『とっ、友達になろうというのか? っ、うん、良いだろう、友達だな。ならばっ、リヒトと呼ぶがいい!』
概要
実権をまるで持たない、六本木ギルド『タイクーンズ』の形式上リーダー。港区・六本城学園の学生でもある。
日本人とドイツ人のハーフ。
軍服風の衣装を好んで身に着けるオタクで、ドイツ語を混ぜて会話する。
あまり上手くないながらも、絵を描くのが大好きで、高校では美術部に所属しており、絵が上手い相手には敬意を払う。
一人称は「吾輩」。二人称は名前呼び、もしくは「我が友○○」。
尊大な口調や言い回しを好んで使う事が多い。いわゆる厨二病な性格である。
人物
支配と扇動に対して天才と呼ぶべき才覚を有しており、特に心に影を抱える者達の心に付け入り、熱烈な支持を得る事を得意としている。
が、その一方で内心では対等な関係に心焦がれる繊細な一面も有しており、特に友達という関係に特別な感情を抱いている場面が度々描かれる。
作中では本編に先駆けて初期のイベント特殊クエストから登場しており、主人公に対しては我が友と呼ぶと共に深い親愛の情を抱いている様子。
どれくらい深いかというと、バレンタインイベントでは主人公から貰ったチョコを喜びのあまりコーティングして永久保存しようとしたり、臨海学校イベントでは主人公と一緒に一夏の思い出を作ろうと学校が違うにもかかわらず合宿先まで花火片手に追いかけてくる程。
普段からギルド内では支配者やリーダーとして振舞っているものの、主人公の前では年齢相応の子供らしい表情を見せているシーンが多い。
上流階級で育ってきたせいかやや天然な部分が多々あり、家柄の財力も相まって度々思い掛けない行動力を発揮している。
が、周囲のキャラがかなりの曲者揃いなため、基本的にツッコミに回る事の方が多い。
癖の強い支配者達を束ねるギルドマスターという立場もあって、何気に苦労人でもある。
クニヨシやベンテンとは同じ美術教室に通う仲。プライベートでも同人誌の売り子やフェスの設営などをちょくちょく手伝って(手伝わされて)いたり、犬猿の仲の二人の喧嘩を仲裁したりなど、やや振り回されながらもそれなりに仲良く交流している。特にクニヨシに対しては、その才能と絵にかける情熱に多大な尊敬の念を抱いている。
メリュジーヌを直属のメイドとして侍らせており、かつて彼女が心に傷を負った状態で出会った際の出来事から、その一生を捧げようと思う程に強く心酔されている。
彼女からは「お道化て周囲を笑わせ、いつも明るく振舞われる御方」と評される一方で「とても怖い、決して底を見せない御方」とも評されており、心酔だけでなく敬愛と畏怖の入り混じった感情を抱かれている。
神器は所有権を略奪する遺産目録『政殺誉奪(トロヤニッヒ・エルベ)』。
役割は『支配者』、権能は『継承』。
召喚紋の位置は右手の甲。
ゲーム内の性能
2019年1月現在、☆3(通常)、☆5(通常)、☆4(2018バレンタインイベント期間限定出現)の3つのカードが公開されている。
☆3(通常) | ☆5(通常) | ☆4(2018バレンタイン) | |
---|---|---|---|
二つ名 | 【六本木の議長】 | 【遺産略奪】 | 【火照る胸の奥に】 |
コスト | 8 | 24 | 16 |
属性 | 冥 | 冥 | 火 |
武器 | 射撃 | 射撃 | 射撃 |
CS名 | 政殺誉奪(トロヤニッヒ・エルベ) | (☆3(通常)と同じ) | 計転愛人(トロヤニッヒ・エルべ?) |
CS効果 | 敵に自属性・射撃ダメージ+敵にCP減少 | (☆3(通常)と同じ) | 敵に自属性・横一文字ダメージ+敵に憑依付与 |
☆3(通常)・☆5(通常)
『ここより、我が伝説を始めよう! ッフフフフ……』
全てのスキルにCP関連の効果を持っており、彼の神器の設定のごとく自身と味方のCP効率を高める効果に非常に長けている。スキルを最大解放すれば味方へ強力な攻撃バフも付与できるようになり、長距離攻撃と共に味方を強化していく戦闘スタイルがメイン。
『主砲発射ぁ!』
特筆すべきは、全てのスキルにおいて発動条件に一切の移動を必要としないこと。
