塩酸メチルフェニデート(商品名リタリン)は、脳の中枢神経を興奮させ、精神活動を高める向精神薬の一種。
うつ病やADHDの対症療法(病気そのものを治療するのではなく、病気による症状をやわらげるもの)として大量処方されていたが、依存性が強く耐性がつきやすいため、現在では向精神薬の中でもっとも管理の厳しい第1種に指定され、ナルコレプシー(居眠り病)以外には原則処方されなくなった。
後の研究と改良で、即効性を抑えて長時間効果が持続することで依存へのリスクを低減した「コンサータ」がADHDの対症療法として出回るようになる。不注意・多動性を改善させる作用はあるが、衝動性が高いものには逆効果となる。
短時間で強力に効き、眠気や気分の落ち込みを晴らすリタリンは、裏市場で覚醒剤の代用として今でも取引されることがあるという。(コンサータも同様に、譲渡・悪用されるケースがある)