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概要編集

故郷のカンザスに帰る旅の途中、マンチキンの国近くの森でドロシーが出会った、全身がブリキで出来た木こりの男。

木を切る作業中に雨ざらしになって関節がさび付き動けなくなっていた所を、ドロシーに油をさされ、かかしに身体を磨いてもらうことで体の自由を取り戻し、その恩から行動を共にする。鋭い斧と頑丈なブリキの身体を活かした戦士ポジション。

ブリキは錫による耐腐食処理がされた鋼なのだが、傷や関節などのメッキが摩耗した部分は逆に腐食しやすくなる欠点がある。このせいか、彼も続編ではニッケルメッキをかけ直したと主張している。


過去編集

実は男と表記されているのは彼が元々生身の人間の男性だったから。

彼は木こりであった父の後を継いで木こりの仕事に精を出すうち、とあるマンチキンの娘と結婚を誓い合う仲となった。ところが、娘と同居していた老婆は働き手を取られることに怒って東の魔女に依頼し(後の巻では東の魔女自身がマンチキンの娘を働かせていたことになった)、彼の斧に呪いをかけさせたのである。

そして、魔女による呪いがかかった斧にも構わず働き続けた結果、徐々に体を切り落とされていき、遂には全身がブリキの義体になった挙句、ブリキ職人に心臓を入れ忘れられたせいで愛を忘れてしまったという悲しきサイボーグである。魔法使いの力で心臓を得ることによって愛を取り戻すことが、オズの魔法使いに会わんとするドロシーの旅に同行した目的であった。


続編にて、本名は「ニック・チョッパー(Nick Chopper)」、またマンチキンの恋人の名前は「ニミー・エイミー(Nimmie Amee)」であると設定された。


余談編集

しばしばロボットとしてアレンジされる立ち位置であるものの、彼自体はあくまでも肉体をブリキ細工に置き換えた人間であり、その胴体も頭も空っぽである(脳も心臓も持ち合わせていない)。ロボットに該当する存在はまた別に続編で登場している。


事故が起こるたび、若者にブリキのパーツを作ってあげた職人は、ボームによって書かれた続編ではクー・クリップ(Ku-Klip)という名の老人として登場した。彼はブリキの木こりの後にもう一人、ほとんど同じ経緯で魔女に呪いをかけられたファイターという名の若者をブリキの兵隊にしてしまっている。今度は忘れずに胸にブリキの心臓を入れたものの……


前日談の実写映画であるオズ_はじまりの戦いでは、王国に不時着したオズと共闘して悪い魔女二人を退け南の善き魔女を救い出したブリキ職人のリーダーがブリキの木こりを制作したことになった。


またW. W.デンスロウ氏による初版の挿絵では痩身かつカカシとほぼ同じ背丈だが、後年の挿絵担当者や映像作品によってはずんぐりむっくりだったり、長身だったり、大柄だったり等様々な体型で描かれていることが多い。中には日本アニメ草創期のあの巨大ロボットを連想させる姿もある。

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