発動条件に移動を必要とするスキルを持つキャラが非常に多いため、必要に応じて他のキャラの移動後スキルを遺憾なく発動させることができる。補助能力の高さから☆3でも優秀な性能と言われるキャラの1人。
『ハハッ!計算通り!』
バフは攻撃後の付与となるため、パーティー内のポジションはリーダーが適任である。ただし☆3と☆5ではスキルを付与できる範囲が違うため注意。
本編内での設定同様、先陣を切るリーダーというよりも背後から味方に指示や扇動を行う司令塔のような役割の性能となっている。
『我が目録に新たなる一枚を加えよう。政殺誉奪、毟り取れっ光を! ッはっはっはっはっ!』
☆4(バレンタインイベント期間限定出現)
『我が友よっ、このような場所に呼び出して何だ?……ッま、まさかそれは…我輩に?いやっそのっ……どぅえええ!?』
攻撃属性は冥から火に変化。コスチュームも通常のミリタリーファッションから白を基調とした学園の制服となっている。何気にかなりの美尻。
『わ、我が友よ……この気持ち、どうか受け取ってほしいのだッ!』
☆5のキャラ性能と☆3の使い回しの良いスキル範囲を併せ持ち、更には恩恵の限られていたCP減少から憑依(攻撃範囲を反転、味方へ攻撃)を付与するようになったCSが非常に強力。優秀なバッファーであると同時に優秀なアタッカーでもある。☆4という編成しやすいコストも魅力的。
『幸せであるッ!』
CP補助性能とバフ付与能力だけでなく自身の火力の強化にも長けており、集中(攻撃力上昇&スキル発動率上昇)と闘志(攻撃力上昇)という2つの攻撃バフを自身に重ね掛けする事ができる。
更に対ダメージ発動で敵に被ダメージ上昇のデバフを付与する能力も獲得。スキルの発動が上手く重なれば、下手なチャージスキルよりも高い火力の通常攻撃を射撃の射程範囲でぶっ放せるという非常に強力な性能となった。
もちろん、全てのスキルにおいて発動に一切の移動を必要としない部分も健在である。
『天にも昇る心地であるッ!』
ただし、全体的にスキルの発動確率はそこまで高くは無い点には注意。通常に比べ自身に対するCP増加能力も低下している。
だが、どのスキルもそこそこ持続時間がある上に1つでも発動すれば十分に強力な効果が得られるため、全体のスキル性能を見ればローリスクハイリターンな運用を十分期待できる性能となっている。
『その眼差しが、我が胸を撃ち抜いたのだ。好きだ、友よっ!この絵を!お前に贈りたいっ!』
何といっても、戦闘開始からスキル発動、戦闘終了までどのセリフもバリバリに主人公への恋心を滲ませており、違った意味でも非常に攻撃力が高い。あらゆる面から見て強力な性能のカードである。
『この身を焦がす高揚は何だ…?……そうか。友よ…これが、愛なのだなっ!?』
関連イラスト
関連タグ
モンティナ・マックス:漫画『HELLSING』に登場する、外見、出身地、性格などといった共通点の多い戦争狂。
韓信:ゲーム『Fate/GrandOrder』に登場する、外見、謀略家、軍事オタクなどといった共通点の多い戦争屋。
材木座義輝:ライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』に登場する、外見、ファッション、話し方、性格、オタク趣味などといったかなり共通点が多い厨二病。
関連リンク
メインシナリオでの活躍
※この先は本編5章最終話以降の展開にかかわる重大なネタバレが含まれています。本編シナリオを最新話までクリアした後の閲覧を推奨します。
本編シナリオ内では第5章の最終話にて初登場。
この時点では文章欄に名前は表示されておらず、「眼鏡の高校生?」との表記で台詞が表示されている。
メリュジーヌとの会話内にて初めてリヒトという名前が登場し、オピオーンの動向の報告を受けた後、全てをかっさらうという宣言と共に何らかの行動を開始した。
その後、6章の第2話にて再び登場。
六本木ギルドの勢力拡大に向けて本格的な行動を開始したオピオーンに対してギルドマスターとして感謝と助力を申し出るもガン無視され、思わず白目でツッコミを入れた。
オピオーンの出撃後、ショロトルを利用してオピオーンの軍勢にツァトグァの情報を流し、意図的に部隊の動向と戦局を操作していく。そしてオピオーンの部隊から逃走を続けていた主人公にメリュジーヌを通して接触。「オピオーンの暴走を止め、事態を収束させるため」という名目の下に協力を申し出る。
