ホッパード・ザ・ガントレット
CV:難波圭一
GUNG-HO-GUNSの一員にして主人公ヴァッシュ・ザ・スタンピードに尋常ではない憎しみを抱く復讐鬼である。
巨大な弾丸の形をしたロケット鉄塊『グーデリア』が主武装で、圧倒的な破壊力を持って敵に突進し粉砕する豪快な戦い方が持ち味である。その反面小回りがきかないためか、トゲ付きの拳銃をサブウェポンにしている。
上半身に対して小さくねじ曲がった足とこぶのように出っ張った背中を持った一種の奇形体型だが、鍛え抜かれた上半身は凄まじい膂力をもっており、怪物じみた立ち回りをして見せた。
その攻撃スタイルから、周囲の音を自由に操作するミッドバレイ・ザ・ホーンフリークと組んで行動することが多く、その絶妙なコンビネーションでヴァッシュ一味を追い詰めた。
人物
怪物のような容姿の持ち主だが、快楽殺人者揃いのGUNG-HO-GUNSのなかでは一番まともな人間であり、不具者となったレガードに反抗的なミッドバレイを宥めGUNG-HO-GUNS間の不協和を収めようとしたり、捜査に来た憲兵隊に対して、レガードの許しも無く引き返す様に独断で事前に警告するなど不必要な殺人は極力避けようとする一面も見られた。(アニメ版では只の快楽殺人者だが)
辛い過去を背負った故かどこか達観したところがあり、私的な理由でGUNG-HO-GUNSを抜けようとしたミッドバレイを責めもせずかえって親身にサポートするなど独特の人情を持っていた。
殺人に躊躇はしないものの、それでもある意味まともなミッドバレイとは共通の常識人としてか乾いた友誼を持っており、彼との掛け合いは漢達の胸を打った。
ヴァッシュとの因縁
普段は温厚とすら言えるガントレットだが、主人公ヴァッシュに対しては偏執的とすら言える憎悪を抱いており、彼の前では負の感情を爆発させていた。
それというのも彼はヴァシュが力を暴走させて引き起こしたロスト・ジュライ事件によって恋人をホームタウンごと消し飛ばされてしまったのである。その容姿故に街でも差別されてはいたが、それでも恋人と一緒に穏やかな時間を過ごしていた彼にとってヴァッシュは自分の人生を奪った怨敵なのである。
彼の憎しみと悲痛な思いはヴァッシュにロスト・ジュライ事件の記憶を呼び戻させ、彼に重い罪の十字架を背負わせることになった。
最終的には、奮戦及ばずヴァッシュに敗北し愛機グーデリアも破壊されてしまった。その後、自身とミッドバレイを命令違反の咎で粛清せんとしたレガート・ブルーサマーズと交戦。友人のミッドバレイは戦死し、自身も流れ弾を喰らって死を待つばかりとなった。
死にゆく間際、偶然側に居たヴァッシュに末期の言葉を投げかける。
「おまえは、生きて苦しめ。殺してなどやらん。このクソ溜のような世界で、血を吐きながら生き続けるがいい」
この上ない呪詛とも、捻くれたエールとも付かない文言を投げかけたが、最期に亡き恋人の幻影を見たガントレットは、笑みを浮かべて死んだ。