「俺を草食でまとめるな!!」
「誓ったんだ...俺が必ずこの世界を変えると」
概要
漫画『BEASTARS』の登場キャラクター。誇り高く生きようとするアカシカ。
チェリートン学園においては、彼の一挙一動に草食獣・肉食獣の誰もが目を離せなかった演劇部の花形役者。カリスマ性を身に付けている。
プロフィール
人物
役者長。高等部3年。演劇部の花形役者であり、学園の権力者。ホーンズ財閥の次期後継者でもある。
学園全体を統べる『ビースター』の称号を狙い、誰にも隙を見せず、誇り高く強気な態度を崩さないよう振る舞っている。
最高学年とあってか基本的に生徒へは高圧的に振る舞い、友と呼べるような関係はない。
部活内のことは会議を通して把握しており、注意喚起や個人へのフォローなど積極的に部内の雰囲気を引き締めている。オス側は自分がまとめ、メス側の情報はシイラから貰っているようだ。
肉食獣、特にオスの肉食獣に対してコンプレックスを持っているようで、雄虎のビルに調子付かれた上にコンプレックスの大元を暴かれた時は銃を持って彼を威嚇、踏みつけてみせた。
逆に普段から自分が肉食獣であることを抑圧しようとしているレゴシも気に入らず、校則違反の片棒を担がせたり挑発したりと当り散らしたこともある。
メスオオカミのジュノとは個人レッスンの際、内心(女子は可愛ければ目を惹けていいな)と考え、それを少し口に出してしまった。それを聞いたジュノからは、押し倒され、ビースターを狙う1人としてライバル宣言をされる。それ以降ジュノには一目置いているようだ。
実は彼の本心は「肉食動物が大好き」で、後のレゴシと食殺犯との決闘で自分の本心に気付くことになる。ある意味草食動物に憧憬を抱くレゴシとは真逆の似た者同士であり、肉食動物へのコンプレックスは大好きで憧れの存在になれない裏返しでもある。
誰にも弱みを見せない彼だが、ハルには少し心を許していた。
前の角の生え変わり時期、角が取れた姿を隠そうと屋上の園芸部の部室に隠れていたのをハルに見つかり、色々と慰めてもらった。それ以来たまに合っては相手をしてもらっている。
情はあるが、学園の卒業後は別れるつもり。
父親のオグマとは食事の時に顔を合わすくらいであまり会話もしていない。しかしルイにとっては勝てない相手であり、銃を突き付けて脅した時ですらその場の空気を食われ、要求を押し通せなかった。
経歴
ホーンズ財閥現経営者オグマ(CV:堀内賢雄)の一人息子として生まれた、とされているが実際は裏市の出身。
当時、商品番号4番として売られていた生き餌のルイを、非合法に養子を欲して来ていたオグマが一目で気に入り買い上げた。
それ以来、オグマの庇護のもとで英才教育を受け、誰にも弱みを見せないよう(特にその過去の証拠である右足の裏の「4」の入れ墨)振る舞い、チェリートン学園高等部3年生になると役者長として演劇部を引っ張っていた。
しかし、知り合いの女子生徒が裏市を占めるシシ組に攫われたことで状況は一変。レゴシが行ったハルの救出、それを邪魔しようとするシシ組のボス(CV:土師孝也)を救出最後の詰めと彼が撃ち殺し、シシ組の構成員にすわ食われそうになる。が、構成員の一部がルイの利用価値を見出し、なんとルイを新しいシシ組のボスにしたいと言い出した。
以後、ルイは持ち前の胆力とプライドとカリスマ性で、シシ組の新しいボスとして振る舞うことになる。
新生シシ組は草食獣をボスにしたことで草食獣が行なっている裏市の店のケツモチによく採用されるようになる。
背景には裏市全体の経営難:表社会での肉食達の裏市利用の後ろめたさが増す価値観と、しかしその抑圧による食殺事件の増加があった。そこに「表社会での平和の為、裏市を利用しよう」という草食獣が現れたら………という期待あってのこと。もちろんその採用の際、ルイのボスとしての振る舞いと、シシ組側がそれにしっかり下ってる様子が見えていたことが影響してない訳もなく。
ルイは裏市で過ごしていくことで、今まで否定してきた肉食獣の在り方を認めるようになり、しいては今までの社会の在り方を認め、自分なりに無法だった裏市の改革を行なっていく。
実際のところシシ組側としては計算あってのルイの擁立だったが、その若き牡鹿のカリスマに本気でルイに付いてしまう者も出始めた。しかし、そこでも弱味を見せない振る舞いが身に染みついている彼は、肉体が受け付けない食事が肉とタバコの生活に体が疲弊し、栄養ドリンクでなんとか奮い立たせる日々だった。
いち早く彼の存在の価値と彼の才覚に惚れ込んだシシ組のイブキから徐々に心を許すルイ。新生シシ組の経営も軌道にのり、他の組との諍いも良い飯食わせてる血気盛んな身内が勝利、順風満帆だった。
が、あの駄犬が内緒話がしたいからと女装してモーションかけるフリで近づいて来た挙句、食殺犯を見つけて大晦日に決闘をやるので来て下さいとか伝えてきた。どうしてくれようこの後輩。
大晦日の日、ルイは自身が肉食獣が大好きなことに気づく。その場でイブキに突然シシ組を抜けると宣言するが、イブキの誘いでドライブに行くことになる。
そこで、ルイはイブキに自身への想いを伝えられる。そして、電気がつかない真っ暗な洞窟に入った時、イブキは自分を撃って決着をつけろ、そうしなければ食うと暗黒の中で言う。だが、ルイはこれまで自分の苦心に唯一気づき、側で支えてくれたイブキを撃つことができなかった。
そのまま食われると思ったその時、鋭い銃声が響いた。出所は、バイクで追ってきたフリーの拳銃だった。ルイは必死に話しかけるが、イブキはそのまま亡くなった。(ちなみに、のちに建てられたイブキの墓に書かれていた漢字は獅子眼鏡。ここでの出来事が2期のエンディングである優しい彗星のモチーフになった。ここでフリーがイブキを撃った理由については、こちらを)
フリーに裏市の出口まで送られ、二度と戻ってくるなという約束を交わした後にルイは約束されたレゴシと食殺犯の決闘場所である高架下へと向かう。
そこで、ボロボロのレゴシを見つける。レゴシが機転を効かせて服を投げつけ、足音は電車の音で掻き消してルイを抱えたまま一時的にその場を離れた。
最期にルイ先輩の顔を見れて良かった、決着を付けてくるとフラフラで立とうとするレゴシに対し、本心では死んでほしくないと強く思うルイは部活の時のように態度を固めてレゴシの態度を両断しようとするものの、生まれて初めて落涙し、それをみてもう少しここにいると言ったレゴシに対して、自身の4番の刺青が刻まれた右足を食べて戦う力をつけるように言う。最初は拒否するレゴシに対し、ボロボロで傷だらけの体を指摘して早く食うように言う。結局、レゴシは足を食べ、戦いに戻るが一方的に食殺した犯人と互いに信頼しあっているからこそできた捕食ではどちらが勝つかなど言うまでもなかった。
決闘が終わった後、ピナが呼んだ警察にレゴシは連れて行かれ、自身は救急車で搬送される。