合流の予定地点へとメリュジーヌが主人公達を誘導し、自身も向かおうとした────
────その時、彼が待機していた六本木ギルド本部をハーロットと手を組んだハクメン率いるシャドウの軍勢が急襲。異界の支配者や権力者達といった多数のギルドメンバーと共に、ビルごと包囲されてしまう。
圧倒的な戦力差に一人、また一人と倒れていく支配者達。だが、幹部クラスの構成員ではないとはいえ、一人一人が異界を支配するに相応しい実力と神器を持った支配者の集団である。この時点で全員が協力して応戦していれば、十分に切り抜けられる可能性はあった。
……筈だった。
『なるほど───それは素晴らしい。「弱者」は力を合わせねば勝利など掴めません!』
『ああ、いけません「そんなに堂々としていては」!「臆病者とは思われましょうが」身体をかがめて、縮こまっていなくては!』
『ここは「恥を忍んで」他の皆さんと協力を!「力がない」のは恥ではありますまい?』
身の危険にやむを得ず手を組もうとしていたプライドの高い支配者達はリヒトのこの言葉によって激昂し、自ら仲間との協力を拒み始める。
その結果、ある者は堂々と姿を晒すと同時に撃たれ、ある者は単身神器を手に突撃して数分の後に肉塊と化し────やがて、その場に一人残ったリヒトを黒い軍勢が包囲した。
『ふむふむ、各個撃破されたか。彼ら六本木の支配者(ガヴァナー)たちも非常に強いはずなのだが──貴君ら「黒い影」は、それを「破壊」する力を持つようだ。いったい───何者なのであろうか?』
『──ああ、会話が成り立たんかね?いいとも、それなら──』
『それにふさわしい歓待があるというものだ』
次の瞬間、リヒトの背後から光と共に先程倒れた支配者達の無数の神器が出現した。
『我が「遺産目録」の「神器」は、悲しくも尊い命を奪われた「仲間」のもつ「神器」の使用権を「継承」する事ができる。』
『つまり──味方が死ねば死ぬほど──吾輩はその力を受け継ぎ、使うことが可能となるのだよ。』
彼の真の目的は自分以外の仲間の全滅。
幹部達の権力闘争、オピオーンの暴走と侵略行為、失墜させられたハクメンによる反撃。その全てが彼の計画の内であった。
通常、この東京において神器を用いた戦闘は『アプリ』を起動して発生させた閉鎖空間の中においてしか行えないものとなっており、アプリバトルを終了し次第バトル中に引き起こされた現象は全てアプリ起動前の状態まで巻き戻るようになっている。そして当然、アプリバトル中に死んだとしても、アプリを切る=閉鎖空間が解除されさえすれば生き返る事が可能である。
だが、この閉鎖空間は条件さえ揃っていれば人為的に作り出し、なおかつ維持し続けることが可能なものであり、六本木ギルド本部のヒルズタワーはその為に必要な構造を全て兼ね備えた設計がなされていた。
道化の言葉によってオピオーンを誘導して建設させた六本木ギルド本部の真の役割は『支配者たちの墓標』であり、彼が「実権を持たないお飾り」と嘲笑されながらもギルドマスターに就いていた真の目的は、『強力な神器を持つ支配者たちを一か所に集めて死なせ全ての神器を奪い、その死を人工的な閉鎖空間で維持し続けることによって名実共に真の支配者として君臨する』事であった。
そして主人公達と接触したのも、主人公達と手を組んだ状態で主人公率いるサモナーズをオピオーンと噛み合わせ、一人残った自分が全ての神器を自分の物にするため。
主人公に対しての協力の意思など最初から無く、『オピオーンを始末する都合の良い駒として使い捨てた上で神器を奪う』という目的こそが主人公に接近した真意であった。
その予想以上の悪辣さと凶悪な神器の能力、そして何より戦闘シーンにおける仲間たちの悲鳴と断末魔を聞きながら歯をむき出して笑い敵を蹂躙していくという鬼畜ぶりは、これまでのイベントシナリオでのコミカルなイメージしか持っていなかった多くのユーザーを愕然とさせた。
(※誤解の無いように言っておくとこれまでのイベント特別シナリオは主人公と仲間になっている時間軸での反応を描いたいわばパラレルストーリーであり、この時点の本編において主人公とリヒトの面識や接点はまだ一切発生していない。)
