし毒抜きをした上で保存食にして食べる習慣がある地域もある。
- 2022年の日本菌学会第66回大会において、日本産のものは1種類ではなく最低でも5系統に分けられ、現在つけられている学名のものは実体として存在しない可能性が高いと報告された。
- 2024年1月3日にX(旧Twitter)において、「譲り受けたものを食べてみる」との投稿があり(現在は削除済み)、法令上マジックマッシュルームには該当していないため違法でこそないが、毒キノコに対して興味本位で関わるのはまずいと物議を醸した。