概要
鮫の形質を持つ人魚。温和な種族が多いマーメイドの一種だが、鋭利な外見と違わぬ凶暴性を持つ。
旧魔王時代はさらに禍々しい形態を持つ、全身凶器とも言える魔物であったという。
人間を察知する感覚はまるでサメの嗅覚。船の中に隠れていても人間の男性の居場所をピンポイントで判断できる。
強烈な咬合力と鋭い牙が合わさり、その噛みつきは鉄の鎖を切断し、ただそれだけで船底を食い破る威力を発揮する。
人間の男性の存在を認識した時点で発情状態に達する彼女達の追撃から逃れることは困難である。
マーシャークは狙った人間の男性にも噛みつくが、彼女達の牙は、魔物達が用いる、斬り付けられた者の魔力だけを切る「魔界銀」に似た性質を持つ。
外傷を負い血が流れ出る代わりに精(生命力)が漏れ出、マーシャークの魔力は精と反応して紅い色になり、水に溶けた大量の血のように広がることになる。
「魔界銀」の武器のようにその傷は受けたものに甘く強烈な疼きを感じさせ、身を寄せる彼女達が持つ鮫肌がもたらす感覚もあり、水中に出来た赤いモヤの中で男性は思うように身動きもとれないうちに交合に至ることになる。
マーシャークは凶暴性と同時に臆病さも併せ持つ。旧魔王時代の身体感覚を残す彼女達は、自分が夫を傷つけてしまわないかとその触れ合いは恐る恐るなものとなり、一度手にした愛する者を失うのではという恐れも抱いている。魔物娘となる事で人間や他の魔物への共感を獲得したためか、血が水面に落ちるのを察すると、襲うためでなく助けるためにそこに向かおうとする性質を持つ。