概要
過去作の要素が大集合したお祭り作品『世界樹の迷宮X』で唯一新規追加された職業。
♂1のツンツン気味の頭や鉢金、青い鎧、鳥の紋章、宝玉のはまった剣など、『ドラゴンクエスト』的な意匠を数多く含むストックキャラクターとしての「勇者」そのものであり、ドラクエとしても世界樹としてもやや装飾過多であるという面ではアンチヒーローを扱う作品での皮肉としての勇者に見えないこともない。
一方で2のほうは♂♀ともにブラニー族並みかそれ以下の完全なロリショタで、鎧も着ていない。
また、全員共通でプリンスやプリンセスと同じネガポジが反転したタイプの目をしている。
「前衛:攻撃兼防御型」と紹介されており、物理関係のステータスがバランスよく高めに揃っており、剣に属性を宿して攻撃する多彩な剣技と盾による防御スキルをどちらも使いこなせる。さらに、自身が攻撃スキルを使う度に、次のターンに自身がとった行動をもう一回取る質量をもった残像である「残像」を作り出すことで一人で複数人分の働きをすることができる。
その一方で、パーティ全体の状態を参照したりほかのキャラと連携しやすいスキルも多く、人を率いるものという性質も持っている。
弱点は何かというと「万能型」ではなく「攻撃兼防御型」と書かれている通り、LUCが最低で強化弱化ステータス異常といった補助系のスキルがまったくもって使用できない。また、「残像」との兼ね合いで盾スキルを含むほとんどのスキルに攻撃の要素を含むため、敵のカウンターを誘発してしまう。
敵と正々堂々正面から殴り合うしかない職業、とも言えるかもしれない。
また、使用武器が使用者の多い剣である、盾が装備できるようになる、本人のSTRはそれなりでスキル倍率が強力という都合上、サブクラスとしても大変強力である。
キャラクター
♀1 | 緑髪紫眼の少女。通称「ヒロ子」。アナザーカラーは白髪赤眼。 | ||
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♂1 | 緑髪紫眼の青年。アナザーカラーは金色のような灰色の髪に翠眼。 | ||
♀2 | 金髪碧眼の幼い少女。アナザーカラーは鶯色の髪に赤眼。 | ||
♂2 | 桃髪翠眼の幼い少年。アナザーカラーは紫髪碧眼。 |
主なスキル
残像を出すためのツリー、剣技のツリー、盾技のツリー、仲間との協力のためのツリーの4つが主にある。
- 残影
攻撃スキルを使う度に一定確率で「残像」を出すパッシブスキル。
残像は次のターンにその残像を出す際に使ったスキルを勝手にもう一回使用し、そのターンの終了時に消滅する。
残像が出やすい「ミラージュソード」や残像を回収できる「シャドウチャージ」などの派生技がある。
逆に言えばこのツリーをとらなければ「残像」は出ないので、仲間にシノビがいるなどの理由があれば取らないのも自由だ。
- ショックスパーク
ヒーローの持つ剣技のうちの一つ。
敵一体にまず斬撃を放ち、その後に敵全体に雷属性の追撃を行う隙を生じぬ二段構えの剣技。
これの特殊な点は「斬撃で狙った敵に斬耐性があるとき、それが高ければ高いほどその後の雷撃の威力が上がる」という点で、最大で6倍にまで膨れ上がる。
この性質から、敵パーティに物理耐性によってほかの敵をかばうような敵がいた場合、逆にそいつを起点にして敵全体を壊滅させることができる。
- レジメントレイブ
敵一体に超強力な炎の剣を振り下ろす。
強力だが最遅発動であり、「発動対象に対してそのターンに味方がダメージを与えていればいるほど威力が上昇する」という性質がある。火力を1ターンに集中する場合、例えばST異常の敵に皆で攻撃する時などに真価を発揮する。
- シールドアーツ
発動するまで味方を守る、ものすごく発動が遅い「敵を盾で殴る攻撃技」。
軽減率こそあまり高くないが発動まで何度でも味方全体へのダメージを軽減してくれる、また、攻撃技なのでこれで残像を出すこともでき、2重に発動して更なる軽減を図ることもできる。
属性版の「シールドマテリア」もある。
- 勇者の絆
味方全体のHPが一定割合以上の時、自身の攻撃力と行動速度が増加する。
仲間を参照する技の一つで、常に発動し続けるには回復役の存在が必要となる。
- 気負い
同列の味方の封じや状態異常を自分に移動し、フォースゲージを回復する
アタッカーで低LUCな自信を身代わりに回復役や補助役のバステを取りのぞき復帰させるスキル
自身に移動させた封じや状態異常はこれの前提スキルである「心頭滅却」で回復できる
「勇者」という存在
この手の露骨に主人公っぽい万能型の職業は自由にパーティを組めるゲームでは禁忌と言えるもので、本家ですら避けていた。とはいえ、過去作大集合のお祭り作品で看板として1職だけ追加するとしたら、となったときに納得がいく職業であるのもまた確かである。
そしていざ実装されてみると、自由にパーティを組めるゲームなので主人公補正を除いてバランス型に……ではなく主人公補正が乗った普通のRPGなら最強の勇者なんだけど世界樹の迷宮ではそう簡単にはいかなかった、という調整であり「勇者のパロディ」として実によくできている。
また、レジメントレイブは攻撃職、パッシブスキルやLUCの低さは回復職と相性が良く、縛りや異常撒きはできないからバフデバフ職の協力も必要と、自身は全く弱くないのに他のクラスが引き立つように調整されている。
シノビ、リーパー、ナイトシーカーなどの冒険者に助けられることもあるかもしれないし、普通のRPGの感覚で敵に正面から突っ込んでいってあのねされるのもお約束である。