るろうに剣心の概要
元々は週刊少年ジャンプで連載されていた「るろうに剣心」で登場した用語で、本作に登場する架空の剣術流派「飛天御剣流」における抜刀術の特徴である。
この言葉が登場したのは原作143話、志々雄真実との最終決戦で緋村剣心が飛天御剣流奥義である「天翔龍閃」を放った場面。
十本刀の瀬田宗次郎が伝えた奥義の術理を聞いていた志々雄は天翔龍閃を捌くことに成功。志々雄はすかさず自身の奥の手「終の秘剣・火産霊神」を以って剣心を葬らんとするも、踏み込んだ足が前に滑るばかりか、自身の身体が前に吸い込まれていく。
剣心の師匠である比古清十郎は、この技について、「天翔ける龍の牙をかわしたところで吹き荒れる風に体の自由を奪われ爪によって引き裂かれる」と説明している。
その言葉の真意は、天翔龍閃は一撃目を防御や回避で凌いでも、超神速の斬撃速度により前方の空間の大気が弾けて真空の空間が発生、生まれた真空が元に戻ろうとする事で敵の身体の自由を奪う。そして使用者は勢いのまま一回転、遠心力と更なる踏み込みを加えることで一撃目よりも威力を増した二撃目を放つことが出来るというものであった。
志々雄は自身に起きる現象を即座に看破するが、思考は出来ても身体は追いつかず、攻撃のためにノーガードとなった胴体に天翔龍閃が直撃。
そしてこのシーンを背景に、
「飛天御剣流の抜刀術は全て隙を生じぬ二段構え!!!」
という形でこの回は締めくくられるのであった。
この記述通りだと、天翔龍閃に限らず全ての飛天御剣流の抜刀術が「隙を生じぬ二段構え」になっているはずであり、双龍閃や双龍閃・雷は隙を生じぬ二段構えを体現した抜刀術となっている(刃衛の敗因も抜刀術の隙を狙ったところへの双龍閃のクリーンヒットであった)が、剣心が「抜刀術」としている飛龍閃についてはそのような描写がなく、解説があるわけでも無いので、詳細はやや曖昧である(尤も、飛龍閃は特性上二段構えの技がないと使用そのものが危険だが。なお2023年版では「飛ばした刀を納刀しながら柄で刺突→龍槌閃・惨のように上空から追撃」という攻撃が追加され、この技も二段目、三段目の攻撃を備えているという補完がなされた)。
それを差し引いても、志々雄との死闘で決め手となった奥義の秘密を端的に表す言葉として、多くの読者の記憶に残ることとなった。
ちなみに剣心も「先読みに頼りすぎる」悪癖があるため、隙の生じぬ二段構えをよく喰らってる(そもそも双龍閃・雷を喰らったのは剣心だし)。
ネット用語としての「隙を生じぬ二段構え」
原典については上述の通りだが、ネットにおいては
- 「一撃目を回避されても(あるいは回避されることが前提の囮で)二撃目を当てることができる攻撃」
- 「一撃目をクリアしてプレイヤーが安心(油断)した所に、すかさず二撃目が飛んでくるような初見殺しのゲーム」
- 「一撃目のオチでの腹筋崩壊を回避されても二撃目のオチを放つギャグ」
等で用いられるようになっている。