昭和時代の特撮のメカみたいだろ?
これ、本当に作られた飛行機なんだぜ・・・
概要
フランスで開発された試作戦闘機にして世界初のラムジェットよる飛行に成功した機体。
…ではあるが、メイン画像を見れば分かる通りどう見ても昭和時代の特撮に出てきそうな外見である。
紅茶とカフェオレが激しい化学反応を起こした結果としか思えない…
開発
レドゥクの構想がスタートしたのは1930年代。
1937年にはフランス政府から正式に承認された。
しかし第二次世界大戦の影響で開発は遅延。
1947年に初号機の「レドゥク010」が滑空ながら初飛行を行い、1949年にはラムジェットによる飛行を成功させた。
ただしレドゥク010は純粋なラムジェット推進機であり、自力での起動はできなかったため※に輸送機から発進するという方法を採った。
第二世代である「レドゥク016」は主翼の端にターボファンエンジンを搭載し、自力での起動ができるようになった…はずなのだが、このエンジンがクセモノであり結局起動用エンジンを外して「レドゥク010」シリーズの仲間入りとなった。
第三世代の「レドゥク021」はマッハ2.5を目指し、エンジンの推力を6.5tに強化。
それに続く「レドゥク022」はターボファンエンジンを追加し、自力での起動を可能とした。ちなみに022は140回以上の飛行試験を行っている。
しかしミラージュ3との競合に敗れ、レドゥク計画は中止となった。
※ラムジェットは構造としては「ただの管の先端にラム圧で空気を圧縮するためのコーン(角)をつけただけ」であり(このためダクトエンジンとも呼ばれる)、別に圧縮機とかそんなもんはついてない。このためタービンを用いる「一般的な」ジェットエンジンよりもはるかに高速域を狙える一方で、自力で静止状態からの起動ができないという弱点を抱えている(ガスタービンならセルモーターか外部からの高圧空気供給でタービンを起動させることはできる)。このためにラムジェット推進機は起動用に別に「通常の」ジェットエンジンあるいはロケットエンジンを積む、または別の飛行機から「放り投げる」必要がある。
機体
機体は「ラムジェットエンジンに主翼とコクピット付けただけ」と言わんばかり。
その姿はまるで昭和時代の特撮に出てくる地球防衛組織の戦闘機である。
さらに初期型はコクピットの位置がとんでもなくキている。
なんと先端のノーズコーン内部に乗り込む。これ脱出できるのか。MiG-9も真っ青、デファイアントもびっくり。
さすがにこれはまずいと思ったのか、レドゥク022ではコクピットの位置が常識的な場所に変更された。