モリエールMolière
世没1622年1月15日 - 1673年2月17日
17世紀フランスの劇作家で、コルネイユ、ラシーヌとともに古典主義の三大作家の一人とされる。
- 本名はジャン=バティスト・ポクラン(Jean-Baptiste Poquelin)
生涯
- パリの室内装飾業を営む裕福な家庭に生まれ、オルレアンの大学で法律を学んだとされる。しかし当時は卒業証書が金で買えたため、法律をどの程度学んだのか明らかではない。一応弁護士の資格は持っていたが、正式に弁護士を開業していたP.コルネイユと比べてはるかに法律の知識は劣っていた。その後家業を捨てて俳優となり劇団に入るも興行がうまくいかず、借財が原因で投獄されてしまい、劇団も解散状態となってしまう。その後釈放された事で劇団を再結成したが、取立てに追われ芝居どころではなくなったため、結局パリから逃げ出し、南フランスを巡業して回る生活を続けた。その中で喜劇作品を書き始めた。と、言われているが、実のところ若い頃の事はよく判っていない。
- 1658年、パリに戻り次々に作品を上演し、『お嫁さんの学校』(1662年)が大評判となって劇作家として認められた。モリエールの劇作は宮廷でも支持を得て、喜劇に対する人気、評価を高めた。喜劇作品『人間嫌い』『ドン・ジュアン』『町人貴族』『病は気から』『いやいやながら医者にされ』『スカパンの悪だくみ』などがある。モリエールの死後、コメディ・フランセーズが創設された(1680年)。
- 自筆原稿が一篇も残っていないだけでなく、自筆の手紙すら全く残っていない。原稿が残っていないのは当時としては珍しい事ではなく、P.コルネイユやラシーヌ等の同時代に活躍した劇作家の自筆原稿も殆ど残っていない。ただ、手紙が全く残っていない事は特異な事であるのだが、その理由は不明とにかく不明。研究者や学者が血眼になって探しているが未だ発見されていない。その点ではシェイクスピアと肩を並べる。また、南仏修行時代に様々な書類に署名をしているのだが、その筆跡が全く異なり同じもしくは似た筆跡が一つとして無い不思議な人物。その為作品の殆どはコルネイユが本当の作者で、モリエールは名義貸ししただけと言う説すらある。とにかくその生涯が謎だらけの、その点でもシェイクスピアと比肩しうる劇作家である。
著作
- トンデモ医者 (トンデモいしゃ)(Le Médecin volant、制作年代不明)
- ル・バルブイエの嫉妬(ル・バルブイエのしっと)(La Jalousie du barbouillé、制作年代不明)
この2作品はモリエール作品ではない可能性がある。
- 粗忽な男 (そこつなおとこ)(L'Étourdi ou les Contretemps、1655年)
- 恋人の喧嘩 (こいびとのけんか)(Le Dépit amoureux、1656年)
- 恋する医者 (こいするいしゃ)(Le Docteur amoureux、1658年。テキスト現存せず)
- 滑稽な才女たち (こっけいなさいじょたち)(Les Précieuses ridicules、1659年)
- スガナレル:あるいはコキュにされたと思った男 (スガナレル:あるいはコキュにされたとおもったおとこ)(Sganarelle ou le Cocu imaginaire、1660年)
- ドム・ガルシ・ド・ナヴァール:あるいは嫉妬深い王子(ドム・ガルシ・ド・ナヴァール:あるいはしっとふかいおうじ)(Dom Gracie de Navarre ou le Prince Jaloux、1661年)
- お婿さんの学校(おむこさんのがっこう)(L'École des maris、1661年)
- はた迷惑な人たち (はためいわくなひとたち)(Les Fâcheux、1661年)
- お嫁さんの学校 (およめさんのがっこう)(L'École des femmes、1662年)
- グロ=ルネの嫉妬(グロ=ルネのしっと)(La Jalousie du Gros-René、1663年。テキスト現存せず。一説では「ル・バルブイエの嫉妬」と同一作品と言われている)
- 「お嫁さんの学校」批判(およめさんのがっこう 」 ひはん)(La Critique de l'école des femmes、1663年)
