概要
リムファイア弾を使うスイス製のベッテルリM1869をサルヴァトーレ・カルカーノの理論でセンターファイヤ弾に変更し値段を抑えるためにチューブマガジンを廃止し単発式にしたライフル。そのためイタリアン・ベッテルリとも呼ばれる。
1870年にイタリア統一と共に採用され、1871年より生産が開始される。完全に退役するまで約150万生産されたと言われる。
生産性や信頼性が高く改良品が幾つも作られ、カルカノライフルに取って代わられたにもかかわらずイタリア軍や同盟国で使用され続けた。
性能
全長 | 1345mm |
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銃身長 | 860mm |
重量 | 4.25kg |
使用弾薬 | 10.35mmベッテルリ弾(10.35×47mmR) |
装弾数 | 単発 |
口径 | 40口径 |
主なバリエーション、派生型
バリエーション
Mod.1870 Cavalry Carbine
騎兵用カービンモデル。
Moschetto da Truppe Speciali mod. 1870
特殊部隊用の短小銃モデル。
Mod.1870 Carabinieri Carbine
カラビニエリ用のカービンモデル。
Mod.1870/81
後部照準器がヴェッキ照準器に交換されたマイナーチェンジモデル。
連装式
ベッテルリM1870には沢山の再設計モデルがあり、その中の大半が連装式に戻したものである。
その代表たるのがM1870/87である。
Mod.1870/87
砲兵大尉G.ヴィタリが独自の理論で連装式に再設計したモデル。イタリア軍に正式採用された。詳しくはベッテルリ=ヴィタリM1870/87を参照。
ベッテルリ・トゥリー
ドラムマガジンとレバーアクションシステムを持つ再設計モデル。
ベッテルリ・ニーガー
「かなり興味深いボルト」とFruhwirthカービンに類似した機構が特徴の再設計モデル。
ベッテルリ・エンゲル
フルヴィルト・カービンと非常によく似た装填機構を備えている再設計モデル。
ベッテルリ・ヤヴェル
ドラムマガジンとレミントンスタイルのボルトを備えている再設計モデル。
ベッテルリ=クラヴァリーノ
3つのパターンが知られる再設計モデル。すべてドラムマガジンを備えているようですが、少なくとも1つのパターンでは、ストックに追加のチューブマガジンが搭載されています。
ベッテルリ=クロパチェク
発明者の名を冠したライフル銃と同様の管状マガジンを備えた再設計モデル。
ベッテルリ・ホッチキス
ベンジャミン・ホッチキスがウィンチェスター・リピーティング・アームズ社向けに設計したさまざまな銃のものと類似した管状マガジンを備えた再設計モデル。
ベッテルリ=ヴェルンドル
レシーバーの左側に取り外し可能なチューブ型マガジンが取り付けられた再設計モデル。
ベッテルリ・キーン
レミントンのジョン・W・キーンが設計したアンダーバレルチューブマガジン付き再設計モデル。ベルダンタイプのボルトアクションを採用。
ベッテルリ・シャープ
元のベッテルリに似たチューブマガジンを備えた再設計モデル。
ベッテルリ=ヴァルミスベルク
内部回転マガジン付き再設計モデル。
ベッテルリ・リー
リー・エンフィールドタイプの着脱式ボックスマガジンを搭載した再設計モデル。
ベッテルリ・クルンカ
武器の側面にスピードローダーのようなものが装備されている再設計モデル。Mod.1870/87に非常に似ていると言われています。
ベッテルリ=アルナルディ
武器の側面に、カートリッジを保持する金属チューブの形をしたスピードローダーのようなものが付いています。ベッテルリ・クルンカに非常によく似ています。
ベッテルリ・フレッディ
弾丸が入った箱が武器の右側にある自動排出型の再設計モデル。
ベッテルリ・モディファイ
元となるベッテルリM1868を作ったフリードリヒ・ベッテルリによる、マガジンカットオフを取り除いた改造品。