その後、死んだギルドメンバー全員の神器をフルに使用した戦闘の末、異界の支配者たちを皆殺しにしたシャドウの軍勢を30分で壊滅させた。
本部を離脱して合流地点に向かう最中もオピオーンとルキフゲ両方の部下に意図的に制限した「善意の」情報を流し続け、強大な力を持ちながらも三つ巴の相性であるオピオーン、ルキフゲ、ハクメンの3幹部が殺し合う状況をお膳立てしていった。
そして、並行して自分との合流地点に居る主人公の情報もリークし、主人公を土地勘の無い六本木で追い詰め、窮地に陥ったところを影から救出して恩を売ることで仲間として引き入れるという壮大なマッチポンプ計画を実行に移す。
ここまでくるともはや完全に悪役サイドのキャラクターであるが、彼のこの一連の行為は単なる権力欲や名声欲に起因するものではなく、彼自身もまた六本木ギルドのメンバー達から自身の居場所や人生を奪われ続けてきた過去が背景にある。
そもそも六本木ギルドはギルドという名前こそ付いているものの、各異世界の支配者達が集まり、自分達にとって都合の良い居場所を作る為に創設されたギルドである。表向きにギルドとしての体裁を保ち、支配者達のバランスを取る為だけに宛がわれたお飾りのギルドマスター。それがリヒトであった。
そのためメンバーの誰もが彼の事を見下しており、ツァトグァからは思い出す際に『あのお飾りの──』と言われ(直後に流石に言い過ぎたと謝罪はしている)、ハクメンには最初から存在すら認識されておらず、ルキフゲには誰なのか忘れている事を覚えているフリで誤魔化され、オピオーンからはストレートに下郎呼ばわりされ、その他大勢の支配者達も彼を都合の良い道具としてしか見ていなかった。
お飾りである事を嘲笑われ、道化と蔑まれ、対等な仲間など一人も居ないギルドにおいて都合良く利用され続けてきたが故に、彼自身もまた『利用できる者は利用し、騙せる者は騙す』という他者との絆を否定するような偽悪的な思考を持つことで自尊心を守ってきたのである。そのため、彼にとっての自分の居場所というものは常に『奪うことでしか得られない』ものだった。
自分自身が手に入れられなかったものの価値を『手に入れるまでも無かった』と証明し、今度こそ自分自身の手で自分の居場所を奪い取る。それにかける執念が彼の行動原理の背景にあった。
……しかしあくまでそれは”六本木ギルド”という互いを互いに利用し合う性質の特殊な集団内において培われた思考であり、元来彼自身は(無自覚ではあったが)彼を本気で慕っていたり、本心から彼の為に行動する人物を見捨てられるほどの悪人ではない。
そのために、合流地点にて彼の絵を咄嗟に銃口から庇ったメリュジーヌと、彼女を守る為に自ら盾となった主人公を実際に目の当たりにした瞬間、反射的に仲間であるはずの六本木ギルドの戦闘員に向けて神器を用いた攻撃を加えてしまう。
これによって六本木ギルド全体から離反者として認定されてしまい、六本木ギルドの死亡した”仲間”達から受け継いだ神器の使用権を全て消失。完全に無力な存在となってしまった。
仲間を利用し尽くして遂行する筈だった完璧な作戦のはずが、利用する予定の相手を庇ったために自ら何もかも台無しにしてしまうという、彼自身も想定していなかったあっけない末路を遂げた。
その後、逃げ延びた先のセーフハウスにて地位も神器もギルドも全て失ってしまったショックのあまりに大爆笑するほどの精神崩壊を引き起こすも、このまま事態が進行すればオピオーンの暴走が止められない物になる事を自力で思い出し、事態を収束させるためにやむを得ず計画の全貌と本心を主人公とトウジに打ち明ける。
自身の悪辣な計画と本性を全て知ってもなお助けた事に礼を言い、地位も力も全て失ったただの「リヒト」に対して友達になろうと手を差し伸べる主人公の姿を目の当たりにして、ようやく自分自身の本心、そして自分がしてきた他者の心に付け入る行いの「悪辣さ」を自覚することとなった。
『つまらぬ一言で、人生が変わってしまう瞬間がある。つまり我輩は今までの「しっぺ返し」を受けているのか。』
『「仲間」はいらぬぞ、もはや辟易している。だが、そうか。友達──友達ならば───』