- ベルサイユ即興劇(ベルサイユそっきょうげき)(L'Impromptu de Versailles、1663年)
- 強制結婚(きょうせいけっこん)(Le Mariage forcé、1664年)
- ぼうやのグロ=ルネ (Gros-René, petit enfant、1664年。テキスト現存せず)
- エリード姫(エリードひめ)(La Princesse d'Élide、1664年)
- タルチュフ:あるいはペテン師(タルチュフ:あるいはペテンし)(Tartuffe ou l'Imposteur、1664年)
- ドム・ジュアン:あるいは石像の宴(ドム・ジュアン:あるいはせきぞうのうたげ)(Dom Juan ou le Festin de pierre、1665年)
- 恋こそ名医 (こいこそめいい)(L'Amour médecin、1665年)
- 人間嫌い (にんげんぎらい)(Le Misanthrope ou l'Atrabilaire amoureux、1666年)
- いやいやながら医者にされ (いやいやながらいしゃにされ)(Le Médecin malgré lui、1666年)
- メリセルト(Mélicerte、1666年。モリエール唯一の未完作品)
- パストラル・コミック(Pastorale comique、1667年。テキストは断片のみ現存)
- シチリア人:あるいは恋する絵描き (シチリア人:あるいはこいする えかき)(Le Sicilien ou l'Amour peintre、1667年)
- アムフィトリヨン(Amphitryon、1668年)
- ジョルジュ・ダンダン:あるいは、やり込められた夫 (ジョルジュ・ダンダン:あるいは、やりこめられたおっと)(George Dandin ou le Mari confondu、1668年)
- 守銭奴(しゅせんど)(L'Avare ou L'École du mensonge、1668年。日本で最初に翻訳された作品)
- プルソーニャク氏 (プルソーニャクし)(Monsieur de Pourceaugnac、1669年)
- 豪勢な恋人たち (ごうせいなこいびとたち)(Les Amants magnifiques、1670年)
- 町人貴族 (ちょうにん きぞく)(Le Bourgeois gentilhomme、1670年)
- プシシェ (Psyché、1671年。P.コルネイユ、キノーらとの共作)
- スカパンの悪だくみ (スカパンのあくだくみ)(Les Fourberies de Scapin、1671年)
- エスカルバニャス伯爵夫人 (エスカルバニャスはくしゃくふじん)(La Comtesse d'Escarbagnas、1671年)
- 学者きどりの女たち (がくしゃきどりのおんなたち)(Les Femmes savantes、1672年)
- 病は気から (やまいはきから)(Le Malade imaginaire、1673年)
その他人名
・モリエール中佐…「聖剣伝説2」のNPCの一人。タスマニカ共和国のサンドシップの指揮官であるメレリア提督の孫。
メレリア提督が彼に大甘なせいで実質的にサンドシップの支配者となっており、艦内で好き勝手な振る舞いをしていた。
成り行きでサンドシップに乗艦することになったランディたち一行を強制労働に従事させ、とりわけプリムにはセクハラまがいの行為を迫るなど、典型的な「階級だけ立派なダメ軍人」キャラであったが、ヴァンドール帝国による攻撃でサンドシップは大破して他の乗組員ともども砂漠に放り出されてしまい、今までの栄光が一転、無様な醜態を晒す羽目になってしまう。
なお、対照的にこの一件で目が覚め、かつての将器を取り戻したメレリア提督からは「情けない!」と一喝されているが、後にセルゲイと再会した際、「心を入れ替えて掃除係からやり直している」ことが聞けるため、甘ったれていただけで性根まで腐っていたわけではないようだ。
EDでも引き続きメレリア提督やセルゲイらと共にサンドシップに乗り込んでおり(大破したのを修復したのか、別の艦なのかは不明)、甲板の清掃でもしているのか、船尾で忙しく動き回っている様子が確